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星川哲視(Hossy)の個人サイト Hossy.org は、これまでの起業・経営・卒業など、さまざまな経験からの情報をブログ記事やPodcastなどさまざまな活動を通じてアウトプットするサイトです。

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Episode 19|「ブランドストーリーのリアル|Simplism編」【Part 4】NIPPON GLASS、社員の情熱と大成功の裏側。

【エピソード概要】

「Simplism」のサブブランドをテーマに、成功と失敗のリアルを語る4回目。

特に注目すべきは、一人の社員の強い情熱がチームのサポートを得て大成功に導いた「NIPPON GLASS」シリーズの誕生秘話。これは、会社を大きく動かしたターニングポイントだったという。

過去に挑戦した「通電製品」の失敗から学んだこと、そしてビジネスを大きく変えた「おばちゃん」との別れなど、台本なしの経営ストーリー。

トリニティの多彩なプロダクトに隠された、知られざる舞台裏が明らかになる。

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    オープニング

    Hossy

    「リアル経営|企業経営の成功と失敗、等身大で語る台本なき社長のリアル」

    この番組は、私、Hossyこと星川哲視が自らの体験をもとに、経営やその舞台裏などをリアルに語っていきます。

    リアル経営は、毎週金曜日朝6時に配信しています。

    Hossy

    おはようございます。自由人のHossyこと、星川哲視です。

    がじろう

    おはようございます。STRKのがじろうです。

    Hossy

    今週もよろしくお願いします。

    がじろう

    よろしくお願いします。

    Hossy

    前回は次元大介ではなく、「次元」というシリーズについてお話しました。Simplismからスタートしたこのブランドストーリーのリアル。そしてそのSimplismのサブブランドとして、僕の中ではターニングポイントになったプロジェクトです。

    がじろう

    ものづくりの深みが出だした頃というタイミングですね。

    Hossy

    そうですね。これは今でも中国では絶対に作れない。まぁ伝統工芸は多少あるかもしれないですけれども、量産される工業品ではあまり聞かないですよね。車だろうが、テレビだろうが、半導体だろうが、何だろうが、もう今中国でできちゃって、逆にスピード感もコスト競争力もあって、みんな持っていかれてしまうというところってあるじゃないですか。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    だから今思っても、このプロジェクトというのはすごく面白かったですし、意義があるプロジェクトだったなと思っています。

    サブブランドの転換点とNIPPON GLASSの誕生

    Hossy

    今回はですね、僕が関わったかどうかでいうと、そうでもないサブブランドもあったりするので、サブブランドという意味では一つ区切りの回にさせてもらいます。その他という言い方は悪いんですけれども、いろいろとサブブランド以外も含めて、Simplismについてお話しさせてもらおうかと思います。

    最初はサブブランドについてです。実は次元シリーズは前回も言いましたけれども、iPhone 4とiPhone 4Sは同じ型だったんですけれども、iPhone 5、iPhone 6でいったん終わりになりました。サブブランドとしては、僕のものづくりのターニングポイントにはなったんですけれども、Simplismというブランドとしての売上に大きく貢献したサブブランドとして、NIPPON GLASSシリーズがあります。

    がじろう

    ほぉ。

    Hossy

    基本はNIPPON GLASSという名前の通り、日本をモチーフにしたモデルになります。ただ、こちらは一部ケースもあったんですけれども、名前の通りNIPPON GLASSで、保護ガラスのシリーズになります。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    これは本当に売上でいうとかなりの部分を占めたプロダクトラインナップで、今でも継続しているシリーズになります。トリニティとSimplismにとって、もう一つの大きなターニングポイントは、このNIPPON GLASSシリーズは僕が企画していないことです。

    がじろう

    あ~なるほど。

    Hossy

    このNIPPON GLASSは、名前からロゴ、製品ラインナップ、パッケージデザイン、さらにはキャッチコピーに至るまで、僕は一切関わっていません。にもかかわらず、しっかりと売上を稼いでいる製品なんです。ここ最近は、洋平を筆頭とするSimplismの開発チームが製品を企画しているのは間違いないんですが、次元シリーズのように、これまでは基本的に僕が関わるプロダクトばかりだったんです。

