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経営や趣味、時事などのブログ記事や、Podcastの発信を日々行なっています。ニュース登録をしていただければ、更新情報を配信していきますのでお気軽にご登録ください。(広告を配信することはありません)
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【エピソード概要】
NuAnsブランド「WORKLIFE」シリーズは、デジタルライフの中心であったスマートフォンから一転、「電気も通らない、デジタルでもない」アナログな製品群として誕生した。
仕事と生活を分断しない「ワークライフ」という考え方のもと、TENTとともに「自分たちが本当に欲しい、仕事をする上で身の回りに欲しいもの」を追求。今回は具体的な製品として「KEEPPER」シリーズと「FLIP」シリーズを紹介。
日常の小さな不便を解消する、細部にまでこだわった製品開発の秘話に迫る。
「Podcast:リアル経営」このエピソードに関するご意見・ご感想をぜひお寄せください。今後の配信の参考にさせていただきます。
リアル経営|企業経営の成功と失敗、等身大で語る台本なき社長のリアル」
この番組は、私、Hossyこと星川哲視が自らの体験をもとに、経営やその舞台裏などをリアルに語っていきます。
リアル経営は、毎週金曜日朝6時に配信しています。
おはようございます。自由人のHossyこと星川哲視です。
おはようございます。STRKのがじろうです。
前回まで、NuAns NEOの初代からNuAns NEO [Reloaded]に至るまで、かなり長い時間をかけてお話ししてきましたが、これで一区切りついたというところですね。
そうですね、はい。
さて、今回からはですね、同じくNuAnsはNuAnsなんですけれども、NuAns NEOの次に出したシリーズについてお話ししていきたいと思います。
はい、楽しみです。
それで、前回まで扱ってきたのがスマートフォンだったので、まさにテクノロジー中のテクノロジーというか。
そうですね。
デジタルライフの中心でもあり、技術的には最新中の最新のことをやってきたという自負があります。開発・発売以降はアップデートやサポート、販売などはありましたが、新規の開発はいったん終了しました。じゃあ次はどうしようというところでTENTとミーティングをし、スマホでいったんデジタルライフの中心に行き着いてしまったけど、次に何をするか、という話をしました。
はい。
デジタルライフの中心、つまり「ライフ」というところを考えた時に、普通の生活としてのライフと、我々としては「仕事もライフだよね」という捉え方で、ワークライフという、仕事を含めた生き方に少しフォーカスしてみようという話がTENTからありました。
うん。
確かにそうだな、ということでWORKLIFEシリーズを始める話になりました。
その前のスマホ自体も、「ビジネスマン用のスマホを作ろう」というところから入っていたじゃないですか。そこに関して、何か思い入れなどはありますか?
スマホを作るのは、TENTとは相談せずに決めたんですよね。始めた経緯からすると、トリニティの10周年でなにかやろうというところがあった上で、スマホの件は本田雅一さんから話が来て、じゃあやろう、となったので。そして、いろいろとこちらで下調べなどをして、いけるんじゃないかというところでTENTに話を持っていったので、TENTと一緒に企画したわけではないんですよね。
ふ〜ん。
TENTと一緒に企画したのは初代のNuAnsシリーズのときで、バッテリーとかケーブルとか照明とか、以前お話ししたと思うんですが、そこら辺は「こういうのが欲しいよね」というので一緒にやったんですよね。そのときにも話したかもしれませんが、僕としては「デジタルライフで、スマホのケースやフィルム以外で欲しいものはこれだ!」というお題が、もともとあったんです。
うん。
そこからTENTと詰めて、今回のWORKLIFEではTENTと一緒に何をやるかを考えたという意味では、最初のNuAnsシリーズ、NuAns NEOの2台とWORKLIFEは、それぞれ成り立ちが少しずつ違う、ということになりますかね。まあ、僕らとして、特に今どきの考え方と合致するのかはわからないですけど、僕はこれ、今もそう思っていますが、やっぱり仕事、ワークライフバランスとかいうじゃないですか。
はいはい。
