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経営や趣味、時事などのブログ記事や、Podcastの発信を日々行なっています。ニュース登録をしていただければ、更新情報を配信していきますのでお気軽にご登録ください。(広告を配信することはありません)
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【エピソード概要】
創業初期、安さと速さを武器にしていたトリニティが、ものづくりの面白さに目覚めたきっかけは何だったのか。
手帳型ケースの細かな工夫から、自社製品に名前をつけ、ブランドを確立していくまでの試行錯誤を明かす。
有名ブランドとのコラボ秘話や、社内で白熱したパッケージデザインの議論など、普段は聞けない開発の裏側も満載。なぜキャラクターグッズには手を出さなかったのか?
このエピソードを聴けば、Simplismというブランドがどのようにして形作られてきたのかがわかるだろう。
「Podcast:リアル経営」このエピソードに関するご意見・ご感想をぜひお寄せください。今後の配信の参考にさせていただきます。
「リアル経営|企業経営の成功と失敗、等身大で語る台本なき社長のリアル」
この番組は、私、Hossyこと星川哲視が自らの体験をもとに、経営やその舞台裏などをリアルに語っていきます。
リアル経営は、毎週金曜日朝6時に配信しています。
おはようございます。Hossyこと星川哲視です。
おはようございます。STRKのがじろうです。
はい。それでは前回からの引き続きでブランドストーリーのリアル。そしてこれがSimplism編のPart 2ということで、枝がいろいろ分かれてきましたけれども。
そうですね。
ざっくり全体はブランドストーリーのリアルで、今回はSimplism編ですけれども、今後、Simplism以外のブランドのお話もしていく予定です。今回は、そのSimplism編のPart 2として進めていきたいと思っています。
お願いします。
はい、お願いします。
前回が、Simplismの始まりだけで終わっちゃったので。
そうなんです。
そこから生まれ軌道に乗り出したSimplismが、どう発展していくのか。いろんな製品とかを今週聞けるというところですね。
はい。始まりは前回お話しした通り、台湾のおばちゃんの功績が大きかったんです。そして、僕たちは当時、まだ3〜4人しかいなかった、洋平が入る前くらいの時期でした。
余談ですが、以前、洋平の回で話したのを覚えているかわからないんですが、洋平の企画で、デスクにスピーカーを付けて、iPodをデスク上に置いて、音楽を聴きながら仕事ができるような新しいデスクを通販でやろう、というのがありました。そこで僕が絡んでっていう話をしたと思うんですけれども、この台湾のおばちゃんが犯人でもありますね。
そこでも、絡んでいるんですね。
実はスピーカー等もやっている会社で、このおばちゃんが「できるよ」と言って、「こういうのだったら?」と話が進み、洋平には「できるらしいよ」と伝えたものの、実際は全然できなかったという。このおばちゃんはここでも出てきますね。
なるほど、その前に結構大きい功績があったんですね。
そうね。このおばちゃんは本当にアグレッシブにパワフルにやってくれていて。なので、おばちゃんに言ったら、「いやもう全然できるよ。うちもうずっとやってんだからさあ」みたいな。でも、失敗したというね。
はい。台湾とか中国の方って、「できる」以外の選択肢はないですもんね。
最初は「できる」って、絶対言ってくるんです。
そうですね。あれ、見習わなきゃなって、ちょっと思いますね。
最初はね。でもだんだん、こだわりについてこれなくなって、「できない」って言い始める。ちょっと余談でしたけれども、Simplismは無名で、一回トライアルして、これはちょっといけるなということでブランドをしっかり作っていこうということで、Simplismというブランド名をつけてスタートしました。
その後、iPhoneも出てきたりして、市場がどんどん拡大していくようになります。
「トリニティの強みの回」で話したような、工場が提案してきた製品を売るというビジネス。今回は台湾の話ですが、今では台湾で製造している会社はほとんどないと思います。つまり、自分たちで企画や設計をしていない製品を、中国の工場から提案してもらうというやり方です。