    でも、このNIPPON GLASSというシリーズに僕は関わっていません。これは、以前トリニティの中でも、僕と洋平とぼんというスリートップに加えて、もう1人エースがいるというお話をしたと思いますけれども、そのエースがドン・キホーテで成功を収めた結果が今につながっているのですが、その最初のパターンとして出てきたのが、彼のNIPPON GLASSというシリーズなんですね。

    これでうまくいって、ドン・キホーテとの取引にもつながっていったというわけです。

    がじろう

    これ、普通やっぱり中小企業、特に零細企業って、社長が動かない限り、何かプロジェクトって動かないものですけれども、社長が動かないのにプロジェクトが動き出すという、こう、選手層が厚くなってきたみたいな、そういうターニングポイントでもあるっていうことなんですかね。

    Hossy

    そうですね。そのトリニティの強みの回でも言った、ものづくりと販売の一体化ですね。このエースの彼も、商品企画して、ものづくりして、そして販売店への営業も担当して、店頭での見せ方も自分で考えてという、すべてを一気通貫で全部できるというのが、元々は僕と山本洋平だけだったところから彼が入ってきて、それもできるようになりました。

    トリニティの新世代の第一歩っていう形だと思います。

    がじろう

    その方は元々それができるから入ってきたのか、入ってからできるようになったのかでいうと、どっちなんですか?

    Hossy

    入る前から片鱗というか、少し見えているところは最初にあったんですね。

    がじろう

    なるほど、なるほど。

    Hossy

    いろいろ試行錯誤した上で、自分の「こういうことをやりたい」というのが強くあって、それで、「じゃあ、やってみよう」となり、本人がものすごく自分なりに調査をして企画を進めていったんです。

    がじろう

    ふんふん。

    Hossy

    このNIPPON GLASSというのは、トリニティのサイトを見ても書いてないんですよ。

    という珍しい製品です。これはヨドバシカメラの専用モデルなので、ヨドバシカメラでしか売っていない製品で、これは以前にもちょっとお話したと思うんですけれども、ヨドバシカメラというのは、基本的にはあんまり薄利多売するというよりは、高付加価値の製品を、いい価格で提供するというスタンスです。

    リーズナブルというのは、ただ安いだけじゃなくて、中身がしっかりしていれば、その価格でも納得できる、という考え方なんです。なので、彼らが求める「欲しいもの」と、そして我々がこのNIPPON GLASSで提供するものが完全にマッチしました。その結果、この製品はヨドバシカメラ専用モデルとして、かなり高めの価格設定にしたんです。

    その彼と、その話をしていないので、分からないんですけれども、おそらく次元シリーズからのインスパイアの流れで「日本推し」という形になったと僕は思っています。それで、他の製品とは一味違う日本の技術だったり、日本の素材だったり、何かしら日本の工法だったりということを織り込みながら、モノとしては最高峰ですよということをしっかり謳いながら、値段としても高い。

    ヨドバシカメラでいろんな製品iPhoneアクセサリーをやってると思うんですけれども、その中でもトップシェアを持っているシリーズになります。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    これで成功して、販売店が求めるもの、その販売店に来るお客さんの求めるものに合致した製品を専用で作るということが、我々がものづくりの会社としての強みを活かして、営業と開発とが一気通貫でやるというところを活かせるモデルとして確立したのが、たぶんこのNIPPON GLASSです。

    それ以降も、ドン・キホーテのためだけに専用モデルを作って成功したり、その他の量販店向けに、その店でしか買えないモデルを展開したりするようになりました。そういった最初の成功事例かなと思いますし、今もなお成功を続けています。このNIPPON GLASS、僕は本当に関わってないので、結構キャッチコピーとかも面白くて、僕だったら若干恥ずかしくてなかなか付けられないなっていうような、「神設計」とか。

