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経営や趣味、時事などのブログ記事や、Podcastの発信を日々行なっています。ニュース登録をしていただければ、更新情報を配信していきますのでお気軽にご登録ください。(広告を配信することはありません)
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【エピソード概要】
ユーザーのアイデアを形にする独創的な仕組みで注目を集めたQuirky。ヒット商品を生み出し、順調に見えたビジネスモデルの裏側で、一体何が起きていたのか。
一見、強力な武器に見える「オープンなコミュニティ」という仕組み。しかし、その革新性ゆえに生じる、ものづくり特有の構造的なジレンマ。さらに、資金調達による組織の急成長が、本来の「製品づくり」にどのような変化をもたらしたのか。
華やかなモデルの裏側に隠された、ブランドを維持し続けることの難しさを浮き彫りにする、Quirky編・完結。
「Podcast:リアル経営」このエピソードに関するご意見・ご感想をぜひお寄せください。今後の配信の参考にさせていただきます。
リアル経営|企業経営の成功と失敗、等身大で語る台本なき社長のリアル」
この番組は、私、Hossyこと星川哲視が自らの体験をもとに、経営やその舞台裏などをリアルに語っていきます。
リアル経営は、毎週金曜日朝6時に配信しています。
おはようございます。自由人のHossyこと星川哲視です。
おはようございます。STRKのがじろうです。
前回はQuirkyの製品について、いろいろご紹介しました。製品を声で説明するのは、やはり難しいですね。NuAnsの時も、細かいこだわりを説明しても、それが伝わっているかどうかが分からなかったのですが、Quirkyも工夫したところがうまく伝わるかどうか、難しかったかなと思っています。
ぜひ画像をチェックして欲しいですね。
そうですね。前回のところにリンクを入れておりますので、そちらを見ていただけると、より内容が分かりやすいかと思います。
音声メディアの良さはなくなっちゃいますが、ここでちょっと見てもらえると嬉しいですね。
そうですね。というわけで、製品については前回、ビジネスモデルは1回目の時にご紹介したと思います。Quirkyとしては今回が最終回になりますが、なぜQuirkyが最終的に続かずに終わってしまったのか、というお話をさせてもらおうと思います。
めっちゃ気になってました。めちゃめちゃ聞きたかったです!
そうですね。
だって仕組みも面白いし、実際にそれでヒット商品も生まれたし、それだけすごいのになぜダメになったのか。
そうですね。まず日本での展開について軽くお話しすると、やっぱりこのQuirkyの面白さはコミュニティなんですよね。自分が出したアイディアや、誰かが出したアイディアを一緒に考えて製品化したり、製品化が決まったらどういうキャッチコピーでいこうか、というのをやっていくのが面白いところだったんですけど、日本ではその仕組みを持ち込むことができなかったんですね。
やりたかったのですが、実際にやろうというタイミングでQuirky自身が失速してしまった、という経緯もありました。
うん。
共感というか、Quirkyの根本的なビジネスモデルとして、コミュニティの人が関わった製品を販売するとなると、やっぱり自分も買っちゃうものなんですよね。
ふんふん。
たとえば、自分のアイディアではなかったとしても、先ほどお話ししたように「製品の名前を決めましょう」となったとき、自分でいくつかアイディアを出して、投票でたとえそれが採用されなかったとしても、自分がこの製品を作るのに一緒に関わってきたという意識があると、買ってくれるんですよね。
うん。
