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経営や趣味、時事などのブログ記事や、Podcastの発信を日々行なっています。ニュース登録をしていただければ、更新情報を配信していきますのでお気軽にご登録ください。(広告を配信することはありません)
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【エピソード概要】
「努力しているのに、評価につながらない」そんな評価のズレを、どう解消するのか。
今回取り上げるのは、トリニティが長年の試行錯誤の中で作り上げてきた「評価制度」。
自己評価と上司の評価。その認識が食い違ったとき、何を基準にすり合わせるのか。さらに、評価を給与に反映させるだけではなく、社員の成長につなげるために、どんな仕組みを取り入れているのか。
「評価する」とは、いったい何のためなのか。
会社の評価制度を考えるうえで、意外なヒントが見えてくる。
「Podcast:リアル経営」このエピソードに関するご意見・ご感想をぜひお寄せください。今後の配信の参考にさせていただきます。
「リアル経営|企業経営の成功と失敗、等身大で語る台本なき社長のリアル」
この番組は、私、Hossyこと星川哲視が自らの体験をもとに、経営やその舞台裏などをリアルに語っていきます。
リアル経営は、毎週金曜日朝6時に配信しています。
おはようございます。自由人のHossyこと星川哲視です。
おはようございます。STRKのがじろうです。
はい。前回まで、トリニティのユニーク制度のシリーズをやっていまして、思った以上に長くなったんですけれど、長年いろいろなことを積み重ねて、20年くらいで作り上げてきた制度なので、全体としては相当ユニークな形になったのかなとは思いますね。
実はですね、コメントをいただいています。
おっ、なんと!
紹介させていただきたいと思うんですけど、ポール神田さんからです。
ポールさんはですね、我々の業界では有名人でして。最近は本名を「神田ポール敏晶」に変えるということにチャレンジして成功した面白い人ですね。
前にもいただいていたと思うのですが、読み上げさせていただきます。
「ユニーク制度シリーズ面白いですね! ベンチャー経営者にとっては、とても参考になる地雷だらけですね! IT健保は目から鱗! 毎回20年前に知ってたらなあ…と思うことしばしば。ヒゲ面、ピアスで、あの、アップルケアをどうしたら3倍も売れたのかも教えてほしいです。本体、アクセサリー、保険も見事! 社食を、兼ねる飲食事業って、他の企業にも売り込めたのではなかったのでしょうか?」
というコメントをいただいております。
はい、ありがとうございます。
そうですね、AppleCareをどう売るかみたいなのは、いつかセールストークの話をするときに触れられれば良いかなと思いますが、AppleCareって、保険なので、つつき方が大体決まっているんですよ。こういう説明をすると「これは買うな」というのがあってですね、それで大体ワンセットで買ってもらえるんですよね。
なるほど。じゃあ、それはまた別の機会に。
そうですね。今やり始めると、ちょっと今回のテーマを話せなくなってしまうので。
了解です。あと、社食を兼ねた飲食事業についてです。
売り込むというのが、ちょっとよくわからないんですが、営業もできたら良いとは思いますが、大きい会社とかはどうなんですかね? 社員じゃない人がいっぱい来店すると嫌だという場合もあるかもしれないですよね。
いや、たぶんそこまで大きくない会社は、社食を持つのはコスト的に厳しいけれど、飲食事業にしてしまえばそこが薄まるので、もっと多くの会社が取り入れやすくなるのではないか、ということを言われているのではないでしょうか。
それをノウハウとしてパッケージ化して、「社食の導入の仕方」みたいな形で展開してみるのはどうですか、というご提案なのかなと思いました。
なるほどね。当時は事業化するという発想はなかったですね。ただ、今でいう飲食のIT化というかDX化みたいな、デジタルを活用してシェフやスタッフが、売上やアルバイトのタイムカード、予約、シフト管理まで全部回せる仕組みはその時に作ったんですよね。
もう10年以上前ですから、そういったノウハウは世の中に必要なんじゃないかなとは思いましたけれど、それを仕組みとして販売するとなると、やっぱり本腰を入れて取り組まないと難しいですからね。片手間で進めるのは厳しいと判断して、実際にはやらなかったですね。
ふ〜ん。
聴いていただいてコメントまでいただけるというのは、本当にありがたいです。
めちゃくちゃ嬉しいですね!