    がじろう

    はいはいはい(笑)

    Hossy

    「神」とか「神硬」みたいに、神様のように硬い、といったキャッチコピーや製品名がすごく面白いんですよね。そういうのは僕だったらできなかったなと思うので、そういう意味では面白いというか、トリニティとして僕の色とか、洋平の色だけじゃなくて、また全然違う色っていうのを出せたのはすごくいいことです。

    これは勘違いされることがあるんですけれど、その彼は教育して成長したわけではなくて、本人が自ら「こういうことをやりたい」というのを強く持っていました。もう調査力は本当に僕らより上で、パッケージでもそういう謳い文句を含めて色々なものを見続けているんですよね。スマホアクセサリー以外のものとか、化粧品とかお菓子とか、それこそちょっと前回の次元の時に軽く言った氷結のテクスチャーの缶。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    あれが面白いと言って、氷結みたいなパッケージで、箔と凹凸を付けてやってみたり。普通はお酒の缶のテクスチャーをパッケージに活かそうなんて、まず考えないですよね。

    がじろう

    そうですね。

    Hossy

    それを自分で色々探してきて、「これはできないかな?」と提案してくれたり、本当にトリニティのものづくりとしての部分を、僕とは違うベクトルで、すごくできる形でNIPPON GLASSを生み出しました。これはすごく大きかったですね。

    がじろう

    今のお話でいくと、人材育成よりは人材の採用の方が大事みたいな、そういう片鱗がある人をちゃんと採用できるかどうか。

    Hossy

    と言うと、偉そうになっちゃいますし、実際はそこまで読めて彼を採用したわけではないので、はっきり言うと、たまたま(笑)

    がじろう

    数撃ちゃ、いい人もいるし。

    Hossy

    そうですね。彼自身にポテンシャルや努力や苦労や情熱があったのは間違いありません。でも、それをトリニティという会社が受け止められるかどうかが重要なんです。例えば「こういうことやりたい。ちょっと新しいことやって、違うブランドを立ち上げて、こういうことしたい」ということをまず受け入れる土壌がある。

    しかも彼は、デザイン全部を自分でやるわけじゃない。デザインチームに「こういうのをやって、こういうふうに見せたくて、こういうサンプルがあって、こういう業界でこういう見せ方をしたい」みたいなのをまとめて出してくれたり。

    製品側も、ケースだったらこうだし、NIPPON GLASSならガラスのこういう素材にこういう加工して「従来の3倍以上の硬度を、5倍と謳いたいんだけど、何か方法はないか?」みたいなのを投げると、開発チームがそれを工法だったり素材だったりを見つけてきて実現する。結局、ものづくりは僕も洋平も同じですが、一人では何一つできないですよね。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    中国の工場や素材のメーカー、コーティングや加工の会社、パッケージも印刷会社だったり、こういうテクスチャーを取り入れたり、本当に色々な関わり方をしながら進めていくので、彼が作ったアイデアを実現できる体制や中国でのものづくりのチャネル、つまり工場だったり素材だったり、加工だったり、というのができる土壌があってのことなんです。

    極端な話、たとえば競合他社がこのポッドキャストを聴いて、たぶん競合他社だと「あの人だ」って分かるんですよね。それで、「じゃあ、うちで給料を2倍出しますから、うち来てくださいよ」と言ったとしますよね。行ってもいいと思うんですが、僕自身が見る限りは、彼が他社に行っても同じことはできないでしょう。

    がじろう

    土壌が整っていないから。

    Hossy

    土壌を整えるのは相当難しいです。それなりの投資というお金も必要ですし。っていうことを考えると、彼を1人引き抜いたとしても、それだけで同じことが実現できるかというと、そういうことではないです。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    ものづくりでいうと、次元がターニングポイントで、ビジネスだったり、あと我々の創業したメンバー以外の人が新しいブランドを立ち上げて、一生懸命作って、ある一つの販売店のためにあらゆることを考えてやって、高価格帯での成功は、会社にとって非常に良い成功体験となりました。

    安売りして売れたんじゃなくて、本当に高い製品です。普通にその2,000円以下の製品が多い中で、3,000円、4,000円するような製品を売っていたんですね。あの、余談ですけれども、ヨドバシカメラは一時期、2,000円未満の製品は扱わないという施策を行なったことがあるんですよ。

    がじろう

    NIPPON GLASSの成功体験があったから?