開発費をかけずに、安く、スピーディーに販売できるのが利点でした。こうした会社は、私たち以外にもたくさんありました。「我々はそれに勝つためにこういうことをしていた」というお話を以前にしたと思うのですが、実は我々も最初は、開発力も企画力もなく、とにかく安くて速いということでやっていたんですね。
うん。
僕自身はものづくりをやったことがない人間だったわけですし、こういう形でスタートしました。でも、iPhoneが出てきて、生活の中で様々なことができる。
常にいつも持っていて、いつも使うデバイスとして、その存在がどんどん拡大していったときに、iPodってやっぱりオーディオプレーヤーだったんで、ちょっとね、写真見たりビデオ見たりみたいなのもあったんだけど、基本的にはオーディオメディアプレーヤーだったんで、使う時に使う、という感じだったのが、iPhoneになって常に使うような形に変わってきたときに、まず競合に対してどうこうというよりも、自分たちで使うもので、「こういうのがいいよね」みたいなことが出てきたのを作るようになってきたんですね。
当時、保護ガラスはiPodが発売されたばかりの頃にはまだ存在せず、保護フィルムしかありませんでした。ケースの方が圧倒的に多いラインナップの会社だったんですよね。
昔は手帳型のタイプが多く、我々も手帳型のタイプをいろいろ出していて、ちょっとおしゃれな感じの木を使ったものとか、レザーとか、あとは生地にいろんな柄をあしらったものなど、すごくファッショナブルな感じのラインナップを作っていたんですね。なので、その頃にすごく、ケースとしては躍進していったところがあります。
うん。
シリコンケースとかプラスチックのクリアケースって、工夫できる余地があまりないですよね。何かをするようなね。けれど、手帳型って様々な余地があるんですよ。細かいことを言えば、カード入れるポケットの入れ方、落ちないような入れ方、出し入れしやすいカードポケットの形状とか何枚入れるかとかね。
今思い出しましたが、一時期売りにしていたのが、手帳型ケースのカードポケットです。基本的にはクレジットカードなどを入れられるのですが、クレジットカードと新幹線のチケットは微妙にサイズが違うんですよ。
はいはい。
新幹線のチケットのサイズの方が微妙に大きいんですよ。
はいはい。
クレジットカードが入ることを謳うメーカーは多かったのですが、我々も最初はそうでした。でも、自分が新幹線に乗るときに切符を買っていくじゃないですか。今でこそタッチ決済で済ませますが、当時はそういった選択肢がなかったですからね。その切符を乗車中にポケットなどに入れようとしても、カードポケットには入らなかったんです。
そこで、新幹線の切符のサイズに合わせて、カードポケットを少し広くしました。実際には少し広くするだけなんですけどね。
はい。
それで、新幹線のチケットが入ることを売りにして。実際、本当に便利でした。iPhoneと一緒に入れられたから。というような細かいこだわりをちょこちょこと盛り込んでいくのが自分でも面白かったですね。自分が使う中で「これ、ちょっと不便だな」と思ったところを、「幅を少し広げればいいんじゃないか」と工夫してみる。
新幹線の切符を入れられるようになったらとても便利で、周りの人たちに「これ、便利でしょ?」と話せば、それが共感を呼び売れていく。こういったことが、他にもたくさん出てきて。だんだんスタンド型になるように折り目を工夫したり、手帳型ケースには様々な可能性を試したり工夫したりする余地があって、「ものづくりって面白いな」と最初に気づいたきっかけだったかもしれませんね。
へぇ。
はい。実は手帳型ケースは、iPhoneがほぼ全画面になったiPhone Xが登場した頃から、だんだん少なくなっていきました。現在、手帳型ケースはあまり見かけません。やはり、蓋を開けないと画面が見られない点や、写真を撮るときに蓋が邪魔になるから。
邪魔ですね。
というのもあって、僕自身ももう長らく手帳型は使わなくなりました。といった形で変わってきていて、次にやっぱり出てくるのが、以前も言ったクリアケース。クリアケースは透明なので、装飾で勝負することは基本的にはないんですよ。
ですね。
ですから、構造や素材で勝負することになります。一見すると、透明なケースに使われる樹脂は「プラスチック」でひとくくりにされがちですが、実はものすごくたくさんの種類があるんです。たとえば、「このメーカーのこの素材は傷がつきにくい」といった特徴があったり、よくあるのは黄変といって、時間とともに黄色く変色してしまう。
うん。
