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星川哲視(Hossy)の個人サイト Hossy.org は、これまでの起業・経営・卒業など、さまざまな経験からの情報をブログ記事やPodcastなどさまざまな活動を通じてアウトプットするサイトです。

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Episode 35|「ブランドストーリーのリアル|NuAns WORKLIFE編 」【Part 2】プロダクトの常識を覆すデザインと製造の舞台裏

【エピソード概要】

「欲しいけど売ってないものを作る」という哲学のもと、小物入れ「CADDY」、マルチ充電台「COLONY」、デスク「BASE」の3製品を紹介。

プラスチック製品の常識を覆す素材選びと構造、後加工までを紹介。機能美を追求した設計思想について、具体的な苦労や裏話を披露。

テクノロジーの進化に左右されず、長く使い続けられる普遍的な価値を持つ製品を目指した開発者の思いが伝わる内容となっている。

そして、このWORKLIFEシリーズをもってNuAnsブランドは終了となる経緯を語る。

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Podcast:リアル経営」このエピソードに関するご意見・ご感想をぜひお寄せください。今後の配信の参考にさせていただきます。

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    Topic

    オープニング

    Hossy

    リアル経営|企業経営の成功と失敗、等身大で語る台本なき社長のリアル」

    この番組は、私、Hossyこと星川哲視が自らの体験をもとに、経営やその舞台裏などをリアルに語っていきます。

    リアル経営は、毎週金曜日朝6時に配信しています。

    Hossy

    おはようございます。自由人のHossyこと星川哲視です。

    がじろう

    おはようございます。STRKのがじろうです。

    Hossy

    前回もNuAnsのWORKLIFEシリーズについてお話ししました。これね、毎回がじろうと事前に打ち合わせして「これ、1回で終わるかもね」みたいな話をしつつ、必ず2回、もしくは3回になってしまう、ということを繰り返しているので、1回で終わるというのを実現したことがないんですね。

    がじろう

    だけど、それって前回でいうと名刺ケース一つだけで、あれだけのこだわりがあったら、そりゃあ終わらないですよ。

    Hossy

    もし機会があったら名刺ケースの売り場に行ってみていただくと分かると思いますが、基本的にはね、素材とか、革でも「こういう色の革」とか、「どういうふうになめしているか」とか、そういった素材感だけで勝負していて、構造とかにまで手を入れている名刺ケースって、もうほとんどないんですよ。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    だから、何かここで考えて、もう一度再設計してみよう、ということが、世の中に本当にあまりないんですよね。ないからこそ作っているんですけれども。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    なので、「欲しいけれども売ってないな」という時に作ることができるのは、前回お話ししたように、仕事とライフがくっついているからこそ、欲しいものを作っていたらそれが仕事になるよね、というのは、すごくプロダクトを作っている人たちとしては幸せな仕事をしているな、という感じがしますね。

    がじろう

    もうほんと贅沢ですよね。そういったものに出会えていること自体が。

    Hossy

    そうそう。それで、今回WORKLIFEシリーズの続きとして、引き続き製品の話をさせてもらおうかなと思います。

    小物入れ「CADDY」の構造とデザイン

    Hossy

    はい、次は「CADDY」という名前の製品です。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    これは、僕が記憶している範囲では、TENTの治田さんが作りたいということで製作したものなんです。前回紹介したFLIPBOXも収納ボックスでしたが、こちらはどちらかというと小物を入れるための収納ボックスですね、簡単に言えば。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    ただ、まあ当然ですけれども、TENTと僕とで作るNuAnsのシリーズなのでなんでもない製品ができるわけがない。

    がじろう

    そうですね。

    Hossy

    まず構造ですね。これもちょっと言葉で表現するのが難しくて、申し訳ないんですが、できればWEBページを見ていただくのが一番いいと思います。ぱっと見は円柱の箱といった感じです。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    上から見ると真ん丸で、これは上に蓋があるんですよ。さっきのFLIPBOXとは違って蓋を開けるタイプなんですけど、これも一応蓋といっても、簡単に片手で開けられるように、ただ上に乗せてあるだけなんです。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    もちろんちゃんと設計してあって、台座というか、箱の受け皿に対してぴったりに作った蓋なんですけど、横にずれて落ちてしまうようなことは絶対ないように設計はされています。とはいえ、留まってはいないので、そのまま開けることができます。開けて、中に何を入れるかという時に、この時もよく出てくるのがケーブル類とか、小さなモバイルバッテリー、充電器あたりを入れることでしょう。

