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経営や趣味、時事などのブログ記事や、Podcastの発信を日々行なっています。ニュース登録をしていただければ、更新情報を配信していきますのでお気軽にご登録ください。(広告を配信することはありません)
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【エピソード概要】
NuAns NEO [Reloaded]ではAndroid搭載スマートフォンとして、どうしても成し遂げたかった「おサイフケータイ」機能を搭載するまでのヒストリーを語る。
開発期間を大幅に短縮するため、さまざまな企業と異例のスピードで連携。Suicaの自動改札に対応するための厳しい技術検証や、海を越えた製造パートナーとのリアルな苦労が描かれる。
最終的にキャリアから販売されていないSIMフリーの端末として、史上初のおサイフケータイ搭載スマートフォンとなった。
「Podcast:リアル経営」このエピソードに関するご意見・ご感想をぜひお寄せください。今後の配信の参考にさせていただきます。
リアル経営|企業経営の成功と失敗、等身大で語る台本なき社長のリアル」
この番組は、私、Hossyこと星川哲視が自らの体験をもとに、経営やその舞台裏などをリアルに語っていきます。
リアル経営は、毎週金曜日朝6時に配信しています。
おはようございます。自由人のHossyこと星川哲視です。
おはようございます。STRKのがじろうです。
はい。毎回、同じような話をしてますけれども。前回は始まりの始まりで、いきなりつまずいて、Googleへのちょっとした恨みを語るというところで第1回が終わってしまった感じでしたけれども、みなさんご機嫌いかがでしょうか(笑)
みなさんは、たぶんご機嫌いいと思います(笑)
いいですか? 「そんな話聞きたくないよ」みたいなことがあるんじゃないかな、というのがあるんで。
結構面白かったと思いますよ。そこでつまずくんだって、みんな気づかないでしょうし。言われてみたら、そうだよなと思いますし。
まあ、これは世間ではあまり語られないことですよね。話していいのかな、と思いつつも話しているのですが。
ということで、Googleのサービスが使えると途中で分かり、「じゃあ大丈夫だね」という話になりました。AndroidのOS自体はもともと導入してスマートフォンを作るというのは進行していたので、今日はおサイフケータイについてです。
はい。
冒頭でもお話ししましたが、ハードウェアは見た目に大きな変化はありません。しかし、中身は一から再設計しているので、まったく異なるものになっています。また、ソフトウェアはAndroidに変更されました。その中でどうしても実現したかったのが、このおサイフケータイと指紋認証です。
うん。
指紋認証はハードウェアとソフトウェアの両方が関わってきますが、やはり一番大きいのはおサイフケータイかな、というところで、今日はおサイフケータイの話をしたいと思います。
はい。
最近は、おサイフケータイってそんなに言ってないのかな? どうなんだろう?
いや、言葉ではないかもしれないですね。
実はこれ、おサイフケータイというのはNTTドコモの商標なんですよ。
はいはい。
おサイフケータイの話なんですけど、後で出てくる発表会の時、僕の記憶が正しければ、ギリギリNTTドコモとのライセンス契約が終わっていなくて、「おサイフケータイ」って言っちゃいけないみたいな状況だったんです。それで、「電子マネーが使えます」みたいな言い方に、ふんわりとした形に変えたんです。
今、コンビニの支払い方法とか見ると電子マネーって言ってるんで、そっちがメジャーになっているかもしれないですね。
そうそう。おサイフケータイ自体は総称なんですよね。おサイフケータイ自体は、モバイルSuica、iD、QUICPay、Edy、nanacoといった主要な電子マネーを包括するシステムだったんですよ。いずれにせよ、僕はこういう電子マネーを使いたかったし、Androidになるならできるだろう、と思って、絶対に入れたいと思いました。
この技術自体は、日本のソニーの子会社であるフェリカネットワークス株式会社が持っているんです。なので、まずここに一度連絡するわけですね。
そこは普通に返信がきたんですね。
そうそう、経緯は忘れてしまったけれど、Webからだったかな? いずれにせよ、日本の会社で、さまざまな端末におサイフケータイを導入する方が、もちろん普及率は高まるのでいいわけで、むしろフェリカネットワークスの方々にすごくお世話になって実現できた形なんですよ。