はい、ポールさん以外の方からもコメントをお待ちしています。どしどしご意見をお寄せください。
はい!
ということで、ユニーク制度についてはいったん区切りなんですけれど、最後に、何度か話題にのぼった「評価制度」について、お話ししたいと思います。
企業にとって、この評価制度ってめちゃめちゃ大事ですよね。
そうですね。特に規模の小さい企業ですと、明確な仕組みを設けていないところも少なくありません。社長の主観で「来年の給与はこれで」と感覚的に決めてしまったり。
そうですね。
「君は頑張っているからね」といったような、あいまいな基準で決めてしまうパターンも、実際よく見受けられますからね。
はい。優秀な人ほど、それで評価されていたら良いけれど、思っている評価じゃなかったら辞めてしまいますからね。
はい。まさに今、がじろうが言ってくれたことが大きなポイントだなと思っています。
はいはい。
トリニティで僕が経営していた頃のお話ですけれど、入社時には一律400万円という年俸があります。このときにはボーナス抜きですね。業績連動分配金は対象ではないので、400万円からのスタートになるんですね。
これはもう年齢、性別、国籍、学歴とかは一切関係ありません。中国国籍の人もいるし、台湾国籍の人もいるんだけれど、男性も女性も全員同じです。
うん。
入社前の経歴がどうであれ、入社後にこの会社で何ができるかというのが一番重要なので、男だから高いとか、日本人だから高いとか、年齢が上だから高いとか、そういったのは一切ないというのを前提として、入社時にはみんな同じです。2年目は基本の年俸が427万円。これは今、(12ヶ月で)割り切れないので割り切れるように426万円になったらしいです。
そして、3年目になると、今回お話しする評価の対象になるんですね。
ふ〜ん。
入社1年目というのは基本的に教わる立場であり、個人として評価に足る明確な成果を残すのは難しい部分があります。また、トリニティの業務自体がAppleやGoogleといった企業の製品リリースサイクルに強く影響を受けるという特徴もあります。
iPhoneが出るとき、iPadが出るとき、Pixelが出るときとか。それって、ある程度決まっているじゃないですか。iPhoneが9月に出て、iPadが10月に出てとか、3月くらいにちょっと廉価版が出てとかね。
1年経って一周すると、翌年も同様の繁忙期があったり閑散期があったりというのを経験するので、1年目は勉強。2年目にそこで学んだことを含めて自分の仕事をし、そこから査定、評価に入ってくるという形になります。
へぇ、面白い。
この評価の結果としてポイント制を導入していて、獲得したポイント数に連動して給料の増減が決まってくるというのが基本的な設計なんですよね。
なので、この評価が高いと、まず自分の基本の年俸が上がります。下がるのももちろんあるんですけど、それと連動して業績連動分配金の説明の回でお話ししたと思いますが、按分されるんですね。同じ原資のお金を、人数で単純に割るんじゃなく、査定ポイントに応じて按分するんですね。
ふ〜ん。
なのでポイントが高い人の方が業績連動分配金を多くもらえる。つまり二重で重要な査定ポイントなんですね。
はい。
じゃあ、どのようにその評価を行なっていくかというところなんですけれど、評価の大前提のところで、さっきがじろうが言ってくれた、自分が思っているのと会社が評価したのが違う場合が一番問題になるわけですよね。
そうですね。
基本的にはそうですよね、どんな状況でも。「思いがけず高く評価された」なんてこともあるかもしれないし、「自分ではこれだけ貢献しているはずなのに、なぜか会社が認めてくれない」といったことがあるかもしれない。
そこで、評価のギャップを埋めることが、評価制度の一つ目の目的なんです。具体的なステップとしては、まず社員本人が評価項目に沿って自己評価を行ないます。
はいはい。
それに対してマネージャー(上司)が、自分の思う評価をつけていく。もちろん同じ場合もあれば、高い場合や低い場合もありますが、これが基本的な流れなんですよ。
ただ、組織が大きくなってくると、僕が全員を直接見るわけにもいかなくなりますし、マネージャーとの相性や仲の良さで点数が甘くなるといった弊害も考えられます。なので、後半ではマネージャー間で各メンバーの評価をするようにしました。
マネージャー間でというのは、どういうことですか? 違う部署のマネージャーも?