でも、これを分けて考えてしまうから、いろいろおかしくなってしまうのかなって思っています。仕事が自分のライフにつながる天職で、このことを本当に一生かけてやりたいっていう話の時には、「ライフワーク」って言うよね。それと同じじゃないでしょうか? 順番は違うけれども、ライフワークというのは、仕事をしている生活スタイルという点では、TENTと僕でいうとこれは同じ。分離していないんです。
つまり、「仕事は仕事、プライベートはプライベート」って僕も普段思っていないし、TENTも、仕事で何かデザインするとか、自社製品を作っているけれども、自分たちが欲しいものを作っていくのが仕事になっている。でも、それは生活の一部なんです。
うん。
つまり、毎日、今回の「WORKLIFE」でいうと、仕事をする上で「こういうものがあるといいよね」というものを作るのが仕事なんですよね。そして、それは自分たちのライフでもある、という側面があるんです。根本的には「仕事をしている」というよりも、「生活の中に仕事がある」、結果としてそれが仕事になっている、という感じでしょうか。
こういうプロダクトアウト型の製品を作っていると、特に自分たちで使うものだからこそ、そういう形になりがちですね。
うん。
仕事をする上で、周りで「これが必要なのにまだない」というものがあるよね、ということで「WORKLIFE」を始めようという話になったんです。
それで、ここがちょっと面白いところなんですが、初代のNuAnsというのは、通電したりバッテリーがあったり、照明があったりしていました。そしてスマートフォンで最先端のテクノロジーを追求していたのですが、このWORKLIFEシリーズは、電気も通らないし、デジタルでもないんですよ。これから少し製品の話をしますが、電気を通さずデジタルでもない、アナログなプロダクトだったんですね。
逆に振ったんですね。
この点も面白いところではあるんですが、やはり仕事をする上で、身の回りに欲しいものは、充電器やバッテリーはあるという前提で、NuAnsで製品を作った上で、さらに欲しいものは何だろうという視点から作り始めたのが、この「WORKLIFE」というシリーズですね。
それでは、小さい製品から順番に、製品についてお話ししていこうと思います。
これ、ちなみになんですけど、このスマホが第3弾はもう無理だなって自分の中で腹落ちして、その次、これが企画上がるまでどれぐらいの時間があったんですか?
実際はNuAns NEO [Reloaded]を開発している時期と被っていて、これ、よく周りと話していても若干違和感がある時があるんだけど、スマートフォン開発をやっていたとしても、一番難しい開発をしてローンチするところが終わってる前提であれば、他のことが何もできないということはないと思うんですよね。
う〜ん。
なにか一つのことに集中すると、他のことができなくなる人っていますよね。そんなに時間をかけているのかな? と思ってしまいます。
はいはい。
余談になりますけど、NuAns NEO [Reloaded]をやっていた時も、NuAnsをやっていた時も、このWORKLIFEをやっている時であったとしても、僕は主力ブランドであるSimplismの製品は、お金を稼ぐベースの部分として普通にやっていましたし、営業活動も普通にこなした上での話なんです。
そちらをまったくやらずにこれをやっていたわけではなくて、もともとSimplismのほうは、iPhoneの新しいのが出る時には製品の導入プレゼンをしたり、店頭での展開を手がけたりというのを、並行して行なっていたんですよ。
うんうん。
気持ちとしては、スマホはスマホでやってるんだけど、スマホでの作業が全部終わってからじゃないと次に進めない、ということではなかった。
なるほど。常に並行していろいろなプロジェクトを回しているから。
そうなんですよ、個人的にはそう思っていて。周りの人と話していると、「これに手一杯で、他までは手が回らなくて」みたいな話を聞くんですけど、これ一つしかできなくて、年がら年中それしかやれないことって、そんなにあるのかな? という気はしますね。
いいですね、いいですね、めちゃくちゃいいですね。これ、聞いてて結構グサッときている人もいるんじゃないですか。「うっ!」って(笑)
製品に入る前に一つ思いついたんですが、やっぱりNuAns NEOがあった上で、着せ替えのカバーなどで使った素材がいろいろありますよね。
ありましたね。
あそこで使った素材は、このWORKLIFEシリーズにすごく影響を与えているんです。東レのウルトラスエードという素材はとても良かったので、それを使おうとか、そういう形で歴史を受け継ぎながらやっています。それと、やっぱり僕もTENTと共通の認識としてあるのが、「ケーブルは嫌だよね」ということ。ずっとそう思っているんです。これは今も変わりません。すべてがワイヤレスになる世界が一番良いと思っています。