    Hossy

    それだけなのかはちょっと分からないんですけれども、安いのをやって周りの量販店と似たような製品とか、特徴のない安い製品を扱ってもしょうがないというか、ヨドバシカメラのバイヤーとしては結構な決断だったんじゃないかなと思うんですけれども、ある新製品からは2,000円未満のものはやりませんって。

    でも僕らがね、その当時一番売っていた製品でいうと、FLEX 3Dというのは1,680円ぐらいだったので、これは取り扱いなしということになります。

    がじろう

    ほほう!

    Hossy

    これ、結構激震ですね。我々の主力製品が取り扱いなしになっちゃいましたしね。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    でもNIPPON GLASSとか、それ以外にも高価格帯のラインナップはあったので、そこら辺でやったんですけれども、僕個人としてはヨドバシカメラのバイヤーの思いは分かるし、ヨドバシカメラというお店のブランドからしても、安売りをするべきではないと考えているのでしょう。

    安いものと高いものを一緒に並べると、高いものが目立たなくなったり、「これでいいじゃん」と妥協して安いものを買う人が出てくるんですが、すべてが2,000円を超えていた場合においては、その中で選ぶようになるわけですよね。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    特にヨドバシカメラというのは23店舗しかないので、駅前のいいところで出店して集客し、お客さんが来ている中で、「いいものがありますよ」ということがちゃんと伝われば、2,000円でもみんな買う、というのは正しいと思ったんです。今、この業界から辞めてしまったので言ってしまうと、ヨドバシはずっとそのネット通販との価格を合わせるっていうのをやってたんですよね。

    これも僕個人としては一番ダメな施策だなと思ってました。結局、ネットなんて見ないんですよ。以前も話したかと思いますが、白物とか黒物の大型家電製品は別です。テレビとか洗濯機とかは別なんですけれども、我々みたいなアクセサリーはお店に来て、ヨドバシで見て「いいな」と思って、「これ、他店ではいくらかな?」とまで調べて、わざわざそのお店まで買いに行くかというと、安くなっても数百円の差なんですよ。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    そのためにじゃあ違うお店に行くか?っていったら行かないですよ。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    そのお店に来て実際に商品を見たり、店員さんが説明してくれたり、ガラスを貼ってくれたりするならネットで「ポイントがつきます」とか、「値段が数百円安いです」と言われても、そこまでする人はほとんどいないと僕は思っています。そうすると、ヨドバシカメラはネットに客が流れないのに、ネットの価格に合わせて値下げしてしまうので、自ら売上を下げてしまうんです。

    がじろう

    客数が変わらないのに。

    Hossy

    利益率も下がってしまう。これは、特にこのアクセサリーにおいては無駄だと感じていました。しかも電子プライスではなかったから、張り替える必要があるんですよね、値札を。

    がじろう

    人件費かけて。

    Hossy

    はい。今は電子プライスになってきたところはいくつかありますね。ヨドバシはまだかな? ビックカメラとかノジマとかジョーシンとか、電子プライスになってきたりしたので、一括で値段を変えられるんです。だけれども、ヨドバシの場合は製品一つ一つに値札が付いているので、それを変えなければいけない。

    ネットの価格が変ると値札を変えるので、超大変なんですよ。だから「止めればいいのにな」と思ってました(笑)

    がじろう

    はははっ。

    Hossy

    ちょっとこれは余談でした。その他ですね、ちょっとすみません、扱いが雑になって申し訳ないんですけれども、女性向けシリーズとかでajouterとか、オンライン専用モデルみたいなのでBESPERとか、いくつかサブブランドはありました。でも、やっぱり大きく成功したのはNIPPON GLASSで、ものづくりとしては次元というプロジェクトが、Simplismのサブブランドとしての大きなところかなと思います。

