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「先生」と呼ぶことを再検討してみる

会社員だった時代には、そこまで付き合うことがなかったのに、会社を起業、その後経営してきた20年間、弁護士や税理士、社労士、ひいては議員ともお付き合いすることがありました。これらの方々は「先生」と呼ぶのが一般的だと思います。ただ、毎回「○○先生」と呼ぶのが当たり前だと思いつつ、ふと冷静になると「私はこの人に教えを受けているわけではないのに、なぜ先生と呼ぶのか」と自問自答していました。同じ違和感を抱えている方も多いのではないでしょうか。そこで「先生」という敬称の使い方を再検討してみようと思います。

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先生とはそもそもどういう意味なのか

せんせい【先生】(macOS標準辞書より)

  1. 学問・技芸などを教える人。また,自分が教えを受けている人。師。師匠。また,特に,学校の教員。「お花の―」「書道の―」
  2. 学芸に長じた人。「駿台―(=室鳩巣)」
  3. 師匠・教師・医師・弁護士・国会議員などを敬って呼ぶ語。代名詞的にも用いる。また,人名のあとに付けて敬称としても用いる。「―,いろいろお世話になりました」「中村―」
  4. 親しみやからかいの気持ちを込めて,他人をさす語。「大将」「やっこさん」に似た意で用いる。「―ご執心のようだな」
  5. 自分より先に生まれた人。年長者。 ↔後生(こうせい)

原義は 5番目の「先に生まれた人」。江戸後期に寺子屋の師匠や蘭方医を指す語として定着し、明治以降に医師・弁護士・議員など近代の知識階層へ一気に拡大しました。今日では「教え導く関係」とは限らない相手にも万能に使われる、日本語特有の敬称です。

ここからすると、私は1番、2番、5番としての意味を強く取り、3番をあまり考えてなかったところからの違和感だったのだと思います。4番は「センセイ」とカタカナで書く場合がありますが、私はほとんど使うことがありません。この意味で使うときには「センパイ」を使うことがあります。

「先生」に引っかかるワケ

  1. 上下関係が固定される:先に生まれた人であり、教えを受けている人ということがあるので、どうしても上下関係が生まれると感じています。たとえば税理士でも、私より年下で、その方から直接学問を教わっているわけではない場合があります。そこで私は○○税理士と呼ぶようにしています。
  2. 職種間の整合性がない:割と難しいのが医師です。歯科医を「○○歯科医」とか外科医を「○○外科医」とは呼ばないのにと思います。しかし、税理士や弁護士は「○○税理士」「○○弁護士」と呼ぶわけですから、なかなか使い分けが難しいところです。
  3. サービス提供者との距離感:特に士業は本来クライアントとパートナーの関係なのにもかかわらず、「先生」と呼ぶことで「やってもらっている」意識が芽生えてしまう可能性があります。私が勝手に感じるヒエラルキーとして、弁護士と税理士は特にその傾向があるような気がします。もちろん、相手を下に見ているわけでは決してありませんが、たとえば弁理士や社会保険労務士などは絶対に先生と呼ぶかというとそうでもないような気がします(あくまで私見)。
  4. 皮肉や揶揄にもなる:川柳「先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし」が示すように、称賛にも皮肉にもなる両義性が厄介です。前述の通り、少し揶揄したニュアンスの時には、文字であれば「センセイ」となるかなと思うのですが、口頭ではその区別がつきません。

職業別に呼び方を再確認

書き出してみると、割とメールなどでの文章と口語ではかなり変わるような気がします。大体において、文章では先生以外の呼称にできても、面と向かって会った時の口頭では「先生」になってしまうのは、世間一般の無言の圧力に屈しているからでしょうか(笑)

