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星川哲視(Hossy)の個人サイト Hossy.org は、これまでの起業・経営・卒業など、さまざまな経験からの情報をブログ記事やPodcastなどさまざまな活動を通じてアウトプットするサイトです。

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Episode 50|「ブランドストーリーのリアル|weara編」【Part1】本当に欲しいウェアラブルを求めて

【エピソード概要】

「自分が本当に欲しいウェアラブルがない」という個人的な想いから、新プロジェクトが始動。世の中のウェアラブルが持つファッション性のなさと、バッテリー問題という2つの欠点を克服するため、自社開発を決断。

コンセプトは「テクノロジーは内側に、ファッションを外側に」。画面をなくし、デザイン性を徹底的に追求する。バンドでコアを隠し、どんなファッションにも馴染む汎用性の高いデザインを生み出す。

そして、その執念はパッケージにまで及ぶ。「捨てないパッケージ」というアイデアを実現するため、試作はまさかの100回。すべてが順調に進んでいるように見えるが、この開発の先に何が待ち受けているのか。

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    オープニング

    Hossy

    リアル経営|企業経営の成功と失敗、等身大で語る台本なき社長のリアル」

    この番組は、私、Hossyこと星川哲視が自らの体験をもとに、経営やその舞台裏などをリアルに語っていきます。

    リアル経営は、毎週金曜日朝6時に配信しています。

    Hossy

    おはようございます。自由人のHossyこと星川哲視です。

    がじろう

    おはようございます。STRKのがじろうです。

    Hossy

    これまでずっと輸入ブランドのリアルをやってきたり、それが終わって2回にわたってお金の運用とか、そういった話で、トリニティが扱ってきたものから一瞬離れましたけれども。今回はですね、自社製品で開発していたウェアラブル製品を取り上げたいと思います。

    がじろう

    おぉ。

    Hossy

    名前は「weara」というプロダクトです。これは僕の中でも、NuAns NEONuAnsあたりと比べても、トリニティ人生というか、その中でも大きなプロダクトでしたので、ちょっと長めになるかもしれませんが、お話したいなと思っています。

    がじろう

    この話、僕は外からなんとなく聞いていたんですが、全然ちゃんと知らないので、めちゃくちゃ楽しみですね。

    Hossy

    はい。

    がじろう

    とりあえず外から見ていて大変そうだな、そしてHossyさん苦しんでいるなというのは、なんとなくはあったんですけど。僕は一切関わっていませんし全然わからないので、楽しみにしています。

    「weara」プロジェクトの立ち上げ

    Hossy

    はい、まずは始まりですね。以前、ブランドストーリーの回でも話題にしたJawboneがありました。Jawboneで最も大きなプロダクトといえば、やはりJawbone UPです。Jawbone UPはリストバンド型のウェアラブルデバイスで、個人的にはApple Watchにも影響を与えたのではないかと思うくらい、僕自身も大好きな製品でした。

    ただ、その時にもお話したように、Jawboneはいろいろな事情があって、最終的にはプロダクトも会社自体も終わってしまった、という経緯があります。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    その頃、Apple Watchも登場して、Fitbitなどリストバンド型のウェアラブル製品が数多く出てきていました。ただ、個人的にはJawbone UPに匹敵するような製品はまだない、とずっと感じていたんです。

    がじろう

    なるほど。

    Hossy

    Apple Watchはもちろん使いつつも、ちょっと違うなというところがあって。では、自分が作るとしたら、どういうウェアラブルデバイスを作るんだろうと考え始めたんです。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    実際、トリニティがJawbone製品の代理店を移管したのは2016年ですね。Jawbone自体は2017年になくなってしまうのですが、僕は2016年に完全に終わりとなった後も、それでもやっぱり、自分として納得できるウェアラブルがないなと思っていました。それで、「こんなのが自分だったら欲しいな」というメモを書き始めたのが、2017年頃なんです。

    がじろう

    はいはい。

    Hossy

    そこから構想を書きためていったところ、これは自分で作った方がいいなと思い立って。ヘルスケアという分野でいうと、Jawboneがやろうとして市場は大きかったけれど潰えてしまったのですが、やる価値はあるだろうと思って開発を始めたんですね。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    実際、社内では基本的に僕一人で。それから、NuAnsの時にも出てきた中国の開発マネージャーと僕で、動かしていく形でスタートしました。