    「失敗」から学ぶプロセス

    がじろう

    何かこのポッドキャストとかをやり始めてから、Hossyさんのことをさらに理解できたと思うことの一つが、結果をあんまり重視してないなと感じていて。そのプロセスとか、次元とかも途中で終わったわけじゃないですか。

    Hossy

    はい。

    がじろう

    だけど、その経験のおかげでトリニティがぐっと飛躍していたわけじゃないですか。そういうプロセスとかをすごく重要視しているんだな、というのを感じています。

    Hossy

    今、ビジネスとして万が一成功しなくても、販売店や一般のお客様に対して、イメージとして残ることはあるんです。たとえば「次元」シリーズでは繰り返しの話になりますが、「中国では絶対できません」っていうことと、見た目上それなりにかっこいい。そして「純日本製」という点で、最終的にクリアケースを買ってしまう人だったとしても、やっぱりそこに何か「すごいことやってるな」って思ってもらえれば、記憶に残ってもらえる。

    それも大きなブランディングの一環にもなるから、決して無駄にもならないし、そこに関わった人たちを含めて、何かしら勉強になるということですね。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    ちょっと脱線しますが、今の話で思い出したので、失敗には二種類あると思っています。一つは、「考えない」失敗です。良く考えてないから失敗する。なぜそうしたのかと聞かれた時に、明確に答えられない。「前の人がやっていたから」とか、「他社がこうやっていたから」とか、「前からこうやっていたから」といった理由で失敗する時、胸を張って「自分は良いと思ってやった」と言えない失敗です。

    もう一つは「自分はこれ絶対いいと思った。売れると思ったし、この製品として自分は売れなかったけれども、自分はもう大好きです」っていう、そういう失敗。この2つの失敗は、同じ失敗でもまったく違うと思っています。やっぱり後者はたとえ失敗しても、「それはやってよかったね」となる時の方が圧倒的に多いです。例外はあるかもしれませんが。そう考えています。

    なので、がじろうが今、言ったようなプロセスを見ると分かると思うんですよね。「何をした上で失敗したのか」によって、それは次に繋がりますし、結果としてビジネスで成功しなくても、「次元はあれ良かったよね」とか、たとえば今で言えば、携帯を作った時に「NuAns NEOっていう携帯はすごかったよね」みたいなのが、トリニティを思い出すときに必ず出てきてもらえれば、それがビジネスとして成功しなくても、重要な会社を形作るブランドのブランドの一角にはなるんです。

    僕は失敗にも「いい失敗」があるし、結果それがズバ抜けていれば、ブランドの一角を担うこともあると思っています。

    がじろう

    うん、そうですね。

    市場規模拡大と中国への生産移管

    Hossy

    という形で、サブブランドについては、だいたいこんなところです。Simplismという点では、少し変化球ですが、以前、Simplismの始まりにものすごく貢献した台湾のおばちゃん。

    がじろう

    あぁ、勢いがすごい!

    Hossy

    僕がものづくりをできないのに、「こういうのができるよ」とサポートしてくれました。急に経験のない人間がオリジナル製品として売り始めたり、Simplismというブランドを作れた最初のきっかけになったのが、台湾のおばちゃんなんです。本当にかなり仲良くやってたんですけれども、だんだん市場規模が大きくなって。

    iPhoneも売れてきて、そこから我々のビジネスも増えてきて、でも全然出荷が間に合わない、ということが出てきました。やっぱり台湾だと人数が少なかったり、そういう事情があったんです。ある時、おばちゃんと「これぐらいの量をこれぐらいの期間で作って出荷しないと間に合わない」という話になり、それまでに何回か遅延をしていた時期があったんです。

    「次はこうだよね」っていう話をして、本当に毎回、出荷時期は僕も洋平とかも揃って向こうへ行って一緒に梱包して出荷する、といったことをやっていたんですけれども、さすがにもうちょっと規模が変わってきたね、となった時に、おばちゃんが「やっぱりこれ以上やっていくのであれば、台湾じゃなくて中国でやるしかない」と。