    一つ目の工夫としては、中に間仕切りがあるんですね。上からの写真がWebページにあるので見ていただくと分かるんですが、左右に分かれていて、これは左と右が間仕切りを広げているか、開けているかの違いです。

    がじろう

    はいはい。

    Hossy

    ただの箱だと、ケーブルなどを入れると余計ぐちゃぐちゃになってしまうんです。

    がじろう

    いや、これは伝わりづらいですね、すごいけど。なるほどね。4分割か2分割かを簡単に変えられるんですね。

    Hossy

    そう、2か所引っ張って取り出せる、間仕切りがあります。すべてを一部屋にすることもできるし、片方だけ開けて使うこともできます。両方開けると4部屋になるような形のものもあるんですよ。だから、間仕切りがあればケーブルにも最適ですね。ただ、そこにより大きなものを入れたいという時には入らなくなってしまうので、どちらもできるんですね。

    がじろう

    う〜ん。

    Hossy

    ということができるようにしようということで、入れるものは人それぞれなので、そこに合わせて変化できるというのが、まず一つ目の大きな工夫ですね。

    がじろう

    キャンプ道具好きな人とか、こういう工夫は好きそうですよね。何かこう、2通りの使い方があったりとか、形が簡単に一瞬で変わるわけじゃないですか。めちゃくちゃ面白いですね。

    Hossy

    これの欠点として、このボックスが縦長なんですよね。大きければ前回お話ししたFLIPBOXを使ってもらうんですが、じゃあ小さいものを入れようという時に、実際何を入れられるのかを考えました。さっき話したように、ケーブルとか、ちょっと小さいバッテリーとか、そういったものは上の側に入れましょう。

    でも実際はSDカードとかボタン電池とか乾電池とか、小さいものがちょこちょこありますよね。

    がじろう

    うんうん。

    Hossy

    こういう円柱形で縦長のものって、小さいものを入れると取り出しにくいというのが欠点なんですよ。

    がじろう

    確かに。

    Hossy

    上まではいかないから、その箱に対して。なので、この箱は下側に小さいものだけを入れるトレイがくっついている。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    なかなか分かりづらいかもしれませんが、こういうお弁当箱もあるんです。ご飯とおかずを入れるところが分かれていて、上下で違う高さのものを入れられるようになっています。下が小物入れになっていて、上からこの基本のボックスを乗せておくだけなんです。だから、上のボックスを真上に持ち上げると下のトレイが残る状態になるので、出しやすくなっています。

    その上、持ち運ぶ時もあるので、上のボックスを回転させるとロックされるような仕組みになっているんですよ。

    がじろう

    面白い、面白い。

    Hossy

    なので、持ち運ぶときは、上と下が合体した状態になります。

    だけど、普段は位置が固定だったら、あまり必要ないので、回さなければそのまま上に載っているだけです。「じゃあ、電池を取ろう」となったら、上の箱を開ける形です。上の方の部屋も、最初に言ったとおり蓋が載っているだけなんで、すぐ開けられるような構造になっているんですね。結構便利な小物入れになっています。これが、構造上の話です。

    がじろう

    はい。

    「CADDY」の素材と質感へのこだわり

    Hossy

    次はデザインに関する部分ですね。二つあって、一つ目はそんなに大したことではないんですが、これNuAnsのタグが付いているんですよ。

    がじろう

    あぁ、確かに。

    Hossy

    布のタグですね。これは外側の円柱のプラスチックに穴が開いていて、内側からこのタグの生地を出して、内側で留めているんですよ。これ、生産するときはすごく手間がかかるんです。