白いプラスチック製品を長く使っていると、黄色く変色してくることがあるじゃないですか。iPhoneのクリアケースも、黄色くなってしまうものがあったりします。少し高価ではあるけれど、変色しない素材を使って「黄色くなりません」とアピールしていました。それから、途中からハイブリッドケースというものが出てきましたね。
以前はポリカーボネートという硬い素材のケースが多かったのですが、TPUという少し柔らかい弾力のある素材が登場して、最終的には2つの素材を同時に使うハイブリッドタイプが主流になりました。その方が衝撃に強いんですよ。サイドは少し柔らかいフニャフニャした素材にして、背中を硬めのケースにする。これが今の流行りで、トリニティでもTurtle(タートル)というシリーズがあり、これが一番売れていて、おそらく今でも日本で一番売れているiPhoneケースではないでしょうか。
Turtleという名前は亀を意味し、亀の甲羅である背中は硬いですが、体の側面は柔らかいですよね。なので、ちょっとそのイメージで、ちゃんと硬いところと柔らかいところのハイブリットを表すということで、Turtleっていう名前にしていたんですね。
ふん。
クリアケースは透明なので、装飾で勝負するのは難しい。ここからは、少し販売戦略の話になります。量販店に行くと、お客様はどのように製品を選ぶかというと、「商品が多すぎて選べない」という声がある一方で、「いっぱいあるメーカーの方がいいんじゃないか」と思う心理もあるんですよ。
流行っているんじゃないか、みたいな。
「すごい推されてるんじゃないか」「お店に推薦されてるんじゃないか」「たくさんあるってことは売れてるんじゃないか」「だったら売れてるものを買った方がいいんじゃないか」みたいなところが出てくるので。お店での一つの販売戦略としては、棚占有率と言って、置いてある棚にたくさんの製品が並ぶというのは一つポイントがあるんですよね。
でも、クリアケースは透明だから、通常は1種類しか置けなくなってしまうんですよね。
そうですね。
同じ製品を横に何個も並べるのは基本はダメなんですよ。というのは、家電量販店では基本的には「品ぞろえ」ということを謳っているので。基本、量販店の棚って90cm、つまり900mmなんですけれども、たとえば横幅10cmの製品なら9個置けますよね。でも、同じクリアケースを9個並べるのは基本的にご法度なんです。
お客様から見れば、それは1つの商品としか認識されないですからね。でも、クリアケースは透明なため、なかなか横展開が難しい。そこで、構造を工夫することで、同じクリアケースでも複数の種類を作ってたくさん並べるようにしました。この後お話しする製品名にもつながるのですが、先ほど言ったハイブリッドケースの他に、そうじゃないものや、極薄のもの、背面にガラスを使った製品、耐衝撃性が非常に高いものなど、様々な種類を作って商品を展開していったんです。
お客様はどれを選べばいいか迷うこともありますが、我々は様々なニーズがあると考えていました。そうしたニーズに応えるには、1つの商品だけでは絶対に不十分です。たとえば、薄さを追求したケースを作ったとします。厚みは0.4mmしかない、といったような製品ですね。
うん。
すごく薄いケースというのは、iPhone自体が年々薄くなっていったことを考えると、ケースが厚いとiPhoneが薄い意味がなくなってしまうという理由で生まれました。でも、薄く作れば作るほど衝撃には弱いんですよね。
うん。
ケースが薄すぎて落とした時に耐衝撃性がない。落としやすい人には向いていません。衝撃への強さを求めるなら、ある程度の厚みが必要になります。ですから、私たちは厚みのあるケースも用意していました。この2つは同じクリアケースでも、目的やターゲットユーザーがまったく違うので、どちらも絶対に必要だったんです。
このように、クリアケースの中でも様々なニーズに合わせて種類を増やしていきました。クリアケースでは相当工夫をして、最終的に残ったのが、Turtleです。基本的にベーシックでリーズナブルな価格だったことと、Turtleが売れたので、SimplismブランドのTurtleにさらに派生シリーズを作ったりして、Turtleという名前が定着するようにしていきました。
これも元々その製品には何か他とは違う1個プラスの機能をつけようとかおっしゃってたし、棚占有率を広めるために、同じクリアケースでもいっぱい必要だったっていうのがすごくマッチしたんですね。
そうですね。ただ正直、一部苦しいやつがあって。
苦しいやつ(笑)
ほんのり枠の色だけちょっと変えて横展開するみたいな苦しいやつもありました(笑)
棚占有率を優先して、それは結果どうだったんですか?