ふんふん。
おサイフケータイに関しては、まず最初のハードルがありました。僕はWindows 10 Mobileの初代から[Reloaded]に移行する際、Androidで再チャレンジしようと考えていたんです。そこからいろいろと調べて、こういうのにしようと決めたのですが、以前のWindows 10 Mobileは半年くらいでできていたんですよね。
はいはい。
1年以内には絶対出そうと思ってたんですよ。なんですけど、「おサイフケータイ」って難しいイメージがあるでしょう? だって電子マネーとか、お金に関わることだから、すごく難しいんじゃないか、というのがあって。それで、「どれくらい普通かかるんですか?」と聞いたんですね。そうしたら「早くて18ヶ月」って言われてしまって。
うわぁ。へぇ、早くて。
1年半ぐらいですね。僕らは初めて作るから、もうちょっとかかるかもしれません。「これはやばいな」と。そういうタイムフレームで作っているんだと。作ったことがある会社は、前の踏襲でいろいろいけるし楽なんだけれども、新しく作るというのは非常に難しい、ということで18ヶ月って言われたんですよね。
ふ〜ん。
それで、実際はそのおサイフケータイを実現するためには、フェリカネットワークスとのライセンス契約をして、NFC(近距離無線通信)のチップはソニー製とサムスン製のどちらかを選んで、ソフトウェアがあって、それは富士ソフトというですね、大手の会社があるんですけれども、そこがソフトウェアを提供してくれるんですよ。
ふ〜ん。
最初のキックオフミーティングがあり、フェリカネットワークスの方々に非常にサポートしていただきました。富士ソフトを紹介してもらい、チップはソニー製を使おうということになり、ソニーの方も紹介してもらいました。こうして、僕らを含めた4社でキックオフミーティングのような形で会議を行ったんです。
その場でFeliCaの方々が、この会社はWindows 10 Mobileの面白い端末を作っている、といったことを紹介してくれました。この時、18ヶ月という話がまた出たのですが、よくよく考えてみると、ハードウェアのチップに関しては、僕らの台数が少ないため、そこまで時間はかからないんです。
たとえば100万台規模だと、向こうも生産スケジュールなどいろいろあるのですが、初回に1万台や2万台を作る際には、そこまで関係ないというか、大した量ではないので、ハードウェアは大丈夫、そんなにかからないですよ、という話でした。
はいはい。
もう一つ聞いてみると、富士ソフトも元々ソフトウェアを持っています。当社のケースに限らず、おサイフケータイを手がけるメーカーに供給しているので、元々あったものです。
パッケージみたいなのが。
そうなんですよね。それで、「何に時間がかかるんですか?」と尋ねたら、一つはテストや実装といった部分にかかるとのことでした。もう一つは、契約書を交わすためにNDA(秘密保持契約)を結び、その後契約書を締結するまでに、およそ6ヶ月かかるそうです。
ふ〜ん。
開発していないんですよ、それ。たとえばソニーやシャープがNDAを結ぶ時、大手と大手のNDAって結構大変なんですよ。
お互い譲らない部分が。
お互い譲らないし、さまざまなハンコラリー的なものがあるから、話が進まないんですよ。そこで、「いや、僕のところにきたNDAをその日に返しますよ」と。
はははっ。
そっちの決めた文言で、そのまますぐやります、と。
さすがっ。
なので、その3社に対しては、一発でいきましょう。こちらから一切文言の変更をお願いすることはないので。
はい。
とはいえ、1日では終わらなかったけどね。でも、3週間くらいで終わったんじゃないかな。契約書も、こちらは一切文句言いません、と。
はい。
すぐサインしますって。それでも結局は2、3週間かかってしまいました。とはいえ、半年と言われていたのが1ヶ月ちょっとに短縮されたんです。
ここは本当に僕も少し驚いたのですが、今回作ってくれた中国のODMはすごく若い会社で、Androidのスマートフォンもいろいろ作っていました。いわゆるIoTのようなものや、センサーとネットが繋がっていて、何ができるか、といったものをAndroidで動かすようなものを作ったりと、かなり柔軟にシステムを作るような会社だったので。それで、おサイフケータイをどうしても入れたいと。
うん。
仕様はこれで、このソフトウェアを使うから、そこに入れてほしいという話をしました。こういうのは、中国の工場などが一番嫌がりますよね。