    がじろう

    確かに。

    Hossy

    だから、普通はそんなことはしないんです。でもただの円柱よりはタグを付けることで、このNuAnsの統一感を出したかったんです。

    実は、前回お話ししたFLIP 3兄弟も、みんなタグが付いているんですよ。タグを付けられるものには、しっかりタグを付けようという方針があって。このプラスチックに穴を開けるのが結構大変なんです。こういうのをわざわざ作るのはコストアップにしかならないので、普通はやらないんです。

    でも、ここはデザイン上、どうしてもやりたいということもあって付けています。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    あと、二つ目の大きいポイントとして、これはね、製造業というか、こういうプラスチック製品を作ったことがある人にしか分からないと思うんですけれども、この製品は円柱になっているんですよ。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    円柱状のプラスチックを作る場合、基本的にこういう円柱の形そのままのものは、なかなかないんです。プラスチックを作る時には金型を使うのですが、円柱で側面がまっすぐだと、金型から抜き出すことができないんですよ。これは少し難しい話なのですが、完全にまっすぐな形状だと、勾配というか、傾きがないために金型にずっとくっついてしまって、抜けないんです。

    がじろう

    さすがに大きすぎて。

    Hossy

    大きすぎるというよりは、擦れてしまうんですよ。こういうものって基本的に、「抜き勾配」というちょっと技術的な用語があるんですが、テーパーと言って、傾斜が必ずかかります。抜き勾配を作らないために、スライドと言って金型をずらして形を抜く方法もあるんです。じゃあ、それをなぜみんなやらないかというと、跡が残ってしまうからなんですね。跡が残ると、製品としては基本的に許されないんです。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    内部パーツならよくある話なんですけど、外側では使われないんですよ。そんな中で、これにはスライドの跡は残っているんですが、ここがポイントで、このスライドの跡が残ってしまって、普通だったら売り物にならないその部分、外側の部分を研磨加工しているんです。

    がじろう

    なるほどなるほど。

    Hossy

    真ん丸だからこの研磨加工をすることによって最初から傷が付いてる。ぐるぐるっと。

    がじろう

    はいはい。

    Hossy

    それに合わせて、素材に石の粉を混ぜています。そうすることで、普通のプラスチックには見えないんですよ。

    がじろう

    ほぉ、なるほど。

    Hossy

    質感が陶器っぽいでしょう。触るまでは陶器じゃないかと思うぐらいの質感で、高級感があるんですよね。

    がじろう

    すごい。

    Hossy

    でも、それがさっき言った、金型をスライドさせた跡をなくすことができて、このちょっと陶器とか、そういうざらついた質感を出すことによって、わからないように、でもそれが味になるように作られているんですよ。

    がじろう

    でも、このこだわりって、「真っ直ぐな円柱ではなかなか無理だよね」と気付いている人からすると、「え、これ真っ直ぐでやってるんだ?」と気付いてもらえるってことですよね。めちゃくちゃニッチな人に気付いてもらえるこだわりだと思います。

    Hossy

    でも、美しいのは、美しいじゃないですか。

    さっきちょっと言ったように、ゴミ箱なんかは必ずどっちかが大きくて、どっちかが小さい。でもこいつはもう、上と下がストンとまっすぐなんですよ。だから普通は「これ、スライドだな」となるわけです。プラスチック製品を作ったことがある人からすると、「あれ? どういうこと?」ということになるわけですね。

    がじろう

    そうですね。

    Hossy

    普通はプラスチックの製品をその金型から出して研磨するって絶対やらないです。

    がじろう

    手間ですもんね。

    Hossy

    基本的には、人でないとできない作業ですね。自分で研磨機にかける。

    がじろう

    そうなんですね。

    Hossy

    そう、だから一つずつ全部仕上がりが違うんです。

    がじろう

    へぇ。

    Hossy

    その研磨機にかける人の手加減次第ですから。

    がじろう

    はいはい。

    Hossy

    「プラスチック製品の常識」として、金型を作ってプラスチック製品を作るのは、まったく同じものを大量に作るためです。でも、僕はそういうプラスチック製品が好きじゃなかった。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    やはり、質感と有機物のような一つ一つ少しずつ違うという点が良かったので、石の粉を混ぜた樹脂を使い、さらに削りを入れることで、質感が本当に良いんです。プラスチックには思えません。