結局、うまくいかない。
そうなんですね。小手先では無理なんですね。
そうなんですよね。カラーバリエーションってあるじゃないですか。一時期はパントーンっていうね、カラーの色を作っている会社があって、パントーンカラーのケースとかあったりするんですよ。パントーンカラーはすごくたくさんあるので、全部ではないですが、50色も100色も色違いを並べているメーカーもあったんですよ。
そうすると、見た目はすごく綺麗でカラフルなんですよね。なんだけど、結局のところお客さんが買う色って決まってるんですよ。
はい、そうですね。
特に日本は家でも車でもそうですけど、あんまりカラフルな家ってないじゃないですか。
そうですね。
車もやっぱり白や黒が多くないですか。
多いっすね。
あっても赤や青
うん。シルバーとか白。
というぐらいなんで、結局50種類あっても売れる色って5個ぐらいなんですよ。なので、以前お話ししたシェアの話と同じで、たくさんの種類を出せば少しずつは売れます。けれども、色ごとに作らなければならない製品なので、我々の用語で言うとMOQ(Minimum Order Quantity)という最低発注量というのが決まってるんですよ。
はい。
詳しく言うとまた長くなるんで、いつかまた余談で挟みますけれども。いずれにせよ最低発注する量は決まってるので、カラバリでなんかすごい面白いけど、毎月5個しか売れないようなものってミニマムオーダーでだいたい3,000個ぐらいが単位なんですよ。だから3,000個買わなきゃいけないのに、毎月5個ぐらいしか売れないと、もうやばいわけですよね。
うん。
なので、カラバリとか苦しい横展開はやっぱり厳しいんですよ。棚は作れても結果売れ行きが悪いみたいなことになるんで、ここはちょっといろいろ失敗したこともあります。
その中でSimplismというブランドの下に、先ほど言ったTurtleもそうだし、僕はやっぱり製品の認知度を上げるためには、製品名としての名前をちゃんと付けるっていうのが重要だと思っています。名前の付け方もちゃんとこだわってやりたいというのがあって、さっきのクリアケースでもTurtleっていうのが今生き残ってたりするんですけど、いろんな名前を付けてきました。
Aegis(イージス)というものがあり、Airly(エアリー)やAIR-REAL(エアリアル)、GLASSICA(グラシカ)やGRAV(グラブ)といったですね、それぞれ意味があって付けてるんですけれども、それまでは先ほど言った手帳型ケースって、フリップノートケース、フリップケースとかっていう名前だったんですよ。でも、それって一般の言葉だから、他のメーカーも同じ名前だったりするわけですよ。
うん。
そうするとたとえば店頭で売れているケースがあったとして、店員さんが「あれ、あのケース」と言った時に「フリップケース」と伝えても、他のメーカーにもフリップケースがあるので、どれか分かりません。やっぱり僕は「Turtle売れてますね」のように、製品名で認識してほしかったので、必ず名前を付けるようにしていました。
だから今でも、GLASSICAやGRAVといったシリーズは、普通に売っているんじゃないかなと思いますし、バイヤーさんや店員さんが、名前で呼んでくれるようになったら、ようやく一人前。
覚えてもらえていると。
「あのなんかガラス背面にあるケースさあ」と言われるよりは「GLASSICA」と言われた時点で一人前になったと思うんですよね。たくさんの製品を作り、色々な名前を付け、中には売れずに終わってしまったものも多くあります。しかし、その中で生き残ってきた名前があるのは、Simplismというブランドで、名前も覚えてもらえる製品があるというのはそんなにはないかなと思いますね。
けど、その名前を付けてなかったら、そのチャンスすらもないですもんね。覚えてもらえる。
