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星川哲視(Hossy)の個人サイト Hossy.org は、これまでの起業・経営・卒業など、さまざまな経験からの情報をブログ記事やPodcastなどさまざまな活動を通じてアウトプットするサイトです。

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Episode 20|「ブランドストーリーのリアル|Simplism編」【Part 5】海外展開、挑戦と失敗。

【エピソード概要】

Simplismの海外展開は、成功への期待から始まった。

Macworld EXPOへの出展を皮切りに、世界の展示会へ展開。

海外市場で手応えを感じたものの、現地の商習慣や代理店との連携等、日本のビジネスモデルとのギャップに直面する。 数々の課題が浮き彫りになる中で、最終的に下した決断とは?

海外ビジネスのリアルな苦悩と学びが詰まったほろ苦いストーリー。

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    オープニング

    Hossy

    「リアル経営|企業経営の成功と失敗、等身大で語る台本なき社長のリアル」

    この番組は、私、Hossyこと星川哲視が自らの体験をもとに、経営やその舞台裏などをリアルに語っていきます。

    リアル経営は、毎週金曜日朝6時に配信しています。

    Hossy

    おはようございます、自由人のHossyこと星川哲視です。

    がじろう

    おはようございます、STRKのがじろうです。

    Hossy

    今週もよろしくお願いします。

    がじろう

    よろしくお願いします。

    Hossy

    さて、前回「ブランドストーリーのリアル〜Simplism編」の中で、サブブランドの話もしつつ、他のところもちょっと触れつつ、これで終わりかなと思わせといて、今回はSimplismの「成功と失敗」で言うと、失敗した話になるんですけど、海外展開の話を今回はさせてもらいたいなと思っています。

    がじろう

    めちゃめちゃ僕これ楽しみにしてました。

    Hossy

    Simplismとして海外展開を開始する第1弾として、Macworld EXPOっていうAppleが出展していた展示会があったんです。iPhoneもここで発表されたりしていましたね。そういう展示会がサンフランシスコで毎年1月に開催されていたんですけど、そこの2009年にSimplismとして出展したのが最初でした。

    がじろう

    創業から何年目でしたっけ?

    Hossy

    2006年からスタートしてるんで。

    がじろう

    3年後には海外展開ですか。すごいっ!

    Hossy

    そう思うと、結構すごいですね。Simplismもまだ、次元もないですからね、この頃は。次元とかあると、もしかすると「日本製です」みたいな、そういうところを一つ売りにした形で海外展開っていうのを考えられると思うんですけど、後に次元を前面に打ち出した形でのブース展開みたいなのはやりましたよ。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    ですけど、この頃はまだそういう時代じゃないんで、そんなすごくはないけど、ちょっとだけ工夫したような製品を、まずはサンフランシスコの展示会で出したというのが、海外展開の第一歩でした。

    海外展開と成功への期待

    がじろう

    そもそもなんで海外に行こうと思ったんですか?

    Hossy

    大きく分けて2つあります。1つ目は、海外の展示会には自分で見に行く、つまり視察として行っていたんですよね、ずっと。Macworld EXPOというのには、トリニティは創業して3年で、その後1人社員が入ってきて、洋平はこの時はもういたかな? いずれにせよ4〜5人でこの展示会に毎年みんなで見に行っていましたよ。

    がじろう

    すごいですね、それ。

    Hossy

    社員旅行兼出張で。10人ぐらいまでの時はよく行っていましたね。1月の初めから、だいたいCESとMacworld EXPOを交互にやっていたんですけど、両方合わせると10日間ぐらいあるんですよね。サンフランシスコとラスベガスに行くと、2週間ぐらい日本にみんないない状態になるので、トリニティは1月16日から営業開始とかでした。

    そういうことをやっていて、さすがに1月の正月明けから1週間以上営業していないって大丈夫なのかな、というのもありつつ、人数も増えてきたので、一部の人だけ行くようになりました。