うん。
だから充電もワイヤレスでやって欲しいし。
うん。
今は、かなりの部分がワイヤレスになってきていますが、充電はどうしてもケーブルを使いますよね。ケーブルが机の周りにぐちゃぐちゃするのが嫌で、そこで生まれたのが「TAGKEEPER」というタグ型のケーブルホルダーなんです。
はい。
これは見た目としては、NuAnsの初代のTAGPLATEに近い形で、ちょっと柔らかい樹脂を使っています。そして、そこに木のベースがくっついていて、それをぺたっとくっつけることでケーブルをホールドできるという製品なんですね。
はいはい。
やっぱり、ケーブルを落としたくないという強いこだわりがあるんですよね。
面倒くさいですよね。
そう。充電して携帯から充電ケーブルを外した時にポロッと落ちてしまう、あれを防止するために「TAGKEEPER」という製品を作りました。これは、比較的すごく難しいというほどの製品ではなかったんですけど、とにかくケーブルをどうにかしたい、というのが一つ目の動機です。そして二つ目は、ケーブルの先端すらも見せたくないというところから、この製品が生まれました。
このあたりは、Podcastではちょっと伝わりづらいかもしれませんが、ぜひ製品ページを見ていただきたいのですが「FOLDKEEPER」。今、がじろうはたぶんクリックして見ていると思いますが。
今、見てます。
WEBで見てもらえるとは思うんですが、「TAGKEEPER」は基本的に1本のケーブルを引っ掛ける製品です。それに対して「FOLDKEEPER」は3本のケーブルをホールドできて、穴に引っ掛けられて、さらにフタが閉まるようになっています。
はい。
蓋が閉まると何が良いかというと、コネクターが見えなくなるんです。WEBページで見ていただくしかないんですが、ケーブルが落ちないだけでなく、普段コネクターが見えないんですよ。これ、少し前にも話したと思うんですが、デジタルっぽさの原因の一つって、ケーブルのコネクターなんですよね。
うん。金属っぽい。
そうそう、USBとか。これをなんとか隠したいっていうのがあって、それで生まれたのがFOLDKEEPERなんです。ホールドというのは、こう、折り畳めるんですが、今までこういうのなかったと思うんですが、磁石でパチッと止めて引っ掛けられるんです。普段使ってない時はコネクターをしまって、全体としても見えなくなります。
NuAns NEOの時に、先ほど言ったように、曲がる木を使っているんですよね。やっぱり曲がる木って普通ないじゃないですか。
うん。
でも、これをNuAns NEOの時に見つけられたことによって、木が使えるようになったんですよ。これ、NuAns NEOの時のカバーと同じ素材なんですよね。
木で、曲線が描けるようにね。
曲げられる木として売っているものも一応あるにはあるんですが、実際には本当にやわらかくて曲げられるものは無いんですよ。そこでNuAns NEOの時のものを活かしました。木はやはり質感が良いんですよね。
うん。
デスクは、一部ガラスなどが使われているものもあるかもしれませんが、雰囲気のいい一般的なものは、やはり木製が多いですね。
今、僕、ホームページを見ているんですが、全製品が絵だけで、生活がどう変わるのかを表現してくれていますよね。文字だけを読むよりも、「こういう使い方をするんだ」「こう生活が変わるんだ」というのが、すごく分かりやすいですね。
ページの一番最初にイラストのあるものですよね。
そうそう、そうです。
今までダメだったのが、こうなりますよねっていうビフォーアフターを必ず入れるようにしています。
これ、めちゃめちゃ視覚的に分かりやすいですね。
うん。ちょっと僕の記憶が正しければなんだけど、このイラストは確かTENTの青木さんのお父さんが描いたんです。
へぇ、すごい。
青木さんのところはね、お父さんもデザイナーなんですよ。デザイナー親子。やっぱり、手書きのね、いい感じのイラストになっているでしょう。
そう。言語化できないですけど、センスがある感じがすごくかっこいいんですよね。
この2つで、シングルのケーブルとマルチのケーブルをどちらも落とさない。FOLDKEEPERの方は、さらに見せることもしないのがKEEPERシリーズなんですね。
はい。
小さいものだと、次は名刺入れですね。名刺でビジネスワークという点でいうと、ビジネスの場で名刺交換というのは、今でも基本的にみんなやりますよね。
やりますね。はい。
なので名刺入れを作りたい。
うん。