    がじろう

    へぇ。おばちゃんから言い出したんですね。

    Hossy

    そうです。

    がじろう

    めちゃくちゃいい人ですね。

    Hossy

    結局、遅延したりとか、金型の種類とかもたくさん作っていくのが自分たちではできないと。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    と、なってきて、コストも中国と比べるとやっぱり台湾の方が高いので、これからより大きくビジネスを広げていくためには、台湾で続けるのは難しいという状況になりました。それで、中国の知り合いを紹介してもらったりしました。

    結果、紹介してもらったところは使わなかったんですけれども、中国に製造を委託する、移管をした方がいいという話になり、中国へ行くことになったんです。おばちゃんとはずっと一緒に成功してきましたが、最終的にはお別れすることになり、涙、涙のところもあります。

    がじろう

    1回も会ったことないですけども、もう私はおばちゃんのファンですからね。

    Hossy

    そうですね。いや、本当にシングルマザーで、前の旦那さんの悪口をずっと車の移動中は言っている(笑)

    がじろう

    人間味たっぷりな方ですね。

    Hossy

    人間味たっぷりですよ。社長のおじさんがいるんですけれども、すぐ社長と喧嘩するんですよ。その社長はやっぱりね、経営者として「そんなに安くするな」とか言ってくるんです。でもおばちゃんは、「いや、これはもう日本で売るのに、いくらじゃないとダメなんだよ」と、社長と喧嘩して説得したと言ってました。

    頼もしいおばちゃんでしたが、中国へ行くことでこのおばちゃんとはさようならをしました。

    がじろう

    今でも交流はあるんですか?

    Hossy

    今は交流ないですね、さすがに。

    がじろう

    そうかぁ。

    過去の通電製品と品質問題

    Hossy

    あと余談としては、Simplismでも実は通電製品も過去にあったんですよ。最近「通電製品やらないんですか?」とよく聞かれるんですが、実は過去にやっていたことがあって。iPhoneでもiPodでも買った時に「安心セット」みたいなので「スターターパック」って我々は呼んでいました。

    ケースとかフィルムとか、あとは落とさないためのストラップとか、クリーニングクロスとか、昔はポートからゴミが入るからといってポートカバーとか。その時に充電器っていうのもワンセットにしたスターターパックというのを作っていたんですね。その時も充電器を、見た目だけいい形に変えて作っていましたね。

    大した機能はなかったんですけれども。あと、2ポートの充電器とかも作っていて。今も同じなんですけど、USBの端子って嫌いなんですよ。嫌いっていうか見せたくないんですよ。

    がじろう

    なぜ?

    Hossy

    美しくないから。特に昔はUSB-Aという四角いコネクターだったじゃないですか。今もあると思うんですけれども、今はUSB-Cってちょっと丸みを帯びたものに変わり小さくなったと思うんですけれども、以前は大きいやつ。あれが本当に嫌だったんですね、見た目上。今も大嫌いですけど、USB-Aのコネクターはね。

    なのでこれを使ってない時は蓋が閉められるという構造をちょっと考えて作ったりしていました。だから結構前に通電製品も扱っていたんです。

    がじろう

    止めた理由が何かあるんですね。

    Hossy

    これはもう品質問題ですね。もう僕らもその頃は結構安易に、見た目や構造を少し変えて作っていたんですけれども、その充電器という、やっぱり電気が通るものに対しての品質管理の甘さがあって。我々が最初にチェックしたロットから次の生産単位に変わると、いつの間にか中身が変更されていました。つまりコストダウンされていたんです。

    結局、基本的にはコストダウンというのは安全性を落とすんですよね。それでやっぱり問題があって、いわゆるリコールで回収することになって痛い目を見たので、いったん通電製品を扱うのはやめよう、という判断になり、それ以降やっていませんでした。なので通電製品自体はありました。