そうなんです。「薄いやつ、あの薄いケース」ではなく、名前が付いていると「あれですね」となりますからね。この名前付けは結構一生懸命考えてやってましたね。中でも一番有名になったのは、初期の頃にも少し話しましたが、トリニティの主力ガラス、保護ガラスの「FLEX 3D(フレックススリーディ)」があって、これは本当にFLEX 3Dという名前が定着してすごく長いですし、実際に一番市場で売れているシリーズになります。一時期、実売データのTOP 10の半分以上はこの製品ラインナップ。
へぇ。
ちょっと前に出たガラスというのは、端っこの角からバキバキひびが入っていっちゃうので、この製品は外周に柔らかい素材を使って。なのでフレックス、それに、3D形状。ガラスって基本的にはよっぽど特殊なことやらない限り3D形状にできないんですよね。要は曲げられないんです。硬いから。
テクニカルに言うと曲げたやつもあるんですけどね。熱をかけてゆっくり曲げていくと曲がるんですよねっていうやつも作ったことはあるんですけれども、これはもともと柔らかい素材なので、3D形状になるということで、FLEX 3Dというのをやってました。これは多分、FLEX 3DとTurtleは本当に定着したシリーズかなと思いますね。
あと、Simplismで僕が思い出に残っているシリーズが2つあるので、それをちょっと紹介させてもらいたいんですけれども、1つ目は、KATHARINE HAMNETT(キャサリンハムネット)とのコラボレーション製品です。これは僕がずっと好きで買っていたアパレルブランドで、服や靴、時計など、いろいろなアイテムを持っていました。
余談ですが、この間引っ越しをしたときに断捨離をして、もう着ないスーツを2着だけ残して全部売ったんです。このKATHARINE HAMNETTのスーツだけで15着くらいありました。
スーツだけで15着。結構ありますね。
スーツが好きで、結構持っていたんですよ。だいたい上下で5万円くらいするんですが、すごく高いわけでもない、かといって安くもない、5万円から10万円くらいのものです。それを売ったら、1着800円くらいにしかならなくて。すごく綺麗だったのに800円だったのが、ちょっと悲しいなというのがちょっと余談ですね。
キツいっすね。
でもほら、本とかもみんなそうじゃないですか。
まあまあ。
本も売りに行ったら、もうこれ結構集めてた漫画でも10円だ〜、みたいな。
はいはい。
余談でした。そこで僕の好きなブランドであるKATHARINE HAMNETTとコラボレーションしましたが、自分が好きなブランドと自分の製品をコラボさせられる機会は、なかなかないと思います。このKATHARINE HAMNETTはアパレルブランドでもありつつ、デザイナーのKATHARINEさんがすごいこだわりがあって、特に社会派のブランドだったんですね。
なのでメッセージTシャツみたいなのとか、ケースにもメッセージがデザインされたものがあったりしました。伊藤忠商事という会社が日本の展開権を持っていたので、伊藤忠商事と契約して、このブランドと協業することにしました。そして、KATHARINE HAMNETTはお店がたくさんあるので、そこで売ってもらう。自分がいつも行っている丸井の店舗に自分の製品が並んでいるのを見たときは、すごく面白くて、嬉しかったですね。
仕事で自分の遊びじゃないんだけども、自己実現できるって贅沢っすよね。
そうですね。本当に何か自分がいつも行っているお店に自分の製品があるっていうのはすごく面白かったし、一時期はFrancfranc等にも置いてあったんですね。
へぇ。
さっき言ったようにKATHARINEさんのこだわりがあったんで、動物殺しちゃダメなんです。レザーはダメみたいな。僕らがこの時使ったのは、レザーの捨てられている端材をリサイクルして、一回こう粉々にして再度固め直すっていうもので、わざわざそのために動物を殺すのではなく、既にある端材を使ってそれを再生する。
生地や布を張った製品でも、農薬を一切使わずに作ったオーガニックコットンを使ったりしていましたね。ちょっとすみません、今、思い出したので。さっきのケースのシリーズ名でNUNO(ヌーノ)というシリーズあるんです。NUNOっていうのは布なんですよ。