    がじろう

    そうですね。

    Hossy

    このCADDYは、そんな感じの製品ですね。分からない人からすると、真の円柱であっても、まあそうなのという程度かもしれませんが、分かる人からするとすごいことなんです。プラスチックでこの質感を出すというのは、なかなかできることではないんですよ。

    がじろう

    はい、いいっすね。

    マルチ充電台「COLONY」の機能と特長

    Hossy

    次は「COLONY」ですね。COLONYもCADDYと同じ素材を使っているんですよ。石の粉を混ぜたもので、質感がすごくいいんです。やっぱり、普通のプラスチックのつるつるした素材は嫌だなという思いがあって。プラスチック感を出さずに、置いてあるだけでもかっこいい、たたずまいがいいものを目指すために、このCADDYとCOLONYには同じ素材を使っています。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    COLONYは、充電するものが増える中で、一つの充電器と一つのケーブルと一つの充電されるデバイスがずらっと並んでいるのは嫌だなと思って。たとえばですけど、スマートフォンがあって、タブレットがあって、今だったらモバイルバッテリーもそこで充電して、とか、いろいろ充電するものがあるじゃないですか。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    充電器とケーブルとスマートフォン、それにタブレットなどを一つ一つ置いていくと、まず面積を大きく取ってしまいますよね。

    がじろう

    そうですね。

    Hossy

    重ねない限り。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    なので、このCOLONYは、思いつくところでいうと、食器を洗った後にお皿を置くようなイメージですね。ほら、水切りカゴの中に、お皿を縦にこう並べていけるじゃないですか。ああいうイメージなんだけれども。これもね、WEBページを見てもらうと一目瞭然なんですが、デバイスを縦に並べて置けるので、収納効率が高いんですよ。まとめて置けるから。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    ポイントは、ケーブルと充電器をトレイの下に埋められるような構造にして、上のトレイが横に回転する仕組みになっている点です。ケーブルを挿す時はスライドさせて、下からケーブルを出して、カチャッと挿して充電します。そして、それを持って行く時には、またスライドさせてケーブルを仕舞っておくと、ケーブルが見えない状態で置いておけるというわけです。

    がじろう

    ふ〜ん。

    Hossy

    さっき言ったように横にスライドします。この樹脂と仕上げのおかげで、ケーブルさえ見えていなければ、これだけ置いてあると、けっこう質感がいい置物になるんですよ。ケーブルが見えず、充電器も見えず、下に埋まっているんだけれども、上にはいろいろなデバイスを充電できるものが置けて、使わないときにはしまえる。

    本当に僕もすごく欲しかったし、実際、今僕が自分で使っているNuAns製品としては、一つ目がFLIPHOLDERという、前回お話しした名刺入れ、それからFLIPTRAYも使っています。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    それから、FLIPBOX、FLIP 3兄弟も使っています。FLIPBOXはもうかなり大量に。試作の時にいろいろな生地を試したんですが、その時に作ったサンプルをたくさん持って帰って、家で靴下入れとかパンツ入れとして使っています。スタッキングができるので、それに入れて使ったりしていて。そうですね、COLONYがあると実はFOLDKEEPERってあんまりいらないんですよ。

    がじろう

    確かにちょっと発想は似てますもんね。

    Hossy

    あっちは、机の上にポンと充電するものを置いた上で、そこにケーブルが来たら繋ぎますが、COLONYがあれば、そもそもケーブルがここに固定されているから、落ちる心配がないんですよね。だから、CADDYはそういう使い方をしているし、COLONYも今でも使っています。

    がじろう

    う〜ん。

    Hossy

    これは全体の総括にも近い話なんですが、電気を通さないからテクノロジーに左右されず、ずっと使えるんですよね。たとえば、モバイルバッテリーって、正直なところ何度も充電と放電を繰り返すと使えなくなってしまうじゃないですか。スマートフォンなんかもそうですよね。何年か経つと、もう電池が持たなくなってしまう。