だから、基本的には最低発注数量をコミュニティ内で消化できる、というのがポイントだったんですよね。ただ、日本ではそういった仕組みがなかったので、ブランドとしても認知度が低く、トリニティにとっても困難だったんです。時系列でいうとNuAnsとかよりももっと前の話なんですよね。
へぇ。
なので家電量販店しか販路がなかったんですよね。ケーブル巻きや充電タップならまだ範疇なんですが、ハンガーとか普通の生活雑貨系はどこで売るかが難しいんです。日本では正直、オンラインでの販売がかなり多くて、それ以外だと本当にヨドバシカメラとかビックカメラみたいなところでの展開しかできなかったんです。
だから、日本ですごく売れたというものは、正直そんなにはありませんでした。ただ、僕はその種まきとして、これをやっていく中で「面白い製品があるね」「この作る仕組みを日本でもやります」という形に持っていきたかったんですよね。残念ながら、最終的には実現できなかった、というところです。
「一緒に作ることで、購入してくれる人も育てる」という話、これはまさにキングコングの西野さんが2017年の著書「革命のファンファーレ」で書いていたことと同じですね。この中で、西野さんは「共犯者を作るんだ」という表現を使っていました。
うんうん。
それがいいアイディアにもなるし、実際購買してくれる人にもなる、という感じで言っていたので、まさにそこの根本の考え方は、ここから来ていたんだなと。まあ、ここから来てたかどうかは分からないけど。
そうだね。
すごいですね。
やっぱり、ネットの社会になって、コミュニティが場所を問わずに構成できるようになったじゃないですか。これは、ネットがないと無理なことですよね。
そうですね。
やっぱり地域に縛られてしまうから、というのがあると思います。ただ、ネットのおかげで、どこにいても、アメリカ国内に限らず世界中の人がこのQuirkyのコミュニティに参加できるわけですよね。この時代だからこそ思いついて、うまくいったという面もあるのかもしれません。
うんうん。
それで、ここからはQuirkyがうまくいかなかったあたりの部分を少しご紹介したいと思います。まず一つ目の問題点は、やっぱり製品を出し続けないといけない、というところです。
なぜなら、アイディアを出す人たちは、最終的に製品化されることを望んでいますよね。製品化された上でリターンがある、という話があったと思うのですが、製品をどんどん出していく。初期の頃は、毎週か2週間に一つくらいのペースで製品化していく、というスピード感でやっていくことになっていました。
はい。
だから、やっぱり製品に対する一つ一つの深い市場調査とか、「本当にこの製品いるの?」っていう部分も含めて、精査がだんだん足りなくなってきちゃったんですよね。つまり「出すこと」が前提になってしまっていたので、実際はあまり必要とされていなかった製品だったという話とか。あと、やっぱりここも、初期不良の問題とかがあったりするんですよ。
スピードを重視するがゆえに。
そう。初期不良と耐久性の問題があって。どんどん製品を「出す、出す、出す」とやった結果、うまくいかないものがポコポコ出てきてしまった、というのが一つ目の問題です。やはり製品のクオリティに問題があったということと、市場のニーズがあまりなく、実際には売れなかったということもありました。
それから、スピードも結構大きなポイントで、いくつかのアイディアを製品化して発売するまでに時間がかかってしまった製品があったんです。
うん。
その時、デザインは少し違うものの、ほぼ同じものが中国で出回ってしまいました。アメリカのAmazonで突然販売されるといったことがあり、「急がないと中国に模倣されてしまう」という問題が出てきたのです。とにかく早く世に出さないと、時間をかけていると中国に先を越されてしまう、という状況でした。
でもこれ、世の中にこれまでなかったアイディアなんですよね。なぜパクられるんですか?