ということで、実はこれ「FLIP」というシリーズとして作っていまして、先ほどの「KEEPER」という2つの製品だったのに対して、今回は「FLIP」というシリーズで、「FLIPHOLDER」「FLIPTRAY」「FLIPBOX」という、一応3つの兄弟製品になっています。
それで、基本構造はかなり同じなんですよね。中身はかなり工夫してあるんですけれども、構造としてはFLIPなので、ぺろっと開けて仕舞えるようなイメージなんです。その名刺入れは「FLIPHOLDER」という名前で、今までの名刺入れとは違って、まずマグネットで留められる構造になっていて、ウルトラスエードの、すごくいい手触りの製品になっています。
うん。
これの面白いところは、名刺って、基本的にはまず会った時に自分の名刺を取り出しますよね。その時、結構普通の名刺入れだと出すのがもたつくんです。
確かに。
でも、このFLIPHOLDERは、中に微妙な傾斜がついているので、親指で一番上の自分の名刺を上にスライドさせると、名刺が一枚だけ、ぴっと飛び出てくるんです。
はいはい。
この構造が、今までなかった。
確かに。
なので、まるでマジックのようにパコッと開けてサッと出せるんですよ。
そうですね。
というのが一つ目。これはまず、出すのをスマートにしたいなというところがありました。その上で、もう一つ。名刺って名刺交換をするものなので、基本的によほどのことがない限り、相手が「名刺を切らしてしまいました」などと言わない限りは、あげるけどもらうわけですよね。
うん。
名刺をいただく時によくある、ただ名刺が入るだけのケースだと、自分の名刺と相手の名刺が混ざってしまう人がたくさんいるんですよね。
あぁそうですね。いますね。
自分のを渡そうとしたら、「あれ? これお客さんのだった」って、よく見かけるじゃないですか。ああいうの、ダサいなって思うんですよ。
はい(笑)
ダサいですし、場合によっては、ヨドバシカメラの名刺をビックカメラで出しちゃうみたいなことがあると、「こいつヨドバシに行って来たんじゃん」みたいになる可能性もあるわけじゃないですか。ライバルメーカーの名刺がポロッと出てきちゃったりするとね。
はい。
そういった点も含めて、やはり自分の名刺をまず先ほどのように出せるのが重要です。この名刺は必ず自分のものしか出ませんし、一番上に自分のが見えているので、その上で受け取った名刺は実は内側に入るようになっているんですよ。
ほう、なるほど。
これもPodcastではなかなか伝えにくいのですが、2段構造になっているんですよ。傾斜をつけている部分が、上に上がるようになっていて、その下側にもらった名刺をしまえるんです。なので、常に自分の名刺は手前側からスマートに出せて、もらったものは下にしまうので、絶対に混ざることはありません。
うん。
しかも、これはクルッとFLIPで一回転して、裏側まで折り畳んでマグネットで止まるようになっているので、名刺台として置いておくこともできるんです。
へー、そうなんですね。普通は名刺の上にポンと乗せておくところを、もう立てかけておくんですね。
そうなんです。だから、展示会とかではすごく役に立つんですよ。というのも、名刺入れって本当に昔からある製品じゃないですか。だけど、この名刺入れには、使い勝手を含めてこんなにいろいろな工夫があるんです。この東レのウルトラスエードは、NuAns NEOで使ったのと同じ素材で、汚れに強く、水をはじくという特性があります。
しかも、手触りがとても良い名刺入れになっています。
う〜ん。
これは正直すごく売れました。
そうなんですね。
全部終わってから販売の話もしますけど、これは本当にすごく売れましたね。
これを聞いた瞬間、「こういうのは僕では絶対開発できないな」って思いました。
ほう。
いや、たぶんそこに「面倒くさい」とか、そういう意識があるんですよね。美しくないというか、そこへの感度がなくて、自分が「こんなもんかな」で済ませてしまっているから。僕は一生たどり着けないですね。
(笑) 欲しいものが違うというのは、あるよね。でも、がじろうも何かこだわりがあるとは思うんだよね。この分野じゃないかもしれないけど。
いや、それでいうと、農業でも僕はメンタルが強すぎて、めちゃくちゃ面倒くさいことをずっとやれちゃうんですよ。3年とか5年経ってから、「いや、これ変えたらいいやん」みたいになっちゃうことがあるんです。
それ、だめだ(笑)
だから、こういう発明みたいなものって、やっぱりすごいなと思うんですよ。
じゃあ、がじろうはデスクの上で充電してて、ケーブルを抜いて出かける時にケーブルが落ちても拾えばいい、っていう感じですか?
