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Apple Creator Studioが登場。KeynoteとPixelmator Proはどうなるのか

Appleが「Apple Creator Studio」という新しいサブスクリプションサービスを発表しました。突然ではありつつも、Appleユーザーにとって新しい選択肢が現れたのは喜ばしいことです。

Apple(日本)


Apple Creator StudioApple Creator Studioのサブスクリプションに登録すると、Final Cut Pro、Logic Pro、Pixelmator Proのインテリジェントなツールだけでなく、仕事効率化のプレミアムコンテンツにもアクセスできます。

Apple Creator Studio – Apple(日本)より

中身を見てみると、Final Cut ProやLogic Proといったプロ向けアプリに加え、Keynote、Pages、Numbers、フリーボード(Freeform)、そしてPixelmator Proまでが一つのパッケージにまとめられています。これまで個別に有料で使っていた、あるいは無料で当たり前に存在していたアプリたちが、一気に「ひとつの箱」に収められたということです。なぜGarageBandが含まれていないのかは、何か社内事情があるのかもしれません。

Apple Support


Final Cut Studio (2009) – Apple サポート (日本)Final Cut Studio(2009)のアプリケーションを紹介し、Final Cut Proにアップグレードする方法をご案内します。

「Studio」という名前でいうと、クリエイター向けには以前Final Cut Studioというのがあって、それを思い出させるようなバンドルパッケージです。その時はサブスクリプションというのではありませんでしたが、特に映像クリエイター向けに必要なアプリを一つにまとめたものでした。そういえば、Mac Studioというハードウェアもあり、私も自宅で(クリエイターでもないのに)使っています。

Apple(日本)


Mac Studio究極のプロ向けデスクトップ。規格外のパワーをもたらすM4 MaxまたはM3 Ultra。豊富なコネクション。Apple Intelligenceのために設計。

今回は純粋にプロ向けというだけでなく、Pages、Numbers、KeynoteのセットであるiWorkも含まれるという壮大なシステムになっています。ただ、Numbersなどが本当にクリエイター向けのアプリなのかは疑問です。

Apple(日本)


iWorkPages、Numbers、Keynoteを使えば、書類、スプレッドシート、プレゼンテーションをチームのみんなで一緒に作れます。Mac、iPad、iPhoneはもちろん、Windowsパソコンでも。

特にiWorkは無料で提供されていたということもあって、これからは一部の追加機能などが有料で提供される形になるとのことです。ただし、基本的な機能や従来どおりの使い方がすぐに有料化されるわけではなく、無料で使える部分は維持されたままです。その上で、たとえばKeynoteであればプレミアムテンプレートや高品質な写真・イラスト素材の利用、AIによるスライド構成の補助や文章のたたき台生成といった機能が課金ポイントとして用意される、という構造です。

「アプリはOSのおまけ」という時代から、「アプリ自体が価値として評価され、対価が発生する」フェーズになってくるのかもしれません。

Topic

Keynoteもフリーミアムになって進化するのか

このApple Creator Studioの中で、私が普段使用しているのは画像編集アプリPixelmator Proとプレゼンテーション作成アプリKeynoteくらいです。

最近はAIで資料を作成することも増えてきたので、私自身はKeynoteの出番が減っています。ただ、実際には細かい修正や調整などは長年使ってきたKeynoteの方が良いので、最終的にはKeynoteで仕上げることもあります。

Apple Creator Studio – Apple(日本)より

今回の発表で、多くの人が最初に抱いた疑問は「Keynoteはもう無料では使えなくなるのか」という点ではないでしょうか。結論から言えば、Keynote自体は今後も無料で使えます。ただし、すべてがこれまで通り、というわけではありません。

新しいテンプレート、高品質な素材、AIを活用した補助機能など、一部の新機能はApple Creator Studio加入者向けに提供されます。いわゆるフリーミアムモデルになったということです。無料でできることは残しつつ、「より良い体験」をしたければ対価を払う、という構造になります。

これまでのAppleは、Keynoteを「Macを買ったら最初から入っている便利な道具」として扱ってきました。macOSだけでなくiOSやiPadOSにも付属しており、AppleのOSシリーズの付加価値を高めるということに貢献してきました。そこに値段が付くというのは、長期的に見れば、きちんと開発・改善を続けていくための健全な仕組みとも言えます。無料であることが当たり前だった時代が、少しずつ終わりに向かっているのかもしれません。