    外部ではアートディレクションをお願いしている(堤)謙大郎と、それから外部で(小川)大暉という人もいました。彼がソフトウェアをメインで動かしていたんですが、彼らと協力して、ということで、トリニティの中ではスタート時はたった2人で始めたプロダクトになります。

    がじろう

    ちょっと、どういう構想なのかまだわからないですけど。ただJawboneで市場があるというのは、もう確認できていますもんね。

    Hossy

    そうなんですよ。明らかにJawboneの時も、たくさんの人が「これ欲しいね」ということで発注してくれていて。その時にもお話した通り、まずは不良問題が大きくあって入り口でつまずいてしまったのですが、実際には市場は大きかったと思っています。

    がじろう

    最低でも不良品がなければ、同じような市場が作れる可能性があると。

    Hossy

    そうだね。実際、今までもこういう新しい話をすると、がじろうに「どういう計画でやるの?」とか聞かれるんだけど、この時も実は、あまり「こういう市場があって、これくらい売れるからやろう」という考えではありませんでした。

    がじろう

    本当に、自分が欲しいものが世の中にないと。

    Hossy

    そう。

    がじろう

    シンプルですね。

    Hossy

    Jawbone UPは終わってしまいましたが、とても売れたという事実はあります。そのため、後発で中国やさまざまなメーカーが参入し、AppleはApple Watchを出してきました。僕はApple関連の製品に関わっていたのでApple Watchも使いましたが、「やはり違うな」と感じたんです。

    そこで、「何か作ろう、自分たちでやろう」と思い立ちました。ただ、Jawbone UPの市場が大きいからという理由だけで始めたわけではないんですよ。

    がじろう

    う〜ん。

    これまでの欠点を解決した、新しい製品コンセプト

    Hossy

    というわけで、まずは製品のコンセプトからお話ししたいと思います。先ほどお話しした通り、僕は基本的に「買えるもので、いいものがあれば、ただそれを買えばいい」という考えです。

    だけれども、「世の中に自分が本当に欲しいものがないから作ろう」という話になった時に、既存のものではどうしてダメなんだろう、という理由が大きく2つあって。やっぱり一つ目は、どうしてもデザインなんです。

    がじろう

    ふ〜ん。

    Hossy

    Fitbitがあったりとか、その他のメーカーがいろいろとウェアラブルを出してきたんだけれども、まずはやっぱりデザインが許せないというか(笑)

    がじろう

    へぇ。

    Hossy

    やっぱり、ガジェットっぽい感じなんですよね。

    がじろう

    はいはい。

    Hossy

    実際に今売られているものの中でも、ガジェットっぽさが強いものがたくさんあります。Fitbitなんかもそうですが、自分が常に普段手首に着けておくデバイスとしては、見た目がダサすぎたり、ガジェット感が強すぎたりするんですよね。そういうものを自分が本当に毎日使いたいかと考えた時に、やっぱり抵抗があったんです。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    それで、Apple Watchはどうなのかという話ですよね。Apple Watchはデザインとしてはブランドが確立されていた、というのはあると思うんです。ただ、Apple Watchには2つ大きな欠点があって、実は今もこの欠点は解決していないんですが、いわゆるフェイスがすべて同じじゃないですか。

    つまり、一番大きな画面がある部分が、すべてデザインが一緒ですよね。だから、このデザインが一緒だと、結局「同じものを着けているね」ということになってしまうんです。

    がじろう

    ファッション性がないってことですか?

    Hossy

    そう、ファッションで考えた時に、基本的にはみんな同じブランドの同じ服を着ていたらちょっと嫌だなとなるじゃないですか。

    がじろう

    はいはい。

    Hossy

    自分がたとえば何か好きなもので、でもまったく同じTシャツを他の人が着ていたら、ちょっと嫌じゃないですか。

    がじろう

    そうですね。

    Hossy

    人それぞれ違うものを身に着けたいのに、Apple Watchがいかに良くても、どうしても人とかぶってしまう。もちろん、バンドを交換するなどして多少の差別化はできるのは分かります。とはいえ、見た目上一番大きな要素であるApple Watchの本体画面の部分を変えられないというのは、ファッションとしてはどうなのかな、というのが正直ありました。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    もう一つ大きな問題は、バッテリーです。やっぱりApple Watchはどうしてもバッテリーが持たない。