はいはい。
普段使わないような、他の人が作ったソフトをいきなり見て実装し、しかもお金に関わることでセキュリティを担保しなければならない、というのは本当に嫌がることなんです。しかし、技術者たちがすごく良いノリで面白がってくれて、なんだかんだで、すごい短い間に作ってくれました。実際、開発はたぶん2ヶ月以内にはできるようになったんですよね。
じゃあ最短で18ヶ月、下手すると2年ぐらいかかるって言われたのが2ヶ月ですか。
先ほどお話ししたのは、契約書作成期間も含めて18ヶ月という話です。その18ヶ月のうち6ヶ月はペーパーワークでしたが、そこを短縮しました。そして開発期間も短くして、ソフトウェアとして完成させました。起動して利用できるようになりました。
今度は特におサイフケータイの中でもSuicaですね。Suicaは他のものとはレベルが少し違うんですよ。なぜかというと、Suicaには自動改札があるからなんですよね。
スピードが速いとか。
そう。そういうこと。
確かにSuicaだけ、反応がめっちゃ感度いいですよね。
そうそう、結局自動改札に入って。たとえば、iDやQUICPay、Edyくらいのスピードって、コンビニで支払うときに「タッチしてください」と言われて1、2秒して「ピロンピロン」とか「QUICPay」とか言うじゃないですか。だいたい1、2秒かかっているんですよね。
そうですね。
あれだと自動改札で絶対に立ち止まらないと進めないですよね。そうすると、たとえば新宿駅とかで朝の通勤時に大渋滞になるでしょうね。
うん。
だからSuicaには、決められたスピードで反応し、これぐらいの位置からこういうことができないといけないという検定があるんだよね。FeliCaの検定と言っているけれど、基本はそのSuicaの検定です。Suica以外は遅くてもいいから、Suicaさえクリアすればいいんだよね。
うん。
それで、Suicaの場合はiPhoneでもそうですが、エクスプレスモードにするとアプリを起動しなくてもそのまま使えますよね。他の場合はiDで支払うことをユーザーが明示的に指定しますが、Suicaだけはそのまま「ピッ」と乗れるので、一番簡単にできてスピードも速いのが特徴です。
うん。
それで、ここでまた大きな壁に当たるわけですよ。
うん。
結局、ハードウェア側の話になってしまうんですが、ソフトとも多少関係する内容として、「どうやって検証するのか?」という点があります。中国側には、ソフトウェアがこういう仕様でなければならないとか、ハードウェアとしてこうでなければならないという仕様書があり、それを伝えています。しかし、開発段階なので。
自動改札を向こうに持って行くわけにもいかないですよね。
そうです。それで、「他の会社はどうしてるんですか?」と聞いたら、「自動改札を買っている」って。
買ってる…
500万円くらいかかるんだよね、JRから買うと。でも、買えないでしょうみたいな。
そうっすね。
というので、まずここでいきなり「自動改札機買うんですか!」って。
(笑) そうですね。
そうなんです。それで、携帯の話の時にも少しお話ししたのですが、ラボ(テストセンター)が確か木更津にあったんです。実は、僕は結局一度も行ったことがなくて、永山さんしか行っていないんですが、現場には改札機のようなものがあって、そこで試すことができます。
そこまで通えば。
1時間5万円か6万円を払って使わせてもらうんですよね。いや、それでもね、確か何かで普通に借りると1時間20万、30万円するところを安くしてもらったんですよ。
IoTといって、さっき少し触れたIoTはInternet of Thingsの略で、インターネットに繋がるハードウェアのようなものを指します。携帯電話におけるIOTでいうと、日本語で「相互接続性試験」というInter Operability Testingがあって、それは基地局と自分の端末が、ドコモならドコモ、auならauの規格や仕様に完全に則って正しく通信できるか、という試験があるんです。
うん。
それで、auはそれを取る話をしていて、それで、auの方で何かそこでやればいいみたいなので、ちょっと特別に安くしてもらえたんじゃなかったかなと思いますね。とはいえ、結構値段はするんだけれども。
話ちょっと変わりますけど、Hossyさん、そんなに物欲ないじゃないですか。車とか時計とか。何か今のHossyさんだったら、玄関に改札を置いとくのはシュールなんじゃないですか。
いらないでしょ、絶対いらないし。
(笑) いるか、いらないかではなくて、シュールかシュールじゃないかでいくと?