そうそう。たとえばセールスチームに所属するAさんのケースで考えると、まずAさん自身が全項目の自己採点を行ないます。その内容を受けて担当のマネージャーが点数をつけていきます。その後、担当マネージャーは僕を含めたマネージャー全員に対して、自分のチームメンバー一人ひとりの評価理由についてプレゼンするんですね。
はいはい。
その内容を聞いて、他のマネージャーが「オッケー」とか、「いや、この視点からそうかもしれないけれど、別の角度から見るとこうじゃない?」といったフィードバックをします。
とてもしっかりやりますね!
そうなんです。こうしたプロセスを導入するのは、先ほど触れたような弊害を避けるためでもあります。
どうしても人間同士ですから、上司との相性の良し悪しって出てきてしまうじゃないですか。もしマネージャーの主観だけで評価が完結してしまうと、関係性がうまくいっていない場合に「正当に評価されない」という事態を招きかねませんからね。
確かに。
逆のパターンも考えられますけどね。上司とすごく仲が良いから、ちょっと評点が高いみたいなね。そうすると、他の部署のチームメンバーから「あの人は上司と仲が良いから評点が高いよね」みたいなこともあるので、最終的にはマネージャー間で横断的にチェックする体制を整えています。それに加え、360度評価も途中から入れています。
へぇ。
つまり、Aさんに対して、他の社員全員が匿名で評価する。この360度評価は、「協調性」というカテゴリーで実施しているんですね。協調性って、上司から見えにくいところが結構あるんですよ。
上司への顔と同僚への顔が。
そうそう。上司だって、メンバーの行動を常に把握できるわけではありませんから。たとえば、他部署が大変なときに、自身の業務を抱えながらも自発的に手を差し伸べている場合、上司から見れば、「進捗が滞っている」となってしまいます。周りの人からは「常にサポートしてくれて助かっている」のに、上司の評価には入らないじゃないですか。
確かに。
だから360度評価で、良い評価も悪い評価も出るので匿名にして、誰が評点をつけたかわからない形で5段階評価を入れています。このような形で、評価制度の設計を行なっていました。結構しっかりやっているでしょう?
うん。
自己評価と会社評価、上司評価の差分を埋めるというのが重要なんですね。良いか悪いかは別として、意識は揃えるというのがファーストステップなんですよ。たとえば、5段階評価で本人は「4」だと思っています。でも上司は「3」だと思っています。「なぜそこに差があるのか?」というところを話し合うわけですね。
そしてお互い納得して「こういう理由だから3だよね」という話をするわけです。そのためには、1から5まで、できる限り定量化された評価軸が必要なんですよ。
そうですね。好き嫌いで言っちゃダメですよね。
「頑張った」というような、本人や上司にしかわからない話ではなく、第三者にもわかるようにしなければいけないので、そこの定量化というものがすごく重要になります。
基本は大きく分けると「目標達成」というカテゴリーがあって、それから「規律性」「積極性」「責任性」「協調性」「経営意識」という評価軸があるんですよ。
はい。
「目標達成」は、評点がかなり高く設定されています。まず期初に自分で立てた目標を達成できたか、という点ですね。以前ユニーク制度の回でも触れましたが、自発的な「個人目標」と、会社として取り組む「チーム目標」の2つに分かれます。
チーム目標の方は、セールスや出荷・発注を担うオペレーションなど、各部署の特性に合わせて定量化された目標を設けています。詳細を語り出すと複雑になりますが、細分化された評価軸に沿って進捗を確認し、最終的に5段階のポイントで算出する仕組みですね。
はい。
個人目標は先ほど言ったように、自分で設定した目標を達成するかどうか。こちらは3段階なんですね。設定すれば1点と言ったと思うんですけれど、設定もしないと0点、設定した上で合格すると2点。これは結構大きいと思います。だってさっきの全体の目標設定が5段階評価で、ここに2点追加されるので相当大きいですよね。
しかも、設定するだけで半分もらえますからね。
そう。結構大きいですね。目標達成という大きなカテゴリーはそういう形で決めます。
はい。
次が「規律性」。「規律性」というのは、やればできることしかないんですよ。
たとえば?
「ルールを守るかどうか」というだけのお話なので、たとえば無断欠勤とか。
なるほど。それはやればできますね。
遅刻とか。一応トリニティの中では、メール、チャットとかそういうレスポンスを2営業日以内に必ず返すというルールがあって、それをやっているか、など。タイピングって過去に話したことあったっけ?