    がじろう

    営業面もそうですけど、金銭面もすごいですよね。まだ立ち上げたばかりで、5人ぐらいしかいない状況で。

    Hossy

    そうですね。人数が少ないからっていうのもあったとは思いますね。

    がじろう

    それでもすごいですよね。

    Hossy

    海外の展示会には、いろんなブランドが出てます。で、それを見てくるじゃないですか。起業した当初は、いいブランドを見つけて、自分たちが日本に輸入するという代理店としてのビジネスを、一番最初は行なっていたんですよね。そうしていろいろと見ていくうちに、だんだん自分の分野の競合というか、自分たちも製品を作ったことで仲間入りしたわけじゃないですか。

    いろんなブランドがある中で、自分たちも日本においてはオリジナルでやっているという観点で見てみると、割と自分たちの製品もここで戦えるんじゃないかな、と思ったんです。要は、製品のクオリティだったり、パッケージだったり、製品の多少のコンセプトを僕らはもうちょっと工夫したところがあったんです。

    そこからすると、「あれ、なんかここの中に自分たちが入ったら、これ競争力ある形でいけるんじゃないか?」と思ったんですよ。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    なので、やろうと思えばいけるんじゃないか、というのが1つ目の大きな理由でした。

    もう1つは、やっぱりAppleが世界中でiPodやiPhoneを展開していく中で、iPhoneを買う人だろうがiPodを買う人だろうが、同じように欲しいものって変わらないんじゃないかなと思ったんですよね。

    日本では、一応我々のSimplismが、どんどん伸びてきてお客様が増えてきて、実際に一般の人たちがたくさん買ってくれるようになりかけていた頃だったので、これ、アメリカだろうがヨーロッパだろうが、そういったところでも同じく売れるんじゃないかって思ったんです。1つのものをたくさん売れれば売れるほど、やっぱり初期開発コストも含めて、金型みたいなところも含めて回収していけるわけじゃないですか。

    だからやっぱり量産するモデルのビジネスって、数が出れば出るほどコストは下がっていくし、初期の固定費を一度回収すれば、それ以降はそこも利益になりますからね。普通はその初期の開発コストで、たとえば1万個売れるから、たとえばだけど、100万円かかりますっていった場合は、1万個で割るわけですよね。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    それで、それを一つ一つの製品のコストに一応按分して計算するわけですけど、いったん、じゃあ1万個で按分したのに1万個以上売れたら、その按分した分というのは、基本的に利益に追加されるわけなので、やっぱり数が多く売れるというのは、ミシンで縫ってますみたいな、一つ一つ手作業でつくるものと違うので、そういうのは「受注がたくさんきたら困ります」みたいなことになっちゃうんですけど、そっちはね。

    だけど我々みたいな工業製品の量産品は、たくさん売れるほどいいんですよ。

    2つと言いましたが、似てるんですけど、海外でもこれは戦っていけるんじゃないか。トリニティという会社を存続していくためには、ビジネスを大きくしていく、ひとつの要素になるんじゃないかと思って、海外展開を始めました。

    がじろう

    これ、海外展開した時の営業利益って、だいたいどれぐらい出ていたんですか? 税引き前利益。

    Hossy

    いや、そのセグメント分けをしてしっかり把握していたわけではなかったですね。

    がじろう

    会社全体としてはどれぐらいとか?

    Hossy

    会社全体はそんなにずっと変わらずでした。海外輸入品を行なっていた頃から自社商品オンリーになっていくので、変わってきてはいますけどね。

    がじろう

    いや、これ質問の意図としては、ある程度営業利益、税引き前利益が出ていないと海外に手を出したらやけどしかしないなっていうイメージがあって。

    Hossy

    そこまですごく計画的だったわけではなくて、さっき言ったような理由で「いけるんじゃないか?」みたいなのと、iPhoneのお客さんは世界中どこでも同じなんじゃないか。じゃあiPhoneに必要とされるものは、日本だろうがどこでも受け入れられるんじゃないかっていう考えで始めたので、そんなにやけどすることをそこまで考えてはいませんでした。

    国際展示会での好反応

    がじろう

    実際に展示会で出してみて、海外の反応はどうでしたか?