結局、世の中にないアイディアをQuirkyのコミュニティで投稿していて、投票して、それで選ばれて「じゃあこれを作るようにしよう」というコミュニティの中に、中国の工場に情報を流す。
産業スパイみたいな人が紛れ込んでいるんですね。
そうそう。普通、こういうオープンなコミュニティでなければ、たとえばトリニティだったら、トリニティの社内だけでやるわけです。急に誰かがそのアイディアを持っていって中国で作ってしまう、みたいなことって、基本的にはないじゃないですか。
はいはい。
だけど、これはもうオープンなコミュニティだから、誰でも参加できるし、一緒に作っているふりをすれば、コアな情報にも入れるわけですよね。
うん。
なので、アイディアを持っていかれてしまうということがあるんですよ。実際に特許といっても、特許って、まず取れるか取れないかも分からないのに、それなりの時間もコストもかかってしまうんですよね。それを「製品化する」と決めて、売れるところまで来たらやってもいいんですが、その前にやってしまうと、結局製品化しないとなれば無駄なコストになってしまうんです。特許は結構難しいんですよ。
うん。
普通であれば、売るまでの間は誰にも知られない状態だからこそ特許が成り立つわけですが、特許というのは基本的に、広く知られた時点でその権利がなくなってしまうんです。
そうですね。取れなくなりますね。
そう、取れなくなるんですよ。だから、こういうコミュニティの中で出たアイディアを特許で守るのは、かなり難しいんです。それに、仮にできたとしても、特許って取得できるまでにすごく時間がかかりますから。
実際のところ、特許を取っていたとしても、正直、コピー品って世の中に山ほどあるじゃないですか。「やったもん勝ち」になりかねない部分もあるんですよね。これもあって、Quirkyはスピードを重視しているんです。
うん。
つまり、早く作って世に出していけば、コピー商品よりも先に売り出せるんだけど、コピー商品が先にあると、「前からこれあったよね」と言われてしまうんだよね。Quirkyがオリジナルなのに、Quirkyが後出しみたいに感じられてしまう。
当然だけど、Quirkyは会社の存続がかかっているし、プロダクトデザイナーや設計のエンジニアが社内にいるわけだよね。コミュニティの人たちにもリターンを返すから、値段だけでいうと、アイディアをコピーして中国の会社が作ってAmazonに直接出した方が、絶対に安くなる。圧倒的に安いんですよ。
うん。
となると、Quirkyの方が後から出てきて、しかも価格が高い、という話になってしまうんだよね。
オリジナルをコピーが超えるって、すごい世界ですよね。まるで写輪眼みたいな。
製品自体のデザインやクオリティなど、いろいろな違いはあっても、実現することが同じになってしまうと厳しいですよね。
そうですよね。
みんなでアイディアを出し合ってやるモデルの大きな欠点なのかもしれません。結果として、逆にスピードを上げすぎたことによる弊害として、初期不良や耐久性といった問題まで出てきてしまっているので、結構悪循環になってきているところがあるのかなと感じました。
ほぉ。
ここは、なかなか解決策が今でも思いつきません。
これ、たとえば、何かアイディアをみんなでブレストせずに、アイディアを出した人の意見だけで、ある程度まで進めていくというのはダメなんでしょうか? 情報が漏れないように。
そうすると結局、コミュニティというものの存在価値がなくなってしまいますよね。Quirkyには何万人というコミュニティがあるわけです。そこで毎週のようにディスカッションして、「このアイディアいいよね」と、たくさんの人が賛同するから投票して、それを作っていくというのが、やっぱりコミュニティの力になるじゃないですか。
たった一人のアイディアをQuirkyの内部の人が判断して「これいいじゃん」みたいに進めると、すごく限られた人数の価値観で進むことになってしまいます。
うん。
トリニティの時にもあったんですが、持ち込みの企画ってすごくたくさん来るんですよ。「こういう製品を思いついたので、御社で作って流通に乗せてください」といったようなものです。ただ、そういうものは、僕らは基本的に絶対に見ないようにしています。
えっ? 見ないように。
ちょっと余談になっちゃうんですけど、送ってくる場合もあるんですよね。企画書みたいなものをね。それは開けずに返すんですよ。
影響された、という感じになってしまうからですか?