    がじろう

    なるほど。

    Hossy

    僕はヘルスケアをメインにしたウェアラブルを作りたかったんです。それで、後ほどお話しますが、あえて画面を付けないという選択をしています。Jawbone UPも画面がなかったように、画面がない方がシンプルにできますし、画面を付けることが電池が持たない原因にもなっているんです。

    やっぱりApple Watchは、たくさんの機能を詰め込みすぎた結果、電池が持たないんですよね。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    今になって「Apple Watch Ultra」が登場して、これでさえバッテリーがギリギリ2日から3日持つかどうか、というレベルなんですよね。そうなると、やっぱりこまめに充電しなければいけない。常に自分の体の動きだったり、いろいろなものを測り続けるという点、ウェアラブルデバイスとして、特にヘルスケアをメインに考えるのであれば、「バッテリーが持たない」というのは一番ダメなんじゃないかと思うんです。

    Apple WatchはiPhoneやMacとの連携はすごく優れているので、それはそれで機能として活用しながらも、ヘルスケアという観点から考えた時には、「Apple Watchはちょっと違うな」と感じたんですよね。

    がじろう

    本当に体の何か情報を取るなら、もう2個持ちしないといけない、ということになっちゃいますよね。

    Hossy

    そうそう。この開発を始めた時でいうと、Apple Watchは睡眠計測もできなかったんですよ。

    がじろう

    ふんふん。

    Hossy

    今では睡眠計測できるので、今使っていますけれども。あとはね、この大きめの時計を着けたまま寝るのか、という話もあって。

    がじろう

    いや、そうですよね。

    Hossy

    僕は実際、今はApple Watch Ultraを着けて寝ています。ただ、普通の人はなかなかそうはいかないというところもあるでしょう。自分でウェアラブルを常に着けて、自分の情報を記録し続けようという試みは、世の中にあったものはガジェット感が強すぎました。いつも着けていたいと思えるようなデザインではなかったんです。

    Apple Watchはみんなが同じものを使っていますし、バッテリーがまったく持たない。これでは違うなという思いがあったので、自分で作ろうという流れになったわけです。

    がじろう

    面白い。

    Hossy

    当然、自分で製品を作る時には、デザイン性とバッテリーライフというのは、非常に大きなコンセプトとして掲げていました。製品コンセプトは、最終的に「テクノロジーは内側に、ファッションを外側に」というコピーにしました。

    がじろう

    ふ〜ん。

    Hossy

    裏にはすごいセンサー技術だったり、いろいろなテクノロジーが入っているんだけれども、外から見た場合にはファッションにマッチした形のものにしたいというのが、製品コンセプトの根底にありました。

    がじろう

    なるほど。

    Hossy

    そう考えると、画面は付けないという選択肢になりますね。というのも、やはり画面がバッテリーを消費してしまうという点もありますし、画面を付けることでガジェット感が強く出てしまうので、それを排除したかったんです。だから、画面は付けないという形にしました。

    がじろう

    ちなみにHossyさんのいう「ガジェット感」というのは、どういうものが「ガジェット感」になるんですか?

    Hossy

    そうですね、まず素材でいうと、これはNuAnsの時にもお話したんですが、いわゆるプラスチック感が強いものなどは、やはりガジェット感が出てしまうかなと。あとはディスプレイの品質もそうですが、ギザギザの文字が見えて、「時間や歩数が分かります」となっても、そこに表示されるものに美しさが感じられないあたりが、ガジェットっぽい印象なのかな。

    がじろう

    なるほど。

    Hossy

    NuAnsの時は、接続ケーブルの端子などが気になったりしたんですが、今回はプラスチック感と、ディスプレイがあるモデルについてはディスプレイの品質が気になりましたね。

    がじろう

    なるほど。

    Hossy

    というあたりで、世の中に僕が思っているようなものがないというところから、この企画を始めることにしました。自分で作るとしたら「こういうのがいいな」というのを、どんどん書き出していきました。

    かなりソフトウェアとハードウェアの密接な関係だったり、そこにテクノロジーが内側にあるけれども、外側にはファッションが必要となってくるので、かなり難しい製品になってくるんですけれども、それでも自分としては「これが実現したら最高だな」と思って作り始めたので、すごくワクワクしながら始めることができました。