    Hossy

    めちゃくちゃ良かったです。Macworld EXPOというのに2009年に出展した後、ラスベガスで開催されているConsumer Electronics Show。今ちょっと名前が変わって、CESっていうのが正式名称になったんですけど、CESにも出展しました。CESって基本的にはアメリカ中心ですが、ヨーロッパは、IFA(Internationale Funkausstellung)という展示会がベルリンで行われていて、それに出展したりしてました。

    Simplismとは少し話がそれますが、その後、携帯電話事業を展開した際には、スペインのMobile World Congress(MWC)という携帯電話関連の展示会にも出展しました。NuAnsという別のブランドを展開した際には、家電とは異なるデザイン系の展示会として、イタリアのミラノ・サローネやフランスのパリのメゾン・エ・オブジェにも出展しました。海外向けの展示会への出展は、携帯電話事業を終了する頃まで継続していました。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    海外に製品を販売する場合、2つ方式があると僕は思っています。この2つというのは、まず直接その国で自分たちが販売する方式と、代理店といって、現地のその輸入業者が行う方式です。そもそもトリニティがその立ち位置だったんですよね。輸入代理店。

    がじろう

    もともと。

    Hossy

    海外のブランドを日本に輸入して販売していたので、海外にトリニティみたいな会社があれば、そこの会社にSimplismの製品を販売してもらう。これは我々だけじゃなく一般的にそうだと思うんですけど、まず後者から始まるんですよね。基本は。

    がじろう

    そうですね、

    Hossy

    なぜかというと、コストがかからないから。要は、人を採用したり、現地にオフィスをつくったり、現地にセールスのチャネルをつくったり、マーケティングをしたりというのを、全部自社でやるのはコストがかなりかかるし時間もかかる。代理店を使って販売していくというのが基本なんです。

    ものすごくビジネスの規模が大きくなっていくと、だいたい現地法人というのができていく。日本でもすごく売れていくと、「◯◯ジャパン」みたいなのが出てくる。この方がやっぱりブランドコントロールとか販売のコントロールができるので、やりたくなるんですよね。Simplismも同じように代理店を探しました。

    つまり海外展示会に出展するのは、代理店を探すためなんです。基本的にはコンシューマー向けの展示会ではなく、B to B向けなので、こういう代理店を行なっている会社が見に来ます。それこそ僕が展示会に見に行っていたのと同じような形で、僕みたいな人が世界中から見に来るので、そこにアピールするということで出展していました。

    長い話の中でちょっと覚えている限りでいうと、アメリカ、中国、韓国、台湾、一応香港を中国に含めるかどうかは別として、その頃は結構別だったので、香港。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    あと、タイ、フィリピン、インドネシア、シンガポールとかですね。一部ですが、イギリスのAmazonやフランスのセレクトショップでも販売していましたが、メインは今お話しした国々で、販売を代理店経由で行なっていました。アメリカがやっぱり一番Appleのお膝元でもあるし、自分としても結構力を入れていてよく行っていました。

    先ほど少しお話ししましたが、他のブランドが展示会に出ているのを見て、「自社の方がいいじゃん」って思ったのは案外間違っていなくて、今あげたような国々の代理店や、その代理店が取引している販売店。日本でいうヨドバシカメラとかビックカメラとのような販売店ですね。そういったところに代理店の人と一緒にプレゼンしに行くと、基本的には大喜びで「やりましょう」という反応でした。特に初期の頃は。

    海外市場での課題とビジネスモデルの限界

    Hossy

    ただ、うまくいかなかったポイントとしては。

    がじろう

    そこを聞きたいですね。

    Hossy

    僕がSimplismを始めたのとちょっと近い話で、我々が企画開発して、中国で製造して、それをたとえばアメリカの代理店に販売して、アメリカの代理店がお店に販売して、お店が一般消費者に販売するという多重構造というのは、コスト面ではやっぱり高くなりがちですね。

    がじろう

    そうですね。

    Hossy

    Simplismは、特に初期の頃は「安くて速い、ちょっと工夫がある、そしてパッケージが他よりも格好いい」というのが売りでした。「速さ」という点でも、日本だと直接自分たちでつくって、日本のお客さんと商談して、じゃあすぐ配達して、エアー(空輸)で飛ばしてみたいなことができるんですが、海外の場合は、トリニティが初期に海外ブランドを輸入していた時の問題点と近いようなことが起きちゃう。