いや、していないと思いますね。
なるほど、そこには触れていませんでしたね。タイピングは一種のユニーク制度と言えるかもしれません。そのあたりはまた後日「こぼれ話」としてお話ししたいと思っているので、今はあえて深くは踏み込まないようにしておきます。他にもタスクの期限を守れているかとか、身の回りの整理整頓ができているかといった項目があるんですよね。
うん。
基本的には「ルールを守りましょう」という規律性が中心で、10項目ほど用意されていて、「できている」「できていない」の判定に応じて評価されて、合計点がポイントになるという形ですね。ここは本当にやればできるので、普通にやっている人だとほぼ満点取れます。
以前にお話しした「改善提案」の取り組みもここに該当し、提出がない場合は0点ですが、提出していればしっかりポイントが加算されます。
ふ〜ん。
次が「積極性」。「積極性」はね、結構やっぱりこれ定量化が難しい。まず「積極的」ってどういうことなのかという話になるじゃないですか。
そうですね。
基本的に全部レベル1から5を設定するんですね。この後お話しする「責任性」や「協調性」も。それぞれのランクがどのような人物像を指しているのか、できる限り具体的な文章として言語化しているんですよ。
「レベル1に該当するのはこういう行動だよ」とか。
そうです。
ほうほう。
「特定の状況下でこのような行動をとる」といったあたりが記されているんです。完全に定量化しきれているわけではありませんが、ある程度その重要なワードが散りばめられています。もし自己評価を「レベル3」とするならば、該当する説明文を本人に読み上げてもらうんです。「これが自分のことだと本当に思いますか?」と問いかけながらね。
へぇー!
自己評価で「はい」と納得して答えられるなら、上司も同意見であればそのまま受け入れますし、「この部分についてはどう考える?」といった形で議論を深めていくわけですね。
「積極性」って、がじろうから見ると満点とはどのような人ですか?
自分から何か問題を見つけて、自分から提案していく、みたいな。
そうですね。言われていないことを、新しく自ら生み出していくのが積極性だよね。
そうですね。
結構重要なポイントになりますね。結局、言われたことだけやっている人というのは、新しいことをまったく生み出さないわけじゃないですか。
確かに。
マニュアルがあって、マニュアル通りにやっている人は「積極的だね」とはならないわけだから。
ならないですね。
マニュアル通りに進めるだけでなく、「ここをこう改善した方が良いのでは?」とマニュアルを超えて新たな取り組みをすると、その人の価値が出てくるよね。
うん。
今のAI時代は、この積極性のない人はAIで代替できちゃうんですよ。
そうですね、置き換えられてしまいますよね。
そう。今のAIはちょっと積極性が出てきていますよね。たとえば何か依頼したときに「できました。あと、これもできますよ」と言ってくるじゃない。
はい、言ってきますね。
「あ、良いね!」というときがあるわけですよ。
あります、あります。もうちょっと超えつつありますね。
そうなんですよね。だから実際は危ういんだよ。ただ当時は、今ほどAIが実用的なレベルではありませんでしたから、人間が人間として発揮できるその人の価値というのは、まずはこの「積極性」だよね、というところがあります。
うん。
もう一つが「責任性」。「責任性」とは何だと思います? 2つ大きなポイントがあります。
えーっと、先ほどの話に近いかもしれないですけれど、期日までにちゃんとそれをやり遂げるとかも、責任感ある行動だと感じますけれどね。
その通りです。まず「やり遂げるかどうか」ですよね。「この仕事は終わりました」ということに持ち込むのがまず大前提です。
うん。
責任を持って自分の仕事をやり遂げるかどうか。かつ2つ目は「期限に遅れないこと」。
ほう。
場合によっては、期日に遅れたとしても、最終的に達成できるならまだ評価できます。ですから、レベル5の「あらゆるリスクを想定してプランニングし、期日までに必ずやり遂げる」というのがベスト・オブ・ベストです。
たとえば「多少の遅れはあっても必ず最後までやり抜く」といった姿勢は、その人に仕事を安心してまかせられるかを判断する大きな基準になりますよね。
確かに。その人にお願いした瞬間に、もうそれは実行されることが約束されるわけですからね。
そう。だから仕事を振りたくなるわけ、その人に。やっぱり仕事を振られない人は、振られない理由があるわけですよ。ということで「責任性」というのがそこに出てくるので、これをレベル1から5までつけています。
はい。