Pixelmator Proを昔から使ってきた身から思うこと

個人的に今回の発表で最も気になったのは、Pixelmator Proの扱いです。私はAppleがPixelmatorを買収する、はるか以前にこのアプリを購入して使ってきました。私の使い方からするとPhotoshopほど重くなく、それでいて十分に高機能であり、macOSの最新機能にすぐに対応し、それでいて買い切りで気持ちよく使える、非常にバランスの良いアプリでした。

Apple Creator Studio – Apple(日本)より

今回のApple Creator Studioでは、そのPixelmator Proに新機能が追加され、さらにiPad版まで提供されるようです。ただし、それらはサブスクリプションの中で、という形になったようです。iPadOS向けも無料で使えるようにして、追加の機能開放を有料にするという他のものと同じ対応にする方がわかりやすかったのではないかと思います。

iPadでPixelmator Proが使えるようになるというのは、クリエイターにとってはかなり魅力的なのかもしれません。Apple Pencilで画像を編集し、Macとシームレスに行き来する。そうした体験は、Appleが一番得意とするところでもあります。私の用途においては、おそらく使うことはないと思いますが。

エコシステムに価値を付けるというAppleの戦略

Appleのアプリ戦略は、これまで「ハードウェアを買えば、ソフトは自然についてくる」という思想に支えられてきました。iMovieやGarageBand、Keynoteといったアプリは、MacやiPhoneを選ぶ理由の一部であり、価格に明示されない価値でした。

今回のApple Creator Studioは、その暗黙の価値に、明確な値札を付けたとも言えます。エコシステムの一部だったものを、サービスとして切り出す。この判断は、Appleが単なるデバイスメーカーではなく、サービス企業として成熟してきた証拠でもあります。踏み込んで考えると、収益性を高めていこうとする意図の表れとも読めます。

MainStage – Apple(日本)より

もちろん、すべてを有料にしたわけではなく、基本機能は今後も無料で提供されるところのバランス感覚は、さすがAppleだと感じます。もっとも、それをこちらが好意的に解釈しているだけかもしれませんが。強引に課金へ誘導するのではなく、「価値を感じる人だけが払えばいい」というスタンスを保っている点はAppleらしいです。アプリ販売だけで開発費や利益を成り立たせている会社とは異なる強みでもあります。

年単位で使ってみる価値はある

Apple Creator Studioの価格を見ると、どうしてもAdobe Creative Cloudと比較したくなります。月額1,780円という価格は、Adobeに慣れている人からすると驚くほど安いでしょう。フルセットを契約すれば月額1万円近くするAdobeと比べれば、まさに破格です。ただし、私はプロのデザイナーや映像編集者ではありません。年に数回、資料を作り、たまに画像を加工する程度です。その立場からすると、Apple Creator Studioという選択肢の方が圧倒的に魅力的です。

Apple Creator Studio – Apple(日本)より

この価格帯だからこそ、購入してKeynoteとPixelmator Proの新機能を享受しながら「これを機に他のアプリも触ってみる」というのが正解なのだと思います。これまで使ってこなかったFinal Cut ProやLogic Proに、気軽に手を出せる。この心理的ハードルの低さは、Appleが狙っているポイントでしょう。

1月29日から発売ということなのでそれを待ちつつ、私は価値のためにはお金を惜しまないというスタンスもあるし、それでも少しでもリーズナブルにと考えているので、年間契約するようにしようかと思っています。

月額1,780円で支払うと年間では21,360円になりますが、年額プランであれば17,800円です。差額は3,560円で、実質的に約2か月分が割引される計算になります。実際に数ヶ月は使い続けないとわからないでしょうし、おそらく新機能を使ったら元に戻れないような気がするので、年単位で考えてみたいと思います。

大先輩であるMACお宝鑑定団のDANBOさんが、今回のApple Creator Studioのフリーミアム化により「開発チームが売れるために開発するというインセンティブが働く」(特にiWorkや無料だったアプリ)ということを書かれていて、確かにそうだなぁと思いました。OSのバンドルだけだと製品を改良してもしなくても良いということになります。これから、有料に見合う機能がどんどん提供されていくのを期待したいと思います。

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星川哲視

星川哲視

デジタルライフプロダクトを取り扱うトリニティ株式会社を起業、約20年経営の後「卒業」。

スマートフォン向けカジュアルゲーム企画・開発会社エウレカスタジオ株式会社代表取締役、投資会社コスモスタジオ代表取締役を兼任。

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