僕らがもしそれに似た製品などを作っていた場合、それを見てしまうと「俺のアイディアを盗んだじゃないか」という話になってしまいますから。
なるほど。
見ないで、開封もせずに返すんですよ。初期の頃は見ていたんですけれど、正直、時間の無駄になることがちょっと多くて。リスクも結構あるなというのも感じていたので、後半は返す形にしました。
いずれにせよ、そのコミュニティ力を使うというQuirkyの良さというのは、一つはやっぱり「たくさんの人が共感できるか」「そのアイディアだったら俺欲しいよね」とたくさんの人が思うから、そこに一定の市場があるよね、という話になってくると思うんです。それが限られた人の中だけで共有されて、限られた人が決めちゃうとなると、全然普通の会社の企画と変わらないんですよね。
だけどこれ、アンケート結果がある程度話が進むまで、みんなには公開されなかったらどうなるんですかね? 「こんなんどうだろう」でもバレるのかな。
「こんなんどうだろう」でも、バレちゃうだろうし、結局、投票は毎週のようにするんだけど、投票した結果から次に進むから、結果を出さないっていうわけにはいかないんだよね。
う〜ん、なるほど。そうか、本当にQuirkyの強みが弱みにもなるんですね。
そう、それは欠陥としてあるんです。コミュニティというのは、さっき少しお話しした通り、コミュニティの人たちが少しでも関わってくれているから、最低限作らなければいけないロット分は、基本的にコミュニティの人が買ってくれるんですよね。だから、いろいろな人に関わってもらって、その人たちに買ってもらうというのが、基本的なビジネスモデルなんです。
なるほど。
市場に出してどうなるか、という話の前に、必要な分は買ってもらえるので、まずは進められる、という状況があります。そのため、やはりたくさんの人に関わってもらう必要がありますね。
売れるか売れないか分からない中で、最低限はコミュニティで買ってもらうことはもちろんですが、金型代や設計の人件費、在庫といった、製造業として避けられないキャッシュアウトがある中で、毎週のように製品を作っていくとなると、本当にキャッシュフローが大変になるんです。
うん。
先行投資をした上に、もし売れなかったり、さっき言ったように初期不良での返品があったりすると、やっぱりお金が続かなくなってしまいますよね。資金調達はかなりしていて、前回お話ししたGE(General Electric)とのコラボでは、GEがQuirkyに出資しているんです。なので、資金調達はできていたんだけれど、実際に利益を稼ぐのが難しかった、というわけですね。
ふ〜ん。
資金調達という意味では、ネット情報で、僕が直接聞いたわけではないので申し訳ないんですが、日本円でいうと185億円前後の資金調達をしているらしいんです。Jawboneと比べると桁は違いますが、それなりの資金調達はしています。
やっぱりこの仕組みは面白いですし、この当時でいうと、インターネットが普及した頃でしか、なかなかできなかった新しい仕組みじゃないでしょうか。
うん。
なので、やっぱり投資家がすごく入ってきてくれました。「Pivot Power」のように、前回お話しした、4,000〜5,000万円のリターンを出すという実績もちゃんとあるので、コミュニティとしてはすごく盛り上がったんですよね。実際、メディアでベンがインタビューを受けている話で言うと、リターンも累積で9億円ぐらいそのコミュニティに返しているという話が出ていました。
かなりちゃんと真面目にコミュニティに対してリターンをしていた、というところがあるみたいですね。
ほうほう。
やっぱりコミュニティは、最初の頃うまくいった時を目指してみんなで頑張るんだけど、ここまで話してきたように、中国に模倣されたり、スピード感を重視しすぎた結果、不良品が多くなったりしたんだよね。実際に、思ったように売れなかったという話が出てくると、だんだん良いアイディアも出なくなってしまうような感じがあります。
資金調達のデメリットとしては、どこかで必ず、投資家の方にリターンを返さなきゃいけないんだよね。
そうですね。