    もちろん、中身を交換すれば使えるようにはなりますが、さすがにモバイルバッテリーの中身のバッテリーを交換して使い続けるというのは、あまり聞いたことありませんね。

    がじろう

    そうですね。

    Hossy

    それに、充電器だって高速充電とか、テクノロジーがどんどん良くなっていくじゃないですか。その最たるものとしてNuAns NEOだって、やっぱり何年も使い続けられないんです。だけど、こっちの製品というのは、ずっと使い続けられる。

    がじろう

    確かに。

    Hossy

    通電してないから。テクノロジーが影響しないということで、長く使える製品という意味では、僕もさっき言った通りほぼすべて使っています。さっきのKEEPERシリーズは、COLONYがあるので正直いらないので使ってないんですけど、他はみんな使っています。COLONYもすごくいい製品ですね。

    がじろう

    ふ〜ん。

    デスク「BASE」の革新的な構造とアクセサリー

    Hossy

    次で最後になります。「BASE」これはですね、机なんです。プロダクトデザイナーはみんな一度は椅子を作るらしいんですよ。椅子はやっぱり、デザイン性もすごくて、かつ大きいので、フラッグシッププロダクトになりやすいのと、学校とか修業時代にだいたいみんな経験するらしいですね。

    がじろう

    単価がすごく高いですもんね。

    Hossy

    ああ、そうだね。デジタルライフはスマートフォンが中心だったと考えていて、仕事をしていく上で、じゃあ何が中心になるかと言ったら、デスクかなって。仕事をするのにデスクがない場合って、あんまりないから。

    がじろう

    まあ、そうですね。

    Hossy

    もちろんラップトップPCというだけに、膝の上でノートパソコンを開いて作業することはできなくはないけど、基本的に一時的な話で、ずっとそれでやっているという人はあまりいないよね。配線も使いづらいしね。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    だから、中心はデスクだよねという話があったので、デスクを作ろうということになったんですね。それが「BASE」という製品です。当然ながら、我々がTENTと作っていく上で、普通のデスクを作るわけはないというところがありまして。というのも、名前が「BASE」って言っているのは。

    がじろう

    基地なんですか?

    Hossy

    基地よりは基本。

    がじろう

    基本の方なんですね。

    Hossy

    なんでかというと、これは多彩なアクセサリーが用意されているデスクなんです。机だけでももちろん使えるんですが、アクセサリーをいろいろと追加することでさまざまな使い方ができる、というのがこの製品の特徴なんですね。ちょっと毎回で申し訳ないんですが、やっぱり製品ページを見ていただくのが一番分かりやすいかと思います。

    まず、基本的な机は、非常にシンプルな4本の脚と天板がある形なんですが、まずね、一つ、これ、分かる人には分かるかもしれないんですが、こういう構造の机って、実はあまりないんですよ。

    がじろう

    確かに。

    Hossy

    何がないかというと、「渡り」がないんですよ。つまり、4本の脚だけで立たせているものってほとんどなくて、基本的には脚と脚の間に棒だったり板だったりがあるんです。

    がじろう

    強度を上げるために。

    Hossy

    それがないとちゃんと立たないんです。なんですけど、これはしっかり立つ。しかも、ちゃんと耐荷重40kgまで持つという、剛性が出ているというのがポイントなんですね。これ、なんでそれができるかというと、これもね、製品を見ていただくしかないんですけれども、木の板は実はこれ1枚じゃなくて2枚なんです。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    天板の真ん中に金属が挟み込まれているんです。こうして金属で囲むことで、木だけでは出せない剛性をしっかり確保しているんですよ。

    がじろう

    なるほど。

    Hossy

    下から見ないと分からないんですけど、この脚は、この脚のサイズだけで上に留まっているわけじゃなくて、板がちゃんとあって、そこに留まっているんですよ。だから剛性が出ているんです。

    金属はもともと意味があって金属で挟んでいるんですが、それがこのアクセサリーシステムなんですね。周りにはアクセサリーがいろいろあります。まず一つ目がCUPHOLDERです。