    商談では製品のプレゼンはうまくいっても、ビジネスとしてはなかなかスムーズにいかないんです。代理店もやっぱり、売れるか売れないかが分からない中で、在庫をあんまり取りたがらない。だから、せっかく商談がうまくいっても在庫がない。そして、それを作るのに時間がかかる、ということが度々ありました。

    アメリカでもオンラインは普通にAmazonとか、Walmartとかで販売していたのと、あとアメリカの販売店でFry’sとかFred Meyerとか、そういったチェーン店があるんです。知らないかもしれないんですけど、向こうではちょっとしたチェーン店なんですけど、そこでも販売していました。アメリカと日本は全然違って、日本の量販店では基本的に、商品棚に空きがあるのはご法度なんです。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    つまり、在庫を切らさないというのが一つのポイントなんですよね。最近だとそういうところも、特に地方店舗では見かける時があるんですけれども、いわゆる商品を引っ掛けるフックがあるじゃないですか。そのフックに何もかかってない状態というのは許されないんですよ。

    がじろう

    そうですね。もったないですね。

    Hossy

    もったいないし、見栄えも悪いじゃないですか。アメリカは普通にいっぱいあるんですよ。僕らはアメリカに本当に力を入れていたので、年に何度も足を運んでいました。代理店との商談もあるし、バイヤーとの商談もあるし、店舗視察もあるんですけど、店舗を見ると本当に製品がないんですよ。我々の製品もスカスカなんですよ、コーナーが。

    がじろう

    本来だったら、売れてるから、リピートがないとおかしいのに。

    Hossy

    そう。結局リピートしないから、実売が上がらないんですよね。在庫がないんだから当然です。だから売れないとか言われても、「在庫がないから売れないんでしょ?」ってこっちは思うんです。でも、アメリカのやり方って、一度にたくさん発注して、そのまま補充しないでいくみたいな感じなんですよ。

    がじろう

    売り切り型なんですね。

    Hossy

    売り切りだし、最初に「そんなにいらないでしょう」というぐらい発注するわけです。でも代理店は、これちょっとビジネス条件によるんですけど、たとえば売れ残ったのを誰の責任にするのかということがあった場合、販売店の責任か、代理店の責任か、メーカーの責任か、となったときに、その代理店ってやっぱり自分たちが責任持って売るのはそこまで自信がないですよね。

    なので弱気なんですよ。販売店は日本もそうだけど、商慣習上、量販店は特に売れ残ったら引き取ってもらう、その上で新しいのを発注することがあるとしても、いずれにせよ売れ残ったら引き取ってもらうと思っている場合が多いので、そうすると、代理店はあんまり入れたくなくなっちゃうんですよ。うん、売れなかったら返ってきちゃうから。

    がじろう

    確かに。

    Hossy

    悪循環というか、代理店の方針にもよるんですけど、メーカーが「じゃあ、うちが責任を持つから入れてよ」ということもできないじゃないですか。特に海外だと、自分たちがコントロールしていないから、何か責任を取るのも違うよね、ということになりますよね。自分たちが直接やっていたらそうなるんですけど。

    日本だったら、やっぱり新製品だけプラスプラスで追加していくのは、実際問題無理ですし、うちだけがいいという話になってしまいますから。販売店に場所を借りているので、売れ残ったものは我々が引き取るから、その分新しいのを入れる、みたいな売り場を刷新していくというのは、メーカーとして直接やっているからできるのかなと思っています。

    そういったことがあって、だいたいさっき挙げたような国々でも似たような話で、うまくいかないことが多かったですね。これもトリニティがそうだったように、同じような流れなんですけど、だんだんローカルの会社でも作れるようになっていくんです。

    がじろう

    ふんふん。

    Hossy

    まだiPhoneがこの2008年、2009年あたりというのは、そこまで出てないし、iPodとかだったので。その後iPhoneが出てきてもまだそんなに売れてはいなかったんですけど、だんだん売れてくると「俺たちもやろう」という人たちが出てきて、日本製ならまだしも、「そもそも中国で作ってるんでしょ?」って話になると、強い代理店なんかは自分たちでこれを中国で作ったほうがいいってことになっちゃうんです。