そうですね。というか、そもそもデスクがない。
デスクじゃなくても、寝る時に充電しようと、ベッドサイドのちょっとしたところに置いたりするじゃないですか。でも、朝、出かける時に「じゃあ行こう」ってケーブルから抜くと、そのまま手を離したらケーブルが落ちてしまいますよね。
落ちます。
拾えばいい?
いや、拾えばいいとは思ってないんです。まぁ、拾ってはいるんですけど、言われて初めて「ああ、なるほど、確かに便利だな」ってなるんですよ。
はい、でも「便利だ」って感じてもらえれば、それでいいんです。「いらないでしょ」って思われるよりは、「こういうことで便利ならいいね」ってなってもらいたいですね。
そうそう。だから、自分がこれを使うかどうかじゃなくて、開発できるかという視点で見たときに、絶対たどり着かないだろうなっていう。
なるほど。それで、3兄弟の中でこれが一番小さいものなんですけれども、次は「FLIPTRAY」ですね。
うん。
実は、この3兄弟の真ん中であるFLIPTRAYが、始まりの製品なんですよ。ここから派生していったんです。これは、青木さんがもともと「絶対やりたい」と言っていた製品なんです。
ふんふん。
なぜかというと、青木さんが昔から設計自体はしていたんですが、それをちゃんと製品化できていなかったのが、まさにこの製品なんですよ。
へぇ。
これってやはり、基本的には金型をしっかり作って設計する製品でもあるんですよね。そう考えると、自社で作るには結構難しかったりする部分があるんじゃないかと思うんですが。
うん。
構想は前々からあったし、試作まではしていたんですが、結局、製品化まではできていなかったんですよね。それで、この話をしていて、どうしてもこれを実現したいという思いがあってたどり着いたんですが、ペンのトレイなんです。簡単に言えばペンケース。まず、ペンケースというものをもう一度見直そうというところから始まりました。
実はね、もともと僕にはそんなに響いてなかったんですよ。なぜかというと、僕はペンを使わないから。
タイピングが多いからですか?
そうですね。僕は基本的に手書きはしないですし、紙に書くと結局後で入力し直すことになってしまうので。
今だったら、AIが、絵を描いたらそれをデジタル化してくれますし、テキストを書いたらデジタル化してくれるので、多少書いてもいいのかもしれないですけど、そもそも僕はそんなに書くことが好きだったわけでもないですから、いずれにせよ、僕は最初、そんなに興味を惹かれてはいなかったんですよ。
うん。
これのいいところは、ペントレイなのに、固いところなんですよ。世の中の文房具屋とかで売っているペンケースって、ほとんど布製ですよね。
はいはい、ジッパーで開くみたいなの。
そうそう。
小学校の時はみんなハードケースですけどね、ごっつい。
あ〜、そうそう。缶みたいなやつね。
はい。
今はほとんどないですね。だけど、実際はそのハードなケースのほうが、たとえばバックパックとかにガバッと入れた時も、ペンがぐしゃぐしゃと押されたりしないので、中のペンを守れるんです。まずハードであること。それと、開け閉めが簡単にできる。チャック型の嫌なところって、開け閉めがちょっと面倒くさいんですよね。
うん。
かつ、出し入れもちょっと面倒くさいんですよ。なぜかというと、マチ部分があってそこに引っかかるからです。これは名刺入れとまったく同じ構造なので、パコッとFLIPを開ければ開くし、マグネットでパコッと止まるようになっています。なので、開け閉めが非常に楽なんです。
うん。
そのうえ、さっきの名刺入れと同じようにペントレイとしても使える。
ふんふん。
つまりペンケースって、たくさん入れられれば入れられるほど、自分の好きなペンを出すのが面倒くさくなるんですよね。
なるほど。
たとえば、今回は「赤いペンを使おう」となった時に、赤も黒も青も、ボールペンもシャーペンも入っていたら、ごちゃごちゃと探すことになりますよね。
うん。
だけど、これはペントレイとして、全部のペンが見えた状態で置いておくことができるんです。
はいはい。
ペントレイという製品は、文房具の世界では一般的にあるのですが、持ち運びできるものは、僕が知る限り、ほとんどありません。