はい。
布で作っているので、その製品シリーズ名をNUNOにしたんですよ。それで、知ってる人は知っているんですけれども、ハードロックの「エクストリーム」っていうバンドがあって、そこのギターの人がNuno Bettencourt(ヌーノベッテンコート)っていう名前なんですよ。
なるほど(笑)
で、僕が好きで聴いていて、「布と言ったらNUNOだな」みたいなのがあって、NUNOって名前にした記憶があります。
メーカーの社長だからできる贅沢ですね。
まぁでも企画会議では、「それは却下されるだろう」と思うようなアイデアも、たくさん出していましたね。特に面白いのは、前にちょっと話したドン・キホーテ向けでやっているトリニティのエースがいるんですけれど、その彼が結構突飛なことを言ってくるんで。
はい。
それはないでしょう、みたいなのをよくやってましたね。企画会議でね。
じゃあ別に社長だからそういうのができたんじゃなくて、他の人も別にちゃんと商品知識があったら全然できるんですね。
ちょこちょこ言った名前のほとんどは僕のアイデアではないですよ。
へぇ〜。
FLEX 3Dは僕ですけれども、他は大体他の人たちが考えてやってますね。
へぇ。
以前、企画会議ですごく印象に残っていることがあって。誰だったかな、新しく入社した人が初めて参加したとき、怒号が飛び交うくらい激しく議論していたんです。我々はゴリラガラスという、iPhoneの表面と同じガラスを使った保護ガラスを販売しています。そのパッケージにゴリラの写真を使っているのですが、そのゴリラが強そうじゃないと。
「これ、どこのゴリラ? 南米じゃないか」「南米よりもアフリカのゴリラの方がいいんじゃないか」といった話で、すごく揉めていました。さらには、「オスとメス、どっちがいいか」という議論まで。最初はオスを使っていたかな。でも「メスの方が絶対強い」って。
そうなんですか?
憶測です。「メスゴリラの方が絶対強い」とか、「いや、写真を見るとオスの方が牙が強そうなんですけど」とか、ゴリラについてめちゃくちゃ揉めたんですよ、パッケージのデザインで。本当に皆さん、これ聞いてる方は売り場に行って、本当にめちゃくちゃもめて、叫んで暴れて喧嘩してでき上がっているパッケージが結構ありますよ。
そういうつもりで見てください。
すごいな。だけど、喧嘩できるぐらいみんな熱量があるってことですからね。その製品を作るのに。
そうですね。
本気でそれがいいっていうのを。
本気でゴリラの選定はありました。この話の後だと少し地味に聞こえるかもしれませんが、コピックというマーカーブランドともコラボしましたね。コピックはマーカーペンのブランドなので、そこの色を使って色々な種類のケースを作っていたんです。コラボレーションをすると、自分たちの力だけではないところで知名度を上げられますからね。
そうですね。
コピックって、ユーザーがすごくたくさんいるんですよ。そういう方たちがコピックとコラボしたPhoneケースを買ってくれるかもしれないし。先ほどお話ししたKATHARINE HAMNETTも同じで、全国のKATHARINEユーザーに対して、KATHARINEのお店という販売ルートを確保できることになります。自分たちの力だけではないところで商品を販売できる、という意味では面白いですし、売りやすくなってきますね。
その話の流れで言うと、「キャラクターものはやらないのか」みたいなのはよく言われるんですけれども、
「ワンピース」とか「鬼滅の刃」みたいな。
そもそも我々には、そういうビジネスチャンスがなかったんですね。キャラクター商品を扱っている会社はいくつかありますが、そういう会社は、この業界に参入する前から、たとえばサンリオだったらサンリオとかジャンプだったら集英社みたいなところとか、ディズニーといった版権元とつながりがあって、そこからiPhoneやガジェット系の商品に展開していったところがほとんどでした。