    よっぽど特徴がある製品とかじゃないと、なかなか海外では展開できないよねってことになって、次元で日本製というものも展開したんですけど、大量に売れるというほどではないですよね。バイヤーはほんとどこへ行っても大喜びだったし、「やりましょう」ってなるんですけど、代理店側が発注を渋ったりとかっていう形でうまくいかなかったんですね。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    次元やってもダメだったというところから、なかなか難しいのかなっていうことで、今回ちょっと範疇に入れない次のNuAnsというブランドとかで、またちょっとデザイン性とか他の切り口で海外は試すという形に変えたんですけど、Simplismとしては結果失敗でした。

    がじろう

    ただ、海外のバイヤーさんとかって、反応もすごいですよね。日本人より大きいリアクションをしてくれるじゃないですか。「ダメだったらダメ」って言うし、よかったら「Cool!」みたいな感じで。こっちもその気になっちゃいますよね。

    Hossy

    まあ、そうですね。ただね、やっぱり日本もそうだったんですけど、あまり競合がその製品の価値とか、製品の工夫、こだわりなどをプレゼンしなかったらしいんですよね。

    がじろう

    へぇ。

    Hossy

    だから僕らみたいに、iPodやiPhoneのケースなり保護フィルムなりに、そんな色々説明してくるの?  みたいな感じだったんで、向こうとしては新鮮だったんじゃないですかね。いろいろ試してはみたんですけど、途中で諦めました。

    がじろう

    じゃあもし振り返って、たらればの話でもう一度成功させようとした場合、もう自分で代理店を設立してやっていたら、可能性はあったってことなんですかね?

    Hossy

    代理店経由で失敗しているので、もちろん、自分たちでチャネルや店舗をコントロールできていれば良かったのかもしれません。しかし、正直なところリスクの方が高いですね。会社を登記してオフィスを作り、人を雇う。特にアメリカは国土が広いので、店舗を見に行くのも大変ですから。

    がじろう

    そうですよね。

    Hossy

    ということは、各地域ごとに何かしなければいけないっていうと、相当な規模になっちゃうんですよね。

    がじろう

    そうですね。

    Hossy

    日本ですら「強みの回(トリニティ成功のリアル)」で少し話したと思うのですが、ソフトバンクグループの会社と二人三脚で行なっていて、我々が得意なことと彼らが得意なことを分担していました。彼らが得意な物流やお店とのチャネルを担ってもらっていたので、そうした関係性を築ける代理店を探す方が重要なのかもしれないな、という気はしますね。

    ただ、Simplismぐらいの工夫だと、「結局中国製でしょ」と言われた時に、このモデルで海外で成功するのは難しいでしょう。たとえば、今僕が様々な経験を積んだ上で、2009年に立ち戻ったとして成功できるかというと、以前よりはうまくやれるとは思うけれど、本当に成功するかというと、期待していたような成果は出ないだろうなとは思いますね。

    がじろう

    これ、国を絞るっていう選択肢はどうなんですかね。

    Hossy

    1点集中みたいな。

    がじろう

    そうですね。たとえば、台湾だけに絞るとかどうなんでしょうか。

    Hossy

    まぁ、ただ結局、台湾とかって市場規模が小さい。

    がじろう

    日本の10分の1ですもんね。

    Hossy

    たとえそこで成功したとしても、というところはありますね。香港の代理店の人たちはすごく情熱もあって、人間としても仲良くしていたし、頑張ってやってくれていたんですけど、やっぱり市場が小さいですね。

    がじろう

    ちょうど一番良かったのってどこなんですか?

    Hossy

    売上規模でいうと、やっぱりアメリカが一番大きかったですね。やってて面白かったのは香港とか、あとはフィリピンも何か面白かったですね。そこは、お店自体も持っている代理店で、Appleの専門店もやっている会社が輸入もしている、というようなところだったので、自社の店舗ではすごく良い扱いをしてくれました。

    ちなみにさっき挙げた国の中で、シンガポールとフィリピン以外は社員旅行で行ったんですよ。自分たちの製品が海外で展示されているのを見るのが楽しいというのもあって、社員旅行で毎年いろんな国に行っていました。アメリカにも、もともと行っていたし、中国は製造側でも見に行ったことがありました。韓国や台湾、タイ、インドネシアなどにも行っていましたね。

    展示会の話でいうと、がじろうとの出会いもCESだったと思うんだけど、がじろうのその経験としての海外のビジネスはどんな感じなんですか?