    がじろう

    はいはい。

    Hossy

    このアクセサリーは、実はマグネットが付いていて、ガッチャンって感じでマグネットでくっつくようになっているんですよ。

    がじろう

    自分の好きなところにホルダーをつけられますね。

    Hossy

    上下方向は絶対に外れないようになっています。横方向は、斜めにやるとマグネットなので外れるような仕組みです。そのため、自分の好きなところにCUPHOLDERや、前回お話ししたケーブルを保持するケーブルホルダーのようなもの、パーティション、ドキュメントホルダーなどを、どの方向にもアクセサリーとして好きなように追加できます。

    フックであれば、写真ではヘッドホンを引っかけていますが、バッグを引っ掛けることもできます。このように、自分の好きな形に仕上げていくことができるんです。そうすると、たとえばヘッドホンを持っていた場合、机に来て「ヘッドホン、どこに置くの?」ってなりますよね。

    がじろう

    机の上にポンと置いちゃいますね。

    Hossy

    そう。上にポンって置くと、机を占有してしまうんだよね。

    がじろう

    そうですね。

    Hossy

    たとえば、コーヒーなり紅茶でも、水でもいいんですけれど、何かドリンクを飲む時は、それをデスクの上に置きますよね。本当は何か他のことに使うはずのデスクを、そのために使ってしまうわけですよね。

    がじろう

    そうですよね。

    Hossy

    あと、あたってこぼしちゃう可能性もありますよね。これ、デスクの外側にカップフォルダーがあるから、机を占有しないし、この形ならあたっても絶対にこぼれないでしょう。

    がじろう

    うん、確かに。

    Hossy

    ということで、机としてずっとちゃんと使えるようにしましょう。ドキュメントホルダーというのも、写真を見ていただかないとなかなか想像つかないと思うんですけど、デスクの横に縦方向に書類を入れられるようになっています。

    がじろう

    はいはい。

    Hossy

    そうすると、普通書類ってデスクの上に横置きで積んでいってしまうんですね。そうなるとA4だったら、A4分まずデスクを使えなくなっちゃいますね。

    がじろう

    場所を取っちゃいますね。

    Hossy

    だけどこれは、書類を机の外側の横に入れられるようにできるんです。なので、机の上を占有せずに、書類は横にある。しかもこれ、パッと開いて取り出せるようになっているので、出しやすいんです。

    さらに、一応製品ページにも書いていますが、MacBookをここに置けます。そうすると、MacBookもデスクの上に置いてディスプレイにつなぐ、といった使い方もできますが、そういう時にMacBookが邪魔になることもあるので、ここにしまっておけるんです。

    ということで、デスクの上をずっと綺麗に使える領域をキープしておけるというのが、このBASEのポイントなんですね。そして、好きな場所に好きなアクセサリーを付けられます。

    がじろう

    机の上が汚くなるのは、ものを置き始めて、それがどんどん積み上がっていくから。

    Hossy

    そうなんですよね。基本的に、先ほど言ったように、ヘッドホン、ドリンク、書類などで散らかりがちですよね。それに、ケーブルもやっぱりポロンと落ちちゃうというのもあるので、この製品のポイントは、アクセサリーを最初から好きなものをいろいろ用意してカスタマイズできることなんです。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    言葉で説明するのはなかなか難しいのですが、今までのデスクにはなかった、まったく新しい構造になっているんですよ。でも、見た目はすごくシンプル。ごちゃごちゃしていません。さっきも言ったように渡りがないので、どの方向に置いてもいいのが良い点ですね。

    がじろう

    確かに。

    Hossy

    普通は奥行きだけに渡りがあって、前後に渡りがある感じなので、人が座る場所が限られるんですよね。この方向にしか座れない。だけど、これは何もないんで自由です。

    がじろう

    ふ〜ん。

    燕三条の職人技による「完全なる日本製」

    Hossy

    それで最後に、これだけは実は日本製です。日本でしか本当に作れなくて。天板を、その金属を木で挟んでいるという話をしましたよね。そこに金属のレールがあって、アクセサリーをマグネットでつけるんですけれども、上下方向はでこぼこがあって、そこがぴったりはまることで上下にガタガタずれなくなるんです。

    ただ、この精度を出すのが中国ではできないし、やりたがらないんです。不良品が多くなってしまうので。それで「できない」となった時に、日本、新潟に金属加工の町がありまして。

    がじろう

    燕三条?