はいはい。
今はリモートワークやテレワークで、コワーキングスペースに行ったり、オフィスに行ったりと、場所にとらわれずに働く機会が増えていますよね。そういう時にペンを持って行けて、さらに現場でペントレイとしても使える、今までにないペンケース兼ペントレイを青木さんは作りたかった、ということなんですね。
この構造自体は、もともと青木さんが「QULPACA」という製品として作っていたのです。TENTのウェブサイトを見てもらうと、結構古いんですが、昔の仕事のポートフォリオみたいなところに「QULPACA」が紹介されています。それを見ると、このFLIPTRAYやFLIPHOLDER、先ほどの名刺入れと、かなり近いものがあることがわかると思います。
かなり近いですね。
さっきの名刺入れの、出す時の気持ち良さとか、裏側に名刺を入れるっていうのは僕のアイデアなんです。なので、この時にはそれはまだないんですけど、これをベースに僕が「もっとこうしたい」っていうのを付けてくれたり、QULPACAから変わったところとして、ペントレイもApple Pencilが入るようになっています。
ふ〜ん。
少しデジタル感を出すために、iPadのApple Pencilがしっかり入るサイズに設計してあるんですよ。あと、このQULPACAの時にはなかったんですが、紙を留めるクリップ、あるでしょう?
はい、書類を。
そう、書類を留めるクリップを置ける場所があって。実際このQULPACAだとただの箱なんだけど、実際のFLIPTRAYは頭の方にへこみが作られていて、そのへこみがあることで実はペンを取り出しやすくなるんですよ。全面的に平らなものよりも、少しへこんでいると、ペン自体は真っ直ぐなので空間ができて出しやすいんですよね。
それで、そういう工夫をしてもらって、なおかつそこにクリップが置けるようになっています。でも、そこにへこみがあるからといってクリップを入れてしまうと、閉めてバッグなりバックパックなりに入れて持ち運んだときに、中でクリップが暴れちゃうんです。
確かに。
そのため、クリップを入れるポケット部分にはマグネットが内蔵されていて、クリップが暴れないように、という感じでさまざまな工夫のエッセンスを一緒に出し合いながら作っていきました。ベースはQULPACAだったのですが、残念ながらこちらは製品化には至りませんでした。
そうですよね。これか紙か何かで作られていたんですよね。
プロトタイプっていう形でね。
そういう意味では、これはTENTさんにとってもすごくいい仕事ですよね。形にならなかったものを、ちゃんと形にしてくれるわけですから。
これはね、もう青木さんの執念が実ったんですよ。青木さんは本当にそういうところ、すごい人なので、今回はちょっと話がそれるので詳しく触れませんが、似たような形で過去に「こういうのを作りたい」と言っていたけれども、できなかったりしたのを何とかしようとされたんです。
結構前ですけどね。初代のNuAnsの時も、一番最初にね、売り込みしてきたのを断られたものを、最終的に我々とやる時に製品化したという経緯もあって、青木さんの執念が実ったFLIPHOLDERの名刺カードホルダーとペンケース兼ペントレイという今までにないコンセプトのものです。
それから、一応ね、3兄弟の一番大きいものとして、「大きいものを収納したいときもあるよね」ということで作ったのが「FLIPBOX」です。本当に普通のシンプルな箱なんですけれども、パコっと開けて中にしまって、マグネットで止まるようになっています。非常にシンプルな見た目で、質感がいいんだけれども、便利な製品なんですね。
これの一番いいポイントは製品のページを見るしかないんですけれども、ちょっとPodcastに向いてなくて申し訳ないんですけれども、一つ目は、まず前面の蓋を片手で開けられるんですよ。
うん。
これ、WEBページを見てもらうと、上から少し開いている写真があると思うんですけど、それを見るとRが付いているプラスチックが縦になっているのがポイントなんです。真上から蓋が付いているものはまっすぐで、その裏側が傾斜付いているから、手で触ると開いているんですよね。隙間があって。左右の端っこだけ。
うん。