我々は元々そういう成り立ちでもなかったので、ビジネスチャンスがなかったんですよね。大きくなってくると我々のブランドとしてのシェアが上がってくるチャンスとしてはあった時もあったんですけれども、先ほど話したKATHARINE HAMNETTやコピックのコラボとは少し違うじゃないですか。安易にキャラに頼りたくはなかったっていう。キャラがついてるから売れるみたいな。
KATHARINE HAMNETTもちゃんとそのブランドに合わせて製品作ってたし、コピックのも合わせて作ってたんですけれども、キャラだとクリアケースにキャラ印刷して出せばみたいなことになっちゃうんで、中途半端にそういうのをやるのも嫌だったし、実際聞いてみるとキャラって当たりハズレが多いんですよ。たとえばディズニーでしたら、ミッキーが売れるとしてもミッキーしかやらないってのはできないんですよ。
はいはい。
さっきのように横展開をちゃんとしないといけないんです。
なるほど。
まぁミニーちゃんぐらいなら売れるのかもしれないけど、他のキャラもやらなきゃいけないんですよね。たとえば、ドラえもんでいえば、ドラえもんが売れてものび太君そんなに売れないかもしれない。だけどのび太君もやらなきゃいけないし、のび太君のお母さんとかお父さんとかもやらなきゃいけない。
しずかちゃん、出木杉くん、スネオ、ジャイアンみたいなのもやらなきゃいけないけど、結局売れるのはドラえもんだけかもしれない。もともと船に乗れていなかったのと、キャラだけに頼るっていうのもどうかなっていうのと、当たり外れも大きいので、ビジネスとしてもそこまで強みが出せないかなっていうので、違う路線にいこうというところで、キャラには手を出さなかった。
実店舗への卸っていうのも、品ぞろえとしてこう広げないといけないっていうのもあるんですよね。多分。
ああ、そうです。
余談ですが、不景気になるとキャラクターものが売れるんですよ。
へぇ、そうなんだ。
キャラの版権だけ専門にやってる会社、その版権の代理店みたいなところが100億円ぐらいの売上の会社がコロナ禍で130億円になってるんですよ。理由としてはもう不景気になって何が売れるかわからないってなると、みんなキャラの力をこう頼りたくなるっていう。
なるほどね。
っていうのと、あと、そこの会社が自社で商品を販売していたときの話なんですが、マスクがもう売れなくなったタイミングで、キャラクターもののマスクを作り始めたんです。
ドナルドダックの下を歩いている、黄色いひよこのようなキャラクターがいるらしいんですが、名前は分からないんですけど…そのキャラクターのマスクを作ったところ、熱心なファンからすると「よくぞ作ってくれた!」となるらしくて。それをネットだけで売っていたのですが、それが4,000万円分の在庫が1週間で完売したみたいな。
へぇ。
ネットだとそういうのもあるかなって。
いや、やっぱり波はありますよね。
そうですね。
というわけで、この回も一回区切りをつけないといけない時間ではないでしょうか。
そうですね。製品のいろいろな広がりの話を聞いて、手帳のiPhoneケースとかからスタートしたっていうのも、結構僕からしたら驚きでしたね。僕が知ってる時にはもうガラスフィルムとかそういったところが強い会社だという認識があったんで。
後半にかなりそのガラス系にシフトしていったのはありますね。
そこの何か変遷、何がどうなってそう変わっていったのかみたいな話もまたお話聞かせてもらえればと思います。じゃあ今週はこの辺で。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
「リアル経営|企業経営の成功と失敗。等身大で語る台本なき社長のリアル」
概要欄にこの番組のWebサイトへのリンクを張っております。 感想、メッセージ、リクエストなどそちらからいただければ嬉しいです。
毎週金曜朝6時配信です。ぜひフォローお願いします。
ここまでの相手は、Hossyこと星川哲視と
がじろうでした。
それではまた来週、お耳にかかりましょう。
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