コミュニティにはしっかり還元はしていたんですが、やはり投資家の方々にも利益を返さないといけないんですよね。そうなると、途中で「今のやり方では、なかなか利益が増えていかないんじゃないか」という話が出てきて、だんだんと、いろんなところへの分配が多すぎるのではないか、という意見も出てきました。
初期のコンセプトから少しずつ離れていき、「世の中で売れているものを参考に作ろう」といった方向になったりもしました。どうしても「売らなきゃ、売れなきゃ、利益を増やさなきゃ」ということが最優先になってしまったんです。資金調達をして会社が大きくなってからは、僕も創業者のベンとなかなかじっくり話し合う機会がなくなってきてしまいました。
う〜ん。
これは、前に話していたBlueloungeの時はちょっと違ったけど、Catalystの時もそうだったし、Jawboneもそう。やっぱり、一緒にやっていたところから資金調達して外部の人が入ってきた時に、創業者だったりオリジナルのメンバーと連絡が取りにくくなっちゃったんだよね。つまり、みんな忙しくなる、ということなんです。
うん。
投資家への説明だったり、いろんなことをしなくちゃいけないから、製品を作ったりサービスを運営したりすること以外に、すごく時間を取られてしまうんですよね。こうなると、だいたい失敗しちゃうなと思います。
うん。
だいたいというか、僕が知っている範囲での話なんですけど。こういう形になっていても、うまくいくケースももちろんあるんでしょうけれども。
社員数も一気に増えるんじゃないですか? やっぱり資金調達すると。
そうだね。結局、たくさんの製品を作ることになりますよね。売上を上げていくためには、ものづくりでいえば、一つの製品がたくさん売れるか、それなりのものを何種類も出すか、どちらかになるんです。その時に、一つのヒットを出すというのは、ホームランは打てるけど三振も多い野球選手と同じようなものだと言えます。
うん。
僕も詳しくないから知ったような口で野球のたとえにしたんですけど、ホームラン王は三振も多いって聞きますよね。全力でフルスイングするから。
ただ、もっと小さいヒットが必要なのか、それともホームランが必要なのか。最初は少しホームランがあったけれど、それ以降はすごいホームランが出ていない。だから、もっとホームランの確率を上げていくには、たくさんバッターボックスに立つ必要がある、という話になるんですよね。
ふ〜ん。
たくさん製品を出すためには、そこまで良いとは思えないアイディアも製品化してしまう、ということになってしまうんですよね。Quirky社内では、そういったプロダクトデザイナーや設計担当の人たちを増やさないと実現できないので、そういう人たちがどんどん入ってくる形で、組織がどうしても大きくなり過ぎてしまう。そういった側面があるんです。
結構、営業利益で20億円を作っていた組織が、まったく違う仕事に変わっても、また20億円稼いでいる、みたいな話を何度か聞いたことがあるんですよ。やっぱり、その組織自体に、それだけ稼げる力があるということなのか。急成長すると、何か少し崩れがちになる、というのはあるのかもしれませんね。
そうかもしれないね。ハードウェアビジネスの難しさは本当にあると思う。急成長しづらいから。
う〜ん。
それで、結果として2015年に最終的にはキャッシュが足りなくなって、アメリカでいうChapter 11ですね、破産しました。
Chapter 11と言うんですか? めちゃくちゃかっこいい。
米連邦破産法第11章。
それでね。
はい。というわけで、Quirky自体は終わってしまうんですね。先ほどお話ししたような問題を、どうしても解決できなかったというところがあったのかなと思います。僕としてもすごく面白いビジネスモデルだと思っていて、ベンという人間が高校生の頃からアイディアを出してスタートしていたんです。
mophieを売却して、うまくいっていたにもかかわらず、敢えて「みんなで作ろう」という形に変えてQuirkyを始めたのですが、残念ながら、うまくいきませんでした。ベンはその後、Quirkyを辞めてから、BuzzFeedというデジタルメディアへいきます。
BuzzFeed、知ってます!