そうすることで指が引っかかり、すぐに開きます。手から離すとマグネットで自然に止まるようになっているんです。なので、開け閉めが片手だけでできる、というのがまず一つ目の大きなポイントですね。
うん。
これによって、今までよくある無印良品などの紙製とか木製とかでも大きめのものを入れる箱って、基本的には上から蓋を閉めるものばかりなんですよ。上から蓋をするタイプだと、開ける時に基本的に片手では開かないんですよね。
そうですね。
大きなサイズのものだと。
うん。
そうすると、両手で開けることになりますよね。面倒くさいですよね。これは、右手で開けたら左手でしまえるし、左手で開けたら右手でしまえるんです。
なるほど。
しまう時も、片手で開けて物を入れたら、手を離すだけで蓋が閉まるんです。
うん。
ちょっと音もね、いい感じの音というか、ポコンというね、いい音がするんですよ。車でも、ほら、高級車はドアを閉める音がすごくいいとかいうじゃないですか。そんな感じでこの音は結構いいんです。それで、スタックができるんですよ。
ふんふん。
つまり、この製品は2個や3個重ねて使えるのが特徴です。一般的な箱だと、重ねてしまうと上から開けられなくなってしまう。上の箱をどかして蓋を開けて、物を入れたり取り出したりしないといけないですよね。でも、これは下は下だけで開くし、上は上だけで開くんです。ただの収納ボックスに見えるけど、すごく使い勝手を考えられた製品がこの「FLIPBOX」なんですね。
がじろうにはなかなか分かってもらえないかもしれないけどね(笑)
いやいや、僕これ話を聞きながらずっと思っていたのが、一つ一つがすごいこだわりと、気づきがあるじゃないですか。だけど、一番主力としているところはSimplismで、なるべくシンプルにして、価格帯もすごく手に取りやすい価格にするみたいなのがあるんで、ちょっと何か両極端じゃないですか。
はい。
すごいそれバランス感覚ないと無理だなって。何か職人気質で、こっちばっかりしか作らずに、その大きなビジネスにならなかったりっていうところを、なんか両極端でやってるなって思いながら聞いていたんですよね。
そうね、でも見た目としてはシンプルでしょう。
確かに。
一切ゴテゴテしてないですし、コストもそんなに高くないんですよ。もちろんこだわりは詰め込んでいるんですけど、だからといって高いわけでもない。もちろん、紙の収納ボックスなどと比べれば高いですけど、シンプルでそんなに高くないのに、いろいろなこだわりが詰まっている、というのがポイントです。というわけで、FLIP3兄弟までで今回でわりと時間がきてしまいました。
はい(笑)
冒頭で時間がかかってしまったのはしょうがないんですが、毎回言っていることですが、ただの四角い箱の収納ボックスを作ったわけではありません。名刺入れも、いかにスマートに取り出せるか、きちんとしまえるか、そういった細部にこだわっています。それは、小さいものであっても大きいものであっても同じです。
携帯の時ももちろん細部にこだわって作りましたし、今回もそうなので、これを言いたいというのは、ご理解いただけるかと思います。
そうですよね。
はい。なのですいません、WORKLIFEの製品すべてを語れずに、いったんここで区切らせていただきます。次回こそは残りの製品すべてについてお話ししますので、今回は区切りとして次回に持ち越したいと思います。ちなみに、今、小さい製品からお話ししてきたので、次回からはもっとこだわりのある製品についてお話しできると思います。
濃い話ですね。
製品としては残り3つですね。ということで今回も一回で終わらずいろいろ話すことがありましたが、また来週も是非聞いていただければと思います。それでは来週またお耳にかかりましょう。
よろしくお願いいたします。
リアル経営|企業経営の成功と失敗。等身大で語る台本なき社長のリアル」
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ここまでの相手は、Hossyこと星川哲視と
がじろうでした。
それではまた来週、お耳にかかりましょう。
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