そして「協調性」。先ほど少し触れた通り、自分の仕事が遅れてしまう可能性があるかもしれませんが、会社全体のことを考えて、同じチームであろうが違うチームであろうが、他人をサポートする方が利益になると思ってやってくれるというのは、しっかりと評価すべきポイントなんですよね。
そうですね。
積極性があって責任性がある人だけが評価されると、「もう自分のことだけやります」となっちゃうわけですよ。
ちょっとギスギスするかもしれないですよね。
そうです。やはりチームワークなので、この協調性というのも責任性や積極性と配点は同じにしています。
へぇー。
ここでのポイントは、協調性はただ周りの人を助けるだけではない、ということです。このレベル5はちょっと難易度が高くて、他の人が困っていたり、問題を抱えていたりすることを根本的に解決する提案をすることなんです。これは、はっきり言って経営者が考えることでもあるんだよね。
まぁそうですね。
たとえば出荷作業を例に挙げると、「大変そうだから手伝う」を何度も繰り返すのは、レベル3程度の動きなんですよね。でも、さらに上のレベルになると「根本的に解決するには、外注化した方が良いのでは?」といった視点で考えるようになります。大変な作業そのものをなくしてしまう、そういった根本的な解決策まで踏み込んでいきます。
「積極性」が、いろいろなところで重要になってくるのですね。
そうですね。会社の中に限った話ではなく、目の前にある傷に対して絆創膏を貼るだけではなく、怪我そのものを未然に防ぐ仕組みまで考慮することが、本当にその人を助けることになる、ということなんですよ。
なるほど。
少し話は逸れますが、金銭的な援助を直接行なうよりも、その人自身が自力で収入を得られるような仕組みを用意してあげる方が、同じお金を使うのでも価値があるのではないかと考えますね。
はい。
それから「経営意識」という項目も設けています。以前にも少しお話ししましたが、トリニティでは決算書類や財務諸表をすべて開示しているんですね。ただ眺めて「なるほど」と思うだけではなく、この内容を自分の言葉でしっかり解説できるかどうかが、評価基準の一部として組み込まれているんです。
へぇー!
まずそこが経営意識の最低限のところでレベル3にあたるわけです。レベル3というのは標準なんですよ。
なるほど、なるほど。
ですから、まずは開示されている資料をしっかり読み解いて会社の現状を把握できること。時には「なぜこの営業利益が増えたのか?」といったクイズ形式で確認することもあります。
うん。
たとえば「売上が減少しているのに営業利益が増加しているのはなぜか?」といった問いに対し、数字の背景までしっかり理解して説明できる状態を目指します。レベル3以上になると、社内で毎月実施している決算報告を、自らの言葉で社員に向けて説明してもらうようにしています。
ふんふん。
人に説明できるというのは、理解していないとできないですから。
確かに。
「理解しています」と答えてクイズに正解できたとしても、他人にしっかり説明できなければ意味がありませんからね。
じゃあ持ち回りで毎月違う人が説明を担当していたのですね?
以前はね。途中で少し運用を変えたりもしているのですが、この「経営意識」という評価項目に加え、マネージャー向けには「マネージャー項目」という別枠の評価システムを用意しています。
なるほど。
マネージャー項目の中心となるのは、チームをいかにまとめ上げられるかという点です。評価軸としては、まず「チーム全体の目標を達成できているか」が一つ挙げられます。もう一つは「チームメンバーそれぞれの評点」です。
先ほど触れた各項目の点数を合計したスコアによって、給与の増減が決まる仕組みになっています。具体的には60点あたりが分岐ラインで、目標設定で5点、その他の項目でそれぞれ加点されていきます。60点を超えると、年俸に対して「+1%」「+2%」「+3%」という形で昇給していきますが、基準を下回ると減給の対象にもなります。
マネージャーとしては、メンバー全員の評価をプラスに引き上げられなければ、マネージャー自身の評価が下がってしまいます。
なるほど。
とはいえ、冒頭でも触れたように、自分のチームの評点を恣意的に上げると、他のマネージャー陣から当然指摘が入ることになります。
うん。
徐々に作っていった仕組みではあるんですが、結構しっかりと設計できているでしょう? 入社3年目からは基本的に給与が増えます。
実際に下がったケースは本当に相当な理由があった2〜3人程度ですね。そのため、4年目以降はその上がった年俸に対してさらに評価のパーセンテージが掛け合わさっていくので、いわゆる複利のように給与が増えていく形になります。
ん? どういうことですか?
増えたものに対してもう一回増えていくので。
そうなんですか。じゃあ社歴が長いと有利なんですか?
社歴が長いと複利なのでさらに増えていくよね。もちろんプラスであればという話ですが。
まぁそうですよね。
という形での評価制度というのがあります。
どうでしょうか、全体的に。
これ、どこかで学ばれたりしたのですか? こういう評価制度が良いとか。
していません。
自分自身で少しずつ「こういうのが必要だな」と組み込んで、「またこれが必要だな」みたいな感じですか。
そうです。途中で結構追加されているものが多いね。
うん。
実際に運用を開始すると、「あれ、ここはどうだろう?」といった疑問や課題が次々と見つかるので、その都度改善を重ねて調整を行なっていきました。ちなみに最初は年に一度だったのですが、冒頭にお話ししたとおり、この評価制度の目的は単に給与を算出することだけではなく、その人の成長を促すことにあります。
重要なポイントを伝え忘れていました。先ほど、本人が入力した自己評価とマネージャーの評価に乖離があったら、それを話し合うという話をしたじゃないですか。
はいはい。
たとえば評価が「レベル3」の社員がいたとして、マネージャーと「どうすればレベル4に上がれるか」を具体的に議論するわけです。過去の成果を振り返るだけでなく、次に向けた改善目標を設定していくんですね。
本人が「自分は4だ」と思っていても、「この部分が未達だから今回は3だね」とフィードバックを受けて納得できれば、「次回そこをクリアできれば確実に4になれる」という明確な道筋が見えてきます。
そうですね。
過去の評価を行なって給料を確定させるだけでなく、さらに一歩進んだ次なる目標を設定していく点も重要なポイントです。もともとは年に一度の実施だったのですが、年に一度のペースですと一通りのプロセスが完了してしまい、後からの挽回が難しくなってしまいますよね。
うん。
たとえば評価や意識のズレがあったとして、「自分はこの1年間、ずっと積極性レベル5のつもりで働いてきた」と思っていたとしますよね。それなのに、1年経ってから「いや、実際の基準に照らし合わせると君はレベル3だよ」と突然言われたら、相当ショックを受けてしまうと思うんです。
はい。
そこで、半年に一度の実施へと見直したんです。そうすれば、仮に前期の評価が振るわなくても、後期で巻き返すチャンスが生まれますからね。この運用も、進める中で改良していったものですが、ユニーク制度と同じようにアップデートを重ねることで、非常に完成度の高い仕組みへ成長させられたと考えています。
何を目指して頑張ったら良いかが明確というのは良いですよね。
そうなんですよ。
目隠しをした状態で「頑張って走れー!」と言われても、どこがゴールかわからなかったら怖くて動けないですよね。
そうなんです。どうしても乖離があるから、毎回丁寧な擦り合わせを行ない、「これからどう取り組むべきか」をお互いに明確化しておくことが欠かせません。この意識の乖離は、最終的に大きな不満へと発展してしまうんですよね。
うん。
というわけで、ここまで駆け足でお話ししてきましたが、僕も他の会社の評価制度がよくわかっていないので、客観的な比較や改善の余地があるかはわかりませんが、個人的にはかなり完成度の高い仕組みに仕上がっていると感じています。
次回は、これまでのこぼれ話に加えて、「それだけユニークで面白く、社員に寄り添う制度が充実していて、給与水準も高いとなれば、離職する人なんてほとんどいないのでは?」という疑問についてもお話ししようと思います。実は必ずしもそうでもないんですよ、という話も含めてお届けしますね。
おおっ! それはそれで非常に興味深いテーマですね。「面白い」と表現していいのかわかりませんが。
はい。というわけで、お聞きいただき、ありがとうございました。
ありがとうございました!
また来週、よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします!
「リアル経営|企業経営の成功と失敗、等身大で語る台本なき社長のリアル」
概要欄にこの番組のWebサイトへのリンクを張っております。感想、