メディア関係の会社に入って、そこで何をしていたかは僕も詳しくは知らないんですけど、だいぶ前に少しやり取りはしました。ただ、起業家が他の会社に入ってうまくいっている例は少ないんじゃないかなと、個人的には思っていますね。
う〜ん。
結局、自分でまた起業することになり、「Camp」という会社を立ち上げました。ここでは、テーマ型の空間演出のような形で、体験と物販を統合したものをやろうと考えたんです。ここもリアルな場だったんですが、実際、経歴をネットで確認すると2023年には終わってしまっているんですよね。
コロナの時ですね。
あぁ、そうかもしれないですね。
リアルだったらそうかもしれないですね。
ちょっと読み方が分からないんだけど、「Eko」という会社があります。WEBサイトを見るだけだと、何をしている会社なのかよく分かりませんでした。でも、今はその会社で、オンラインのインタラクティブなサービスなどを展開しているみたいですね。
へぇ。
ベンも今年で40歳になるそうなので、もうすっかりいいおじさんになってきましたね。
そうなんですね。
ということで、やっぱり起業家であり、アイディアマンであり、いろいろ新しいことができる人ではあったんですけれども、結果としてうまくいかなかったということになります。
ただ、本当にバイタリティがあって、新しいものを作る、Quirkyのコミュニティを作ったというのは、相当大変だったと思いますし、今でも面白い人だと思っています。彼がこれから何をするのか、注目ですね。
そうですね、何かやりそうですね。
そうそう、どんどんやってくれるんじゃないかなと思います。
うん。
最後に、日本にも実はQuirkyと同じではないんですけれども、似たようなシステムがありまして。僕は以前「空想家電」という名前で覚えていたんですが、調べてみると今は「空想システム」という名称になっているようです。
ここは昔、ユーザーがアイディアを投稿し、それをデザイナーがデザインに起こして、コミュニティで意見交換や投票をして、製品として何を作るかを決めていく、という仕組みをやっていました。これはQuirkyよりも時系列としては少し前になりますね。
へぇ。
こことの大きな違いは、あくまで「最終的に製造するところまではやらない」というコンセプトです。この製品を作ろうとなったら、似たような製品を作っているメーカーに依頼することになります。
ふんふん。
たとえば、冷蔵庫を作ろうという話になったとしますよね。その冷蔵庫のデザインやコンセプトを持って、それを企画として冷蔵庫のメーカーに持ち込むんです。そこで、製品の見積りを出してもらったり、試作をしたりと、いろんな条件を詰めていく。それをコミュニティの人たちがみんな「買う」となったら、実際に製造するというモデルだったんですよ。
なので、前半はQuirkyとかなり近いモデルなんですが、リターンがあったのかどうかは、ちょっとよく分からない点ですね。Quirkyはリターンがあるという夢があって面白かったんですね。
うんうん。
それに、結局メーカーに依頼することになるので、実際にはメーカーが「やりたくない」と言えば、実現できないんですよね。そのためか、この分野ではあまり製品が出なかった印象があります。一応、MUJI(無印良品)とコラボレーションした例などはあったみたいですが。
今はWEBサイトは残っていますが、具体的にどういった活動をしているのかは、ちょっと見えませんね。あまり積極的に活動している様子はなさそうです。というのも、日本でも同様の取り組みはあったものの、これもあまりうまくいっていない、という現状もあります。やはり「共創」、つまり「共に創る」ことの難しさというのがあるのかもしれませんね。
うん。
という形で、日本でも同じような事例があったというお話をしつつ、今回、Quirkyのベンと僕との関係性も踏まえて、彼のアイディアに共感して進めていたのですが、最終的にはうまくいかず、Quirkyは終わってしまうことになりました。ということで、Quirky編はこれで終了となります。
なんだか感慨深いですね。面白かったのにね。強みが逆に弱みになってしまうという、まさに諸刃の剣だった、ということですね。
というわけで、ここまで「ブランドストーリーのリアル」と題して、トリニティで取り扱いをしてきたブランドをご紹介してきましたが、今回のブランドストーリーのリアルはこれで終了となります。
はい。
次回以降は、トリニティでSimplismやNuAnsなどの製品についてお話ししましたが、それ以外にも製品はありますので、そのあたりの紹介や開発の背景などもお話しできればと思っています。
シリーズではない単発のテーマなども、これからまたいくつかやっていきたいですね。前回、冒頭でコメントを紹介しましたが、「こういうテーマについて聞きたい」「あの時どうだったんですか?」といったコメントをいただければ、優先的にそのテーマについてお話ししたいと思っていますので、ぜひとも何かしらお送りいただければ嬉しいです。
ぜひメッセージいただければありがたいです。
それでは、今回はここまでとさせていただきます。ありがとうございました。
ありがとうございました。
リアル経営|企業経営の成功と失敗。等身大で語る台本なき社長のリアル」
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ここまでの相手は、Hossyこと星川哲視と
がじろうでした。
それではまた来週、お耳にかかりましょう。
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