    最終的にはいろいろな紆余曲折があるのですが、先ほどお話ししたデザインが始まったところだけ、まずお話ししたいと思います。

    がじろう

    はい。

    デザインとファッション性の追求

    Hossy

    「テクノロジーは内側に、ファッションを外側に」というコンセプトなので、テクノロジーの部分を見せないというのが基本になっています。これ、最後にこのキャッチコピーを付けているんですが、今回のプロダクトデザインもTENTにお願いしたんですよ。

    がじろう

    いつものTENTですね。

    Hossy

    NuAnsを一緒にやって、NuAns NEOも一緒にやったTENTにプロダクトデザインをお願いしているんですね。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    勝手な僕のTENT愛があって、NuAnsは終わってしまったんですけど、何かプロダクトを作るという時には、やはりTENTが思い浮かんでしまうんです。他のプロダクトデザイナーに頼もうという気がまったくしなかったんですよね。

    がじろう

    めちゃくちゃ光栄なことですよね。TENTさんからするとね。

    Hossy

    なんだろうね。普通、ビジネスだとコンペをしてみたりするじゃないですか。だけど、僕はそういうのをまったく考えずに、TENTに直接依頼しました。こういう構想で、こういうものを作りたいと。普通にデザインの依頼をして、見積もりをもらって、「お願いします」という感じで始めたんですよ。

    がじろう

    うんうん。

    Hossy

    NuAns NEOの時もそうだったんですが、今回も、こちらが欲しいものやコンセプトを固めてTENTにお願いするという形だったので、プロダクトデザインのみを依頼しました。ブランディングについては、アートディレクションを謙大郎というデザイナーに依頼しているので、TENTにはプロダクトのデザインだけをお願いすることにしたんです。

    がじろう

    なるほど。

    Hossy

    いろいろなサンプル、プロトタイプを作ってもらったんですけれども、最終的に検討したところ、テクノロジーの部分としてセンサーはどうしても必要なところがありました。それで、それを外からバンド全体で包み込むようなデザインにしたらどうだろうか、という話になって。実際サンプルを作ってもらったのを見ると、「これだ!」と。

    がじろう

    へぇ。

    Hossy

    これもね、どんなデザインになったのかはWEBサイトを見ていただくしかないんですけれども、小さなセンサーがあって、その上をバンドがぐるっと覆い隠すように巻かれているデザインで、バンドを止めるポッチが付いていて、時計でも穴がポコポコ空いていて、そこにはめるじゃないですか。

    それに似たような感じで、そこにグッと押し込むとポッチが外側に出てきて止まる、という形のデザインになったんですね。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    なので僕がもともと思っていたガジェット感というのはなくなって、外から見ると基本的にはバンドしか見えないので、バンドの種類をいろいろな形やデザインにすることで、ファッショナブルな感じに仕上げることができる。汎用性がすごく高いデザインに仕上げてもらったんですね。

    これは本当に素晴らしく良いデザインに仕上がったんじゃないかなと勝手に自画自賛していますけれども。ファッション部分はしっかり出しながら、バンドをいろいろ変えることができる。

    がじろう

    ふ〜ん。

    Hossy

    ちなみにバンドは自分たちで出すのも標準でありつつ、外部のアクセサリーメーカーにも作ってもらったり、データを公開して自分でも作れるような形にしたりしていました。

    がじろう

    へぇ。

    Hossy

    さらに、時計アダプターのようなものも作っていまして、外側から金属プレートのようなものをくっつけるんです。そうすることで、世の中にたくさんある時計のバンドを、このwearaを装着できるようにしました。

    がじろう

    ふ〜ん。

    Hossy

    やっぱりね、いつも着けていたいと思えるかどうかは、すごく重要なポイントなので、このファッション性という部分で魅せることにフォーカスして作っていました。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    この辺りも、言葉だけではかっこよさやファッションのオシャレ感、構造が伝わりにくい部分がありますので、ちょっとすいませんがWEBサイトを見ていただければと思います。デザイン部分については、イメージ通りのものができあがりました。

    がじろう

    いいですね。

    Hossy

    OJAGA DESIGNいうブランドがあって、そこのバンドも作ってもらったんですが、そこのバンドはもうすごいですよ。NuAnsとか、僕の普段のデザインイメージとはかなり違うと思うんですよね。これを巻くというのはなかなかでしょう。オシャレ感もありつつ。