    ただ、やっぱり通電製品というのは電気を扱うので、下手すると燃えるといったこともありますから、1回失敗をした上で、ちょっと当面はそこに手を出すのは止めよう、という形にしました。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    あとはそうですね。Simplismの中では「ストラップ」というのもあります。首からかけて使う、というものですね。ストラップは一時期すごく流行りましたよね。特に女性なんかはポケットが少ないので、ワンピースとかだと、「じゃあ、スマホをどこに置くの?」というのもあって、ショルダーストラップみたいなのはすごく流行ったと思うんですけれども、もっともっと前に我々はストラップを作っていました。

    これは、コネクター、iPhoneだとLightningというコネクターがあって、その純正のコネクターにカチッとはめるとストラップにできる。これは本当にずっと長く販売して売れていた製品です。iPhoneもType-Cになって、ちょっとうまく作れなくなったので辞めてしまったんですけれども、個人的には本気で取り組めばできたと思うんです。

    ただ、ここらへんはちょっと本気で取り組みたいと思う人がいなかったので終わってしまいました。何事もさっきのNIPPON GLASSの成功も、やっぱりやる人が情熱を持って「本気でやろう」ってやってない限りはできないな、と。これはもうどれも一緒です。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    というわけで、SimplismのサブブランドやSimplism自体の成り立ちから、シリーズ、そしてサブブランドで次元からNIPPON GLASS、その他Simplismとして出してきたちょこちょこというあたりを説明してきました。というところで、最後に何か悩ましいところとして。

    がじろう

    ほう。

    会社名とブランド名

    Hossy

    トリニティというのは会社で、ブランドはSimplismです。しかし、そこへNuAnsなどいろいろなブランドが出てきたので、トリニティという会社が手掛けるブランド、ということになるんですけれども、やっぱりSimplismではなくて「トリニティ」って言われたりとか、店頭でも「トリニティのアクセサリーはこちらです」みたいに言われたりとかするので、ブランドの定着しづらさという点では、特にApple製品に関心のある人たちの間ではトリニティの方が浸透していたのではないか、というのが悩みです。

    一つのプロダクトにフォーカスしている会社だと、やっぱり最終的に社名とブランド名を一致させますよね。

    がじろう

    そうですね。

    Hossy

    なんですけれども、僕らはちょっと他のブランドもあったりするので、ここらへんは悩ましいところではありましたね。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    というわけで、ブランドストーリーのリアルということで、Simplismのあたりは結構ね、長くなりましたけれども、主力の製品でもあり、いろいろなストーリーがあり、おばちゃんとの出会いと別れもありつつ、ということで、ここまでがSimplism編ということでいったん区切りと思ったんですけれども、もう一つだけ。

    Simplismはもう一つ、ビジネスの場としてもそうですし、初期の頃から取り組んでいたことがあって、次回ちょっとそこだけお話ししたいところがあります。これはもうトリニティ全体もそうですし、いろいろなストーリーがあるので、次回は海外展開についてですね。ここはぜひお話ししたいので、Simplism編の中でも、最後は海外展開編というところを来週お届けしたいなと思っています。

    がじろう

    我々の出会いもラスベガスでしたよね。

    Hossy

    まあ、そうですね。はい。

    がじろう

    いやー、楽しみですね。はい。

    Hossy

    というわけで、今回も一回区切りますが、長くなってしまっていますけれども、来週もお楽しみにということで、今週もありがとうございました。

    がじろう

    ありがとうございました。

    エンディング

    Hossy

    「リアル経営|企業経営の成功と失敗。等身大で語る台本なき社長のリアル」

    概要欄にこの番組のWebサイトへのリンクを張っております。 感想、メッセージ、リクエストなどそちらからいただければ嬉しいです。

    がじろう

    毎週金曜朝6時配信です。ぜひフォローお願いします。

    Hossy

    ここまでの相手は、Hossyこと星川哲視と

    がじろう

    がじろうでした。

    Hossy

    それではまた来週、お耳にかかりましょう。

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