シュールかシュールじゃないかでいくと、シュールだけどね(笑)
いやぁ、すごいっすね。本当に。
ハードウェアとしても、先ほどお話したように素早く確実に処理できなければならないため、ハードルがかなり高いんですよ。
ふ〜ん。素材の制限とかが。
そうそう。それで、初代NuAns NEOの時も少しお話ししましたが、NuAns NEOは基本的にカバーや素材がプラスチック樹脂だったので、金属がないと割とやりやすかったんです。そのため、ハードウェアの試験も普通はすごく時間がかかると言われていたんですけれども、確か2回くらいで通ったんですよね。
う〜ん。
これも奇跡的にうまくいったことなんです。永山さんには苦労をかけてしまいましたが。あの、自動改札でピッてタッチすると反応する部分があるじゃないですか。
うん。
あそこにどれくらい近づいたらどういう反応をするかを決めるのに、1ミリごとの板があって。その板を何十枚も重ねて、その上に携帯を置くんです。そうすると、板を1枚抜くごとに1ミリ近づくわけじゃないですか。
はい。
それで、また1枚抜くと1ミリ近づく。そういうので何ミリのところでどういう反応をするか、というのをやっているのですが、自動でやるタイプと、板を1枚ずつ抜いていくパターンとがあります。抜いた後またはめて離したらどうなる、というのもありますね。それで、自動でやるやつは、すごく高かったんです。
なんか、吊り下げるような感じですか?
そうそう、自動の電動アームが1ミリずつ動かしてくれるんですよ。すごく高かったんです。結局、板を1枚1枚やるような感じで、なかなか難しいと言われていたんですが、結果的に、先ほど話したように契約は劇的に短縮され、開発も短期間で済みました。そして最終のFeliCa試験も、確か2回くらいでパスしたんですよね。ということで、開発とソフトウェア、そしてハードウェアは、かなり思った以上にうまくいきました。
ふ〜ん。
もともと、これにはすごく大きなハードルがありました。最終的に我々がこのNuAns NEO[Reloaded]を発売した時、これも僕調べで恐縮なのですが、僕が知る限り、当時もこのことを言っていたのに誰にも突っ込まれなかったため正しいと思っているのですが、キャリアから販売されていないSIMフリーの端末で、おサイフケータイに対応したスマートフォンというのは、我々が史上初なんです。
それだけ大変だからみんなやらないってことですね。
そう、一つですね、これは僕らの功績とは関係なく、基本的に昔って携帯は絶対キャリアから販売しているものを買っていたと思うんですよね。
そうですね。
途中から、たとえばAppleもSIMフリーの販売を始めたり、他のメーカーもキャリアでは売ってないけれどもメーカーが独自に販売する、という形が出てきましたが、僕らの時代はまだSIMフリーがそこまで多くありませんでした。僕らは逆にキャリアで扱ってもらえなかったため、SIMフリーの市場に出しました。
少し調べてみたのですが、やはりおサイフケータイに対応しているのは、富士通やシャープ、ソニーといったメーカーと、Appleの場合はおサイフケータイとは言わず、電子マネー、モバイルSuicaといった言い方をしていましたが、Appleはキャリアからも販売していたので対応していました。
たとえば当時出てきていたHuaweiやASUSの端末では、おサイフケータイには対応していなかったんです。
ふんふん。
モトローラとか。ですので、僕らが史上初のSIMフリーでのおサイフケータイ対応だったんです。
すごい。
たぶん中国メーカーは、おサイフケータイのコストに対する見返りをよく理解していなかったため、導入していなかったのだと思います。
そうですよね。
僕はどうしてもやりたかったので、さまざまなハードルはあったものの、やろうという話になったんですよね。
一番最初のところで、2年くらいかかるかもしれないって聞いた瞬間に、どういう内訳で2年なのかを質問する前に、心折れちゃう人も結構いそうですよね。
そうだよね。普通に考えたら、もう無理だってなってしまうものね。
だって高校野球でたとえるなら、高校野球は2年半しかないので、夏の大会前にやっとユニフォームがすべてそろいました、というようなものです。そこからやっとスタート、という話ですよね(笑)
そのたとえは、僕にはなかなかすぐに入ってこないけどね(笑)
もともと、他のメーカーがなぜおサイフケータイを導入できなかったかというと、ドコモやau、ソフトバンクといったキャリアのサーバーで管理されていたからなんです。
はいはい。
たとえば、電子マネーって機種変更の時に次の端末に移せますよね。物理的にケーブルをつないでデータを移しているわけではなくて、クラウドから認証して持ってくる。これを以前はキャリアのサーバーを使って行なっていたんです。だからキャリアから販売されていないものは、それが使えないのでおサイフケータイができませんでした。