    がじろう

    何か願いも叶いそうですね。

    Hossy

    そうですね。

    100回作り直した「捨てないパッケージ」へのこだわり

    Hossy

    ちなみに、パッケージにもこだわりがありまして。NuAns NEOの時にも、買った箱を捨てないで貯金箱にする、というお話をしたと思うのですが、今回もやはり「捨てないパッケージ」というのがコンセプトとしてあります。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    普通は、いわゆるブリスターと僕らが呼んでいる透明なもので、パッケージを開けたらプラスチックのゴミとして捨ててしまいますよね。なんですが、今回のwearaは、その透明の部分が実は充電器の蓋になっているんですよ。

    がじろう

    おお。

    Hossy

    なので、捨てずにそのままそれを使うということなんですね。画像を見ていただかないと、なかなか伝わりにくいかなというところがありますが。

    がじろう

    これは、充電中に上からかぶせる蓋として使ってくださいということですね。

    Hossy

    そうなんですよ。センサーの部分を僕たちは「コア」と呼んでいたんですが、そのコアの下側にピンがついていて。充電器のピンが3つ付いていて、それをくっつけることで充電する仕組みなんです。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    なんですけど、ただ、上に置くだけだと、接点がうまく付かずに充電できないことがあるんです。そこで、上から蓋でカチッと押さえる。その押さえる蓋が透明で、しかもそれがそのままパッケージのところに入っているので、製品を出した後も、そのままそれを蓋として使えるというアイデアなんですね。

    がじろう

    すごい。

    Hossy

    僕はいつも、このパッケージをいかに捨てないで使い続けられるかというのを考えていて。ちょっと話は脱線しますけど、Simplismの時にも、量販店に行くと製品って穴が開いていてフックに引っかかっていますよね。

    がじろう

    はいはい。

    Hossy

    このフック部分を何とかできないかということで、フックだけプラスチックでできているものが多いんですよ。紙だと、劣化して破けてしまうことがあるからです。プラスチックの方が耐久性があるんです。それで、ただフックに通すためだけのプラスチックだともったいないので、このフックのところに入れるプラスチックを、ケーブル巻きとして使えるようにデザインしました。

    お客さんが手にとって買ったら、このフック部分はその後、イヤホンとか充電ケーブルを巻けるようにして、使い続けられるようにしたんです。いわゆるエコとかサステナブルといった、高い志を持ってやっていたわけではないんですけれどね。

    がじろう

    はいはい。

    Hossy

    パッケージって、基本的に捨てるものじゃないですか。だけど、なんだか捨てたくないな、という思いがあって。Simplismでもやっていましたし、最後の方はそういうのはやめてしまったんですけど、今回も充電器の蓋として使えるようにして、「そのまま使い続けてください」という形に工夫してみました。

    がじろう

    何かそういう意味でいうと、パッケージを捨てないということで一番うまくいっているのがディズニーランドじゃないですか。

    Hossy

    そうなの?

    がじろう

    ディズニーランドのお菓子とかって、缶の中に少ししかお菓子が入っていないのに、みんなそのパッケージが欲しくて買うぐらいの。

    Hossy

    そっちのキャラの方が重要だからみたいな?

    がじろう

    そうそう。

    Hossy

    なるほど。Appleとかもそうですが、箱を取っておく人って結構多いんですよね。箱自体がしっかり作り込まれていて、かっこいいから。だから、そういうのとはまたちょっと違って、実用的に使える形にしたんですね。パッケージは、数10回、100回くらい作り直したんですよ。

    がじろう

    え〜!

    Hossy

    これはちょっとインターネットで見てもらわないと分かりにくいんですが、箱を開けた時に、パッケージの中にあるweara本体と充電器がグッと持ち上がってくるんですよ。

    がじろう

    ほうほう。

    Hossy

    もう歌番組とかで、ステージが下から上がってくるの、あるじゃないですか。ああいう感じでぐっと上がってくるんですよ。

    がじろう

    マイケル・ジャクソンじゃないですか。

    Hossy

    両側から観音開きになるような作りになっていて、グッと引っ張ると下側の紐が引っ張られて上に上がるという作りになっていて。ここで一つ面白さというか、ギミックを体験してもらいつつ、捨てないでそのまま充電に使うという形だったんですね。

    がじろう

    すいません。その100回作り直したというのは、どれぐらいの期間で100回やり直しされたんですか?