    広告の難しさとMDF

    がじろう

    今、Hossyさんがいったように、やっぱり関税があったり、物流があったりでコストが絶対高くなっちゃうんで、よっぽど珍しくていいものじゃないと、ハードル高いなっていうのと、あとはAndMeshの場合は40カ国ぐらいに売ったんですよ。

    Hossy

    そうなんだ。

    がじろう

    それが結構失敗だったなと思って。別に40カ国に売るのはいいんですけど、結局リピートがほぼしなくて。リピートしたのって、さっきHossyさんが言ったような同じ国なんですよ、多分。あとびっくりしたのが、トリニダード・トバゴっていう国からリピートが来てて、僕聞いたことない国だったんで、展示会で多分売ってるんですけど、僕が直接売ってなかったんで、「これどこやねん」って調べたら、親日国だったんですよ。

    Hossy

    うん。

    がじろう

    なので、結局振り返ってみたときに、親日の国ぐらいしかリピートしてなくて。さらに40カ国で売っていた時に、各社の代理店から「ちょっと頑張って売るから、ホームページとかつくったり、広告するのに100万とか200万ちょっとカンパしてよ」と。「うちも半分出すから、そっちも半分を出してよ」みたいな話がいっぱい来たんですけど、40カ国にたとえば100万でも出してもすごい金額になるじゃないですか。

    Hossy

    うん、そうだね。

    がじろう

    そういったわけで、何もできなかったんです。あれだけ積極的に頑張ろうとしてくれる会社さんもあったのに、結局何もできずじまいでした。そう考えると、まずは国をかなり絞って、そこにきちんとこちら側も資金を投入する、といったことを行なっていれば、もう少し成功する確率が上がったのかな、とは考えられますね。

    Hossy

    日本でもそういう慣習があるとは思うんですけど、僕は当時あまりよく知らなかったのですが、代理店がメーカーからマーケティング費用をもらってプロモーションを展開するのは、かなり一般的だったみたいですね。マーケティング・ディベロップメント・ファンド(MDF)のようなものが一般的で、「MDFどれぐらい出してくれるの?」という話がよくありました。

    Webサイトやカタログを作るとか、いろいろと言われるけれど「う〜ん」となりますよね。なかなかこちら側はそこを出しづらいな、と。でも基本的には、売上に対して何%出すかという話なので、その分、売上や受注を増やします。先にお金だけ払うというのは基本的になくて、その分2%はMDFとして使っていいですよ、と。

    何か施策を実行し、それを報告すると、2%分をキャッシュバックしてくれるというパターンですね。

    がじろう

    僕、その中だと、台湾が本当はいいんじゃないかなと今は思っています。市場規模は小さいですけど、すごく親日ですし、経済的にもそこまで低くもないし、台湾でうまくいかなかったら、日本企業が海外に行くのはかなり難しいんじゃないかなという、練習台としてはすごくいいんじゃないかなとは思いますね。

    Hossy

    なるほどね。どうだろうね。親日国であり、人種としても少し近い台湾でうまくいったとして、果たしてじゃあドイツでうまくいくのかっていうのは別問題ですね。ヨーロッパやアメリカはかなり考え方も違いますから。でも、台湾うまくいったら韓国や香港、アジア圏はうまくいく可能性はありそうですよね。

    がじろう

    そうですね。

    Hossy

    うん。ということで本当はがじろうさんとの出会いの話もする予定だったんですが、今回はタイミングを逃してしまいましたね。強制的に差し込むと、ラスベガスのCESで出会ったというところでお願いします。

    がじろう

    出会ったのはそのラスベガスの展示会ですけど、一番最初にコミュニケーションをとったのは、違う会社の社長のFacebook上の投稿で、僕のブログを褒めてくれている投稿があって。それに対してHossyさんがめちゃくちゃ噛みついて、「このコンサルうさんくさい。根拠はどこにあるんだ?」みたいな。