  1. 医療界隈
    1. 文章:○○医師
    2. 口頭:○○先生
      1. ここはどうしても先生と呼ばざるを得ないような雰囲気です。ちなみに、周りに実際の医師が数名いますが、どうしても他の人たちからの呼称が「○○先生」なので、それに合わせてしまうような気がします。
  2. 法律・士業
    1. 文章:○○弁護士・○○税理士・○○社労士
    2. 口頭:○○さん
      1. 私はいつもお使いさせていただいている方々は「○○さん」と呼んでいますが、初対面だったりやり取りが少ない場合には「先生」となってしまうかもしれません。
  3. 政治家
    1. 文章:○○議員・○○代議士
    2. 口頭:○○先生
      1. そんなにお付き合いがないのですが、○○議員と呼んでも良いのかもしれないです。ただ、先生と呼ばれ慣れている中で、先生と呼ばない人がいる場合にどう思うのか。
  4. 教育
    1. 文章:○○教授・○○准教授
    2. 口頭:
      1. 大学:○○教授・准教授
      2. 高校以下:○○先生
        1. 大学は教授と言い切れるところがありますが、高校以下の教師の場合、口頭では教諭なのでしょうか。なかなか言いにくいところがありますね。もちろん、実際に教わった教師については「先生」と呼びます。
  5. 文化人(作家・漫画家・棋士)
    1. 文章:作家・漫画家問わず○○様
    2. 口語:○○先生
      1. 作家とか漫画家は呼び名が難しいので初対面だと「先生」になってしまうかもしれません。なぜ作家や漫画家は先生と呼ばれるんですかね。プロ棋士の場合には、タイトルホルダーであれば○○名人などと呼べます。ただ、これも難しいのは、タイトルを失った時に急に○○九段と段位で呼ばなければいけないので、間違えそうになるところが危ないところです。
  6. 宗教関係者
    1. 文章:○○住職・○○上人
    2. 口語:○○住職・○○上人
      1. 面白いことに、宗教は「先生」とは呼ばないですね。辞書の意味からしても、宗教の教えを説いてくれるのは「先生」に当てはまるように思いますが、宗派によっていろいろありつつも「先生」ではないようです。

海外ではどう呼んでいるのか

下記はAIに確認してもらった結果なので、もしかするとネイティブの人はまた違うのかもしれません。ただ、私の浅い知識とも合致はしています。

職種呼称例(英語圏)備考
医師Dr. Smith英語圏共通。UK では外科医のみ “Mr./Ms.” の伝統が残存。
大学教授Professor / Dr. Smith在職階級に関わらず Professor が無難。
学校教師Mr./Ms. Smith性別不問で Ms. 推奨。
弁護士Mr./Ms. Smith(法廷内 Counsel初回メールでは “Mr./Ms.” が慣例。
政治家Senator / Governor / President など職名“先生”に当たる包括敬称は存在しません。

英語圏では「万能敬称」はなく、職名+名前か汎用敬称で呼ぶのが世界標準のようです。日本の「先生」がいかに職種横断で特殊かが際立ちます。

結果としてはどうするべきか

私としては、できれば「さん」で統一したいです。勇気を振り絞ってそれで統一してみても良いのかもしれません。意外にネット情報では先生と呼ばれたくないという医者などが存在しているようです。

私自身も「社長と呼ばないで」というブログ記事を書いたことがあります。基本的に役職で呼ぶ人は、自分を役職として見ているということになるので、個人を見ていないとも言えるからです。その意味でも、肩書きに関わらず「さん」と呼ぶのが良いのではないかと思っています。

この記事を見ている方々で最適な解決策があるという場合にはコメントに投稿してください。

軽く思いついて書き始めたら、なかなかの分量になってしまいました。読んでくれている方々にも共感してもらえるでしょうか。「先生」と呼んでしまった方が楽なのは間違いないのですが、なんかしっくりこないところを言語化してみたら、改めて「さん」で行く気になりました。今後お目にかかる方々はそのつもりでよろしくお願いします。

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星川哲視

星川哲視

デジタルライフプロダクトを取り扱うトリニティ株式会社を起業、約20年経営の後「卒業」。

スマートフォン向けカジュアルゲーム企画・開発会社エウレカスタジオ株式会社代表取締役、投資会社コスモスタジオ代表取締役を兼任。

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