    Hossy

    期間かぁ。期間はちょっと分からないけど、発表会をやるまでに完成させて見せたから、どうだろうな、2年ぐらいはかかったんじゃないですかね。パッケージだけで。

    がじろう

    そうですよね。100回もやるなら、それぐらいかかりますよね。

    Hossy

    結局、中国で作っていたから、中国に指示を出して「できた」と送られてきても、開けてみたら「ここをもう少し微調整してほしい」ということがあったり。

    また「できた」と送ってきてもらっても、再度調整が必要になったり。あとは、現地へ行って直接確認し、じゃあ「サンプルを3日後に作ってくる」となっても、実際に作って戻ってきたものを見たら「全然違うじゃないか」ということがあって、そういうやり取りを繰り返していました。

    がじろう

    え、だから週に一回ぐらいずっと改良を2年間ずっと続けたみたいな感じ。

    Hossy

    延々とやっていたと思いますよね。

    がじろう

    そうですよね。

    Hossy

    それくらい、パッケージにはすごくこだわりがありまして、いろいろな人に迷惑をかけたり、パッケージ屋も「何回作らせるんだ」という感じでした。これ実際、普通のパッケージ屋だったらもう「嫌だ」となってしまうんですけど、これが「嫌だ」と言って逃げられないパッケージ屋でして。

    がじろう

    どういうことですか?

    Hossy

    Simplismの数10万、数100万というパッケージをやっているから、ここで止めるんだったらそっちもやばいよ、みたいな(笑)

    がじろう

    なるほど。

    Hossy

    パッケージ屋の方は、ほぼボランティアでやっているようなものなんです。Simplismの方で大きな利益が出ているので、言ってみれば接待のような感じで、こっちが言ったことをどんどんやり直したり、作り直してくれたりするんですよ。

    まあ、半分以上は、向こうが言った通りにやってこない、というのがあるんですけどね。そんな力関係があったわけです。

    だから、世の中の人は、100回もパッケージを作り直すなんて、とても無理な話ですよね。

    がじろう

    そうですね(笑)

    Hossy

    5、6回で「いや、もうちょっと止めるわ」って言われちゃう。

    がじろう

    そうですね。普通は。

    Hossy

    実際、100回まではさすがにいっていないと思いますが、かなりやり直したのは事実です(笑)

    ということで、何で作り始めたかというところから、それを解決するためのハードウェアデザインをTENTと一緒に作り上げ、パッケージも含めて、見た目上、パッケージデザインというところは、かなり納得いく、理想のものが作れたと思っています。今回はいったんここで区切りをつけさせていただきます。

    次回は、それ以外のテクノロジーの部分や、ソフトウェアの部分についてもお話ししたいと考えています。

    がじろう

    これ、結論から言うと、構想から4年ぐらいかけたのに、結局は販売できなかったということですよね。

    Hossy

    いきなりもうオチを言っちゃいましたね(笑) 今回は、オチを言わずに進めようかなと思っていたんですけど(笑)

    がじろう

    それが、ここから先、何が起こってそうなるのか、ですよね。4年も時間を使ったのに、何があってその決断に至ったのか、みたいな。ここから先の話を聞きたいですね。

    Hossy

    はい、もうちょっと後の方でその話をします。

    がじろう

    なるほど。

    Hossy

    最終的には世の中に出すことができませんでした、ということにはなるんですけれども。もうちょっと先の話になりますので、楽しみに待っていてくださいね。

    がじろう

    いいですね。

    Hossy

    いうわけで、来週も引き続きよろしくお願いします。

    がじろう

    よろしくお願いします。

    エンディング

    Hossy

    リアル経営|企業経営の成功と失敗。等身大で語る台本なき社長のリアル」

    概要欄にこの番組のWebサイトへのリンクを張っております。 感想、メッセージ、リクエストなどそちらからいただければ嬉しいです。

    がじろう

    毎週金曜朝6時配信です。ぜひフォローお願いします。

    Hossy

    ここまでの相手は、Hossyこと星川哲視と

    がじろう

    がじろうでした。

    Hossy

    それではまた来週、お耳にかかりましょう。 

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