そこのハードルもあったんですね。互換性がないから。
そうそう。それで、僕らがたまたま「やりたい」となったとき、実はこれからSIMフリー時代になって、SIMフリーだとそれができないから、みんなおサイフケータイは無理だと思ってしまうわけですね。先ほど言ったように、Huaweiでも最初は対応していませんでした。
だけど、フェリカネットワークスとしてはおサイフケータイというか、電子マネーを普及させたいという思いがあるから、これからSIMフリー時代になっていく可能性がある中で、おサイフケータイが使えないと困るだろう、というので、キャリアのサーバーを使わないでできる仕組みをフェリカネットワークスがちょうど作ったところだったんです。
じゃあ僕らも、キャリアから販売はできないけれども、SIMフリーでもおサイフケータイが載せられるという話になった、という経緯です。
タイミングも、すごく良かった。
そう! そういうことなんですよ。
しかも、Hossyさんが奇跡的に2回で終わった試験が、素材的に2回ですぐいけたみたいで。
はいはい。
これがダメってなったら、素材のもうすべてのハードの設計からすべてやり直しですよね。
さすがにそこまではいかず、出力や多少のアンテナ設計のやり直しでできるとは思っていました。
ちなみに裏話をいくつかお話しすると、iPhoneは本当にAppleが他のメーカーと違い特別扱いされていて、「Suicaが使えるようになります」という話も、Appleにとっても日本という独自市場に対してオリジナルで対応したため、Appleでもかなり大きな話だったようです。
うん。
それで、おサイフケータイって基本的にライセンス契約するときに、NFCという微弱な電波を扱うものを使うんです。それで、ここをタッチしたら反応しますよ、という場所を示すFeliCaマークというものがFeliCaによって作られていて、それを付けないとダメ、というのがルールだったんですよ。
ほうほう。
NFCは微弱なため、スマートフォンの上、下、あるいは背中など、位置がずれるとうまく動作しません。iPhoneの場合も、基本的には上部、つまり一番上にNFCのアンテナがあるのですが、人によっては本体の真ん中をリーダーにべたっとつけるように置いてしまうことがあります。
本当は上部を置くのが正しい使い方です。今は技術的に多少変わったのか、比較的どこでも反応するようになっていますが、当時はこのマークを必ずNFCアンテナの中心に合わせて置いてくださいとされていました。Androidって使ってたことある?
いや、ないですね。
ないと分からないんだけど、必ず付いています。ソニーだろうが富士通だろうが、シャープだろうが、みんなおサイフケータイが付いているんです。携帯はどこをタッチしたら良いか、というのが決まっていました。
それこそ本当にさっきのSuicaの話で、そこを間違えて自動改札で開かないみたいになると大問題だから。という話が前フリとしてあって。ただAppleは当然FeliCaマークが付いてないですよ。
そうですね。
それで僕らも「Appleは付いてないですよね」と。「これは僕らも付けなくていいんじゃないですか」と話をして、「絶対ダメです」って言われて。
Appleと一緒と思うなよと(笑)
それで、NuAns NEOは以前からお伝えしている通り、カバーを着せ替えられるじゃないですか。カバーを変える際に、カバーにFeliCaマークが付いていないと難しくなりますよね。FeliCaマークの位置は本体のほぼ真ん中だったんですよ。
たとえば、レザーのカバーにFeliCaマークを一つ一つ刻印するのか? という話になるので、「これはケースですから」という理由で「本体に書けばいいでしょう」ということに。本体に書くのですが、NuAns NEOはカバーが別売りなので、本体だけ買ったときにカバーがないというのは、少し良くないのではないかという考えから、上下に分かれていない一体型の半透明ケースを初期設定で付けていたんです。
うん。
みんなそれぞれ好きなケースを付けるので、最終的には付属のケースは不要になりますが、最初は付いているんです。それが半透明で、FeliCaマークが少し見えるんですよ。
ふんふん。
それで、「これでいいんじゃないですか?」といった感じで強引に進めて、NuAns NEOは外側にはFeliCaマークがないんですよ。開くとあるんですけどね。というわけで、これもかなり例外的にやってもらいました。
SIMフリーでも広げていきたいってのもあったから。
向こうの人も「正式には聞かないでください」という感じでしたね。世の中には、正式に聞くと良くないことというのがいろいろあります。「それはちょっと聞かなかったことにしたいです」といったようなことがね。それで、デビューしたときはおサイフケータイと言えなかったんだけれど、さまざまなハードルを乗り越えて実現しました。