    Hossy

    そう、燕三条。そこで金属加工をやってもらって、高い精度で仕上げてできたのがこのBASEなんです。実は、机としてはこの金属部分と木の板2枚の薄い板だけで、家具屋さんじゃなくても作ろうと思えば作れるものなんですね。

    そういう経緯もあって、普通は家具を作っているところではないんですけれども、ここにお願いして金属加工をしてもらい、作り上げたのがこれで、完全なる日本製です。

    がじろう

    いいですね。日本じゃないと作れないというのは嬉しいですね。

    Hossy

    そうなんですよ。以前に「次元シリーズ」というのをやりましたが、あの時も金型の加工は日本でしかできないというお話をしましたよね。これも、日本でしか出せない精度をしっかり取らないといけない製品でして、特に、これは工業製品と言いつつも、手作業でやるところが大きいんです。

    金型で金属を作るわけではありませんからね。そこが、中国では一番やりたくない「手作業」なんです。ということで、このBASEは完全なる日本製で仕上げた製品になります。

    がじろう

    ふ〜ん。

    NuAns WORKLIFEシリーズの総括とブランドの終焉

    Hossy

    というわけで、製品のお話をしました。NuAns製品は、これまで全部そうだったのですが、このこだわりやデザインでいろいろありつつも、実はシンプルに仕上がっているというところもあって、デザイン賞はたくさんいただくことができました。

    NuAns NEOの時のように、ベスト100とかゴールドアワードまではいかなかったんですけれども、ほとんどのデザイン賞は受賞するという形で評価もいただきつつ、一番売れたのはやはり名刺入れですね。1,980円ぐらいだったので、値段も安いというのもあったんですけれども、雑貨屋さんとか。

    それと日比谷ミッドタウンがオープンする頃で、1階にレクサスのショールームがあるんですけれども、ちょっと僕、最近行ってないので、どんな感じか今は分からないんですが、そこで仕事関係の小物を売るという、なんかこう期間があって、そこに置かせていただいたんです。

    がじろう

    レクサスで売ってたんですか?

    Hossy

    そう、すごく売れたんですよ。ただ、結局「レクサスを買う人は、本当はもっとコードバンとか、すごい革素材の名刺入れで3万円ぐらいするようなものを売るべきだ」という話になってしまって。これは1,980円と安価ですし、質感はいいんですよ、すごくいいんですけどね。売れてたのに、販売終了になっちゃったんですよ。

    がじろう

    もうむしろ売れすぎちゃってイメージ変えちゃうと。

    Hossy

    そう。安いものが売れてしまうのは、彼らからすると良くないんですよね。一番苦戦したのはデスクですね。がじろうも思い返してもらえれば、人生のうちでデスクを買うのって、何回ありますか?

    がじろう

    いや、ないですよね。ほとんど。

    Hossy

    ないでしょう。社会人になったとか、結婚して新しく家に移り住んだとか、そういう時以外にちょこちょこ買うものではないじゃないですか。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    基本的にデスクというのは、一度買ったら壊れたりしない限り、なかなか買い替えようという気持ちにならないものなんですよね。ですから、デスクというのはもともとあまり売れる製品ではないんです。その上、我々は家具メーカーでもなかったので、家具を売るための流通の仕組みを知りませんでした。

    なので、今までお付き合いのあった雑貨店などに置いてもらうことにしたんですが、これもまた難しい点がありまして、デスクって大きいじゃないですか。そのため、お店のスペースを取りすぎてしまって、たくさん置いてもらうことができないんです。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    なので、展示できたのは、おそらく最初で5店舗ぐらいですかね。こういうのって、実物を見ないと買わないじゃないですか。だから、なかなか売るのは難しかったです。一番使ってたのは、トリニティの社内でしたからね。社内ではみんな使っていましたから。さすがに自分たちで作ったものを自分たちが使わないというのはあり得ないですからね。