    Hossy

    コンサルが大嫌いだったからね。

    がじろう

    そうですね。それに対して僕が「具体的な案はここでは出せないですが、こうやって数字も取れているので、ちゃんと根拠もありますよ」と言っても、「いや、でもこれはそんなにどうやって取るんだよ」みたいなやり取りがあったんです。その時、おそらく表面的にはバチバチやり合っているように見えていたと思うんですけど、Facebook上でHossyさんが指摘していた部分って、僕自身が他のコンサルに対して思っていたことでもあったんですよ。

    Hossy

    なるほど。

    がじろう

    「うさんくさい奴が多いな」って。だから、自分はそうならないようにしようと思って行動していたことをHossyさんが言ってくれていたので、なんか悪い気は特にしなくて、「そうだよな」って思いました。

    Hossy

    うん。

    がじろう

    で、そこからHossyさんが僕のブログをちょこちょこ見てくれている雰囲気はありました。

    Hossy

    そうですね。がじログはよく見ていました。

    がじろう

    そして、初めて会ったのがラスベガスの展示会。そこで初めてお会いしたっていう。

    Hossy

    きっかけはちょっとあんまり記憶にないですが、がじログを見ながら僕は本当にコンサルっていうのは、基本的に一番信用ならない仕事だなと思って。

    がじろう

    僕も99%のコンサルは信用してないですね。

    Hossy

    (笑)

    本当、いわゆるコンサルっていうのをやったり、普通に話したりする中で言うと、ごく一部の特定の分野に限って、「この人の経験から、この人がサポートしてくれるといいな」っていうのはあるんです。でも、いわゆるビジネス全般を含めてとなると、「それって、どこかの教科書の話でしょう?」とか、「責任持って自分ではできないでしょう」とか、そういうのが多かったんです。

    だから、基本的にはコンサルは信用しない。今も信用してないですよ、基本的には。っていう感じですね。

    がじろう

    そうですね。

    Hossy

    はい。じゃあ海外の話から無理やりちょっとがじろうのところを差し込みましたが、これも失敗してもいいし、失敗が糧になることもいっぱいあるので、今回のこのSimplismの海外展開は。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    ただ、失敗の定義にもよるんですよ。これ失敗というほどの失敗ではないんです。基本的には代理店から発注を受けて出荷し、発注責任は代理店にあるという契約で行なっていましたので、返品が返ってきて「やばいです」ということはなかったんです。

    なので僕と、あとインターナショナルセールスという担当が1人だけいて、その2人の人件費とか、あと多少ローカライズというか、そのあたりぐらいが損失であって、売上に関しては売れたし、リピートがなくても初回は発注されたし、返品もないし、っていうことを考えると、経費を利益で賄えたか、というあたりが問題であって、失敗というほどの失敗ではないんですけどね。いい勉強になったし。

    まあ一応部類としては失敗かなとは思いますけど。実際の経営の成功と失敗でいうと、失敗かな、と思いますが、今回の海外の話はここまでとさせていただきます。

    がじろう

    これは何か、ゆくゆくはめっちゃ成功している人に僕らが聞きたいですね。

    Hossy

    そうですね。

    がじろう

    僕ら二人とも失敗していると思うので、海外で。

    Hossy

    確かに。

    がじろう

    そういう人を呼んでも面白そうですね。

    Hossy

    そうだね。日本製で日本でしかできない技術以外で、本当にできるのかっていうところが一つ聞きたいしね。

    がじろう

    そうですね。

    Hossy

    ものづくり、ものがある上でね。サービスじゃなくてね。はい。というわけで、今回もこの辺で終了とさせてもらいます。また次回以降は違うテーマでお話ししたいなと思います。今週もありがとうございました。

    がじろう

    ありがとうございました。

    エンディング

    Hossy

    「リアル経営|企業経営の成功と失敗。等身大で語る台本なき社長のリアル」

    概要欄にこの番組のWebサイトへのリンクを張っております。 感想、メッセージ、リクエストなどそちらからいただければ嬉しいです。

    がじろう

    毎週金曜朝6時配信です。ぜひフォローお願いします。

    Hossy

    ここまでの相手は、Hossyこと星川哲視と

    がじろう

    がじろうでした。

    Hossy

    それではまた来週、お耳にかかりましょう。

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