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今日は2月24日です。英語圏のSNSでは「International I Hate Coriander Day」と呼ばれる日でもあります。直訳すれば「国際パクチー大嫌いな日」です。

これは国連や認定機関が定めた公式記念日ではありません。発端は英語圏のFacebookコミュニティ「I Hate Coriander」だと言われています。正確な起源は不明ですが、SNSが勝手に祝日にしてしまった、葉っぱに対する集団的カウンターカルチャーです。

今日はこの日を口実に、パクチーの「味」ではなく「匂い」が受け入れられない人間として、なぜそうなるのかを少しだけ書いてみます。
私はパクチー(英語ではcoriander、cilantro、中国語では香菜)が苦手、というか嫌いです。アレルギーというわけではなく、絶対に食べられないというわけではありませんが、できる限り避けたいというスタンスです。パクチーが苦手だと言うと、かなりの確率でこう言われます。
「ただの好き嫌いでしょ」
「本当はおいしいよ」
その気持ちはわかります。私も誰かの好き嫌いを見ると、つい「本当のおいしさにまだ出会っていないだけでは」と思ってしまいます。ところが自分の番になると話は別で、匂いの時点でアウトなので、どうしようもありません。かなり身勝手だというのは重々承知です。

私の場合、問題は味よりも匂いです。パクチーを口に入れる前、皿や椀から漂ってくる匂いを吸い込んだ時点で、もう不快な気持ちが込み上げてきます。よく「パクチーは石鹸の味がする」と言われますが、私は石鹸を食べたことがないので、その比喩が本当に正確なのかはわかりません。食べ物としては許されない何かの匂い、という感覚の方がしっくりきます。
ちなみに、同じく強烈に苦手なのが、中国や台湾の臭豆腐です。あの発酵の匂いは、食べるという行為にたどり着く前に体が拒否反応を示します。臭豆腐はパクチーよりも攻撃範囲が広く、体感では1ブロック手前から戦闘が始まります。逆にいうと、こちらも回避ができますので、匂いとしては、ある意味アラートとして優秀です。
パクチーの匂いの正体は、主にアルデヒド類という揮発性化合物です。これは洗剤や香水にも使われる成分の仲間で、身近なところでは柑橘の皮をむいたときのあの鮮烈な香りにも関わっています。刻んだ瞬間に香りが強くなるのは、細胞が壊れて成分が一気に放出されるからです。これらは柑橘っぽい(と言われる)、青くさい、脂っぽいといった香りの方向性を持ちますが、人によっては強く不快に感じられます。


重要なのは、ここが「味」ではなく「匂い」だという点です。人間の味の知覚は嗅覚と密接に結びついています。鼻が拒否すれば、脳はそれを「まずい」と解釈します。舌の問題ではなく、鼻の問題なのです。実際に、私はパクチーの味自体が嫌いというわけではなく、なにせ匂いに勝てないのです。
民族文化的グループ別の研究では、パクチーを嫌う割合は3%から21%まで幅があります。東アジア系や欧米系で高め、南アジアや中東系で低め、という傾向が報告されています。


ただし、これは調査対象や質問方法によって変わります。「嫌いかどうか」と聞くのか、「石鹸のように感じるか」と聞くのかで結果は違います。さらに、子どもの頃からの接触頻度という環境要因も無視できません。
つまり、匂いの感じ方は単純な話ではありません。けれども、完全に気分の問題でもありません。
私が望むのは、世界からパクチーを消すことではありません。好きな人は存分に楽しめばいいと思います。タイ料理もベトナム料理も、パクチーがあって完成する料理はたくさんあります。実際に、私の分は周りの好きな人にあげるようにしています。

ただ、メニューに明記しておいてほしいのです。以前にホテルの朝食のブッフェでサラダにパクチーが入っていました。パクチーブームがあったりして一定の知名度は高まったにせよ、無言で無断で注意書きもなくサラダに入っていて良い理はありません。入っていると書いてあれば取らなかったので、ここは法律でしっかりと違法行為として処罰してほしいです。
パクチーの匂いで時間が止まる人間が、一定の割合でいるのは確かです。多いグループでは5人に1人。そのテーブルでは、誰かがそっと箸を止めているかもしれません。葉っぱ一枚で分断されるのは、少し滑稽です。でも、分断は現実です。
今日は、堂々とパクチーを嫌っていい日です。私は今日も明日も明後日も、これからもずっと、メニューの隅にパクチーの文字がないことをよく確認してから注文します。だからせめて、サイレントパクチーだけはやめてください。
★
近年、過去は同志だったはずのパクチー嫌いが寝返っていくパターンを見かけるようになりました。一昔前であれば「転向」というのかもしれません。ただ、私は止めません。パクチーを食べられるようになったら楽しめる料理が劇的に増えるからです。むしろ、「卒業」できてよかったと思います。
いつか、私にもその日が来るのでしょうか。
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