    がじろう

    そうですよね。

    Hossy

    みんなデスクでFLIPBOXとかBASEとか、そういうものを共有しながら使っていた感じだったけどね。だからBASEは苦戦したけれども、Amazonやネットのガジェット系で売れたCOLONYマルチ充電台ですね。という形で、NuAnsのWORKLIFEシリーズというのがあって、テクノロジーはあんまりないんだけれども、さっき言ったように今でも使っているのはこのシリーズなんです。これは、何か普遍的な製品を作り上げられたのかなと思っています。

    がじろう

    これ、このPodcast番組が始まった頃に、トリニティがうまくいった要素は? みたいな質問をしていた中で、僕の印象に残っているのが、この作った人と売る人、つまり営業が一緒だから説明しきれるんだ、という話でした。営業の会議で出たことをすぐにその場で「それだったらできますよ」といった話ができるから、商談がどんどんうまくいく、と。

    その例を、今まさにずっと見せてもらったような気がしています。一つ一つの製品について、このクオリティで細かく細かくこだわりを説明できたら、それは確かにバイヤーの人も「ちょっと面白いな」ってなりますよね。

    Hossy

    そうでしょう。結局やはり、自分が大好きで、自分も使っていて、「これ、いいでしょう」というものは、伝わり方が違うよね。「自分では使ってないんですけどね」というものを言われても、「え?」ってなるじゃないですか。

    がじろう

    確かに。

    Hossy

    ということで、NuAnsのWORKLIFEシリーズ製品から話を進めてきたのですが、最終的に、この後、僕がどうしても作りたいものができてしまって、そちらにシフトしていったこともあり、NuAnsの次のシリーズを作ろうという話にはなりませんでした。結果として、NuAnsとしての新製品はここで終了となりました。

    正直にお話しすると、WORKLIFE以外にNuAnsとしてすごく作りたいシリーズがあまりなかったというのも理由の一つです。

    がじろう

    そうですよね。ちょっと僕、TENTさんにはお会いしたことがないので分からないんですけど、Hossyさんがやっぱり仕事中心の生活だったのかなって、この話を聞いていて思いました。

    Hossy

    でも、トリニティとして製品を作るには、やっぱりデジタルライフ、つまり「仕事をしている」というのがキーになるんです。とはいえ、たとえば「こういう靴が欲しいから作ろう」というのは、さすがにちょっと範疇から外れすぎています。そうなると、充電器とかバッテリーとか、通電するものは引き続きやりつつ、携帯はさすがにもう作れない、ということになりました。

    ワークライフで仕事の周りをカバーすると、他にトリニティのデジタルライフを豊かにするという範疇で、製品が一つ、二つはあったとしても、何かこうシリーズとして思いつかなかったし、ちょうど他の企画を始めてしまったので、NuAnsとしてはここで終了になってしまった、という経緯です。

    次のシリーズもNuAnsではないですけれども、デザインはTENTという形ではやっているんですけれども、いったんNuAnsというブランドはここで終了になります。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    というわけで、NuAnsはいろいろと強い思い入れがあるブランドで、長々と回を重ねてお話ししてきましたが、いったん、ここで区切りとさせてください。今までずっとブランドストーリーの話をしてきたんですが、実はまだ続きがあります。

    ただ、さすがにちょっと長くなってきたこともあり、来週は少し違う話題でお届けしたいと思っていますので、ご期待いただけると嬉しいです。

    がじろう

    それはそれでちょっと楽しみですね。

    Hossy

    というわけで、また来週もよろしくお願いします。

    がじろう

    よろしくお願いします。

    エンディング

    Hossy

    リアル経営|企業経営の成功と失敗。等身大で語る台本なき社長のリアル」

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    がじろう

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    Hossy

    ここまでの相手は、Hossyこと星川哲視と

    がじろう

    がじろうでした。

    Hossy

    それではまた来週、お耳にかかりましょう。 

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