先ほど言ったようにおサイフケータイは、SuicaとかEdyとか電子マネーの会社が出していて、何か慣習なのか、基本的にそれらの会社にあいさつに行くんです。
ほうほう。
我々もJR新宿駅のところにあるJR東日本にFeliCaの方に連れて行ってもらって、「Suicaを搭載したスマートフォンとしてこれから出します」と。Suicaという名前とロゴを使わせてもらうので、ライセンス契約が必要になります。ライセンス料は払わないのですが、使わせてもらうための契約を結ぶために、各社を回るという話があって。それで、JRなどに行っても、最初は「この人たち誰なんだ?」という感じでした(笑)
結局、各社フェリカネットワークスさんがきちんと保証してくれるならいいですよ、という話に落ち着きました。
これまで大手しか来てなかったから。
そうですね。だって、以前はキャリアから販売されているものしかなかったですから。本当に有名な富士通とかソニーとか。Appleはそんな風にあいさつに行ってないんじゃないかなと思いますけどね(笑) いずれにしても、そういう形であいさつ回りに行って、FeliCaの人が保証するという形でOKをもらうと。
儀式的にはちょっと何かやってみたいですけどね。そうすることで、やっと一人前という感じがするじゃないですか。
そうだね。
おサイフケータイ業界の中では。
はい、おサイフケータイができあがりました。史上初の試みでしたし、僕自身も使うスマートフォンにはおサイフケータイ機能を絶対に搭載したいという強い思いがあったので、それが実現できたことは本当に嬉しかったです。苦労はたくさんありましたし、主に永山さんが大変だったと思います。
中国のODMの担当者は、20代くらいの若い人が多くて。僕たちはソフトウェアの細かい部分は分からないので、資料などを渡して向こうで作業してもらっていましたが、「大丈夫かな」と思うこともありました。彼らはだいたい夜の7時、8時頃に出社してきて、「今からやるの?」という感じで。そして、朝の4時、5時頃に「一度できました」と連絡が来るんです。
まさに完全夜型の彼らとずっと付き合っていましたね。開発拠点のすぐそばにホテルを取って、そこで寝て、作業が終わったら連絡をもらう、という形で進めていました。
ネット上じゃないですね。もうそっちまで行って。
そうですね、基本的には。中国の会社は、行って横で監視していないとサボります。「まだ終わってない」と言うけれど、実はやっていなかった、他のプロジェクトをやっていた、というのを防止するため、必ずすぐそばにいて、「終わったらすぐ見に行くから」と言ってやらせないと、「明日来るね」といった場合、明日からやり始めるからです。これはもう長い間中国で仕事をしてきた上で、みんながそうです。
そっちの方が実は効率がいいと。行っちゃった方が。
そうです。だからテスラのイーロン・マスクが工場に行って、そこのベッドで寝泊まりする、というのも僕としては理解できます。その場で見ていないと、どう進行するのかよく分からない、というくらい苦労しました。最終的には、誰も僕らの前には成し遂げていなかったSIMフリーでのおサイフケータイ搭載が実現できた、ということで、今回の話はここまでで終了し、また来週に続けたいと思います。
ありがとうございます。来週はどんな話が聞けますか?
来週はハードウェアの話ですね。指紋認証や防滴にはそれなりに苦労しましたし、ディスプレイやカメラについても話したいです。特にカメラは大変でした。妥協せざるを得ないところもありましたが、初代の時には後悔した点もあり、もっと良いものを作ろうと常に思っていました。結果としては実現できなかった部分もありますが、その過程での裏話や面白い話も紹介できればと思います。
楽しみです。
はい。これは今、僕の中だけで言っているですが、もし永山さんやTENT、あさすけやソフィアなど、みんながいたら、それぞれにさまざまな苦労や「あの時はこうでしたよ」とか、「そんな簡単に言ってるけど、こうでしたよ」といった意見がきっとたくさん出ると思います。すみません、もう結構前の話なので、あまり覚えていないところもあって、関係者からすると「え? 違うんじゃない?」と思われるかもしれません。
はい。
もういいんじゃないですかというところで、また来週もよろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
リアル経営|企業経営の成功と失敗。等身大で語る台本なき社長のリアル」
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ここまでの相手は、Hossyこと星川哲視と
がじろうでした。
それではまた来週、お耳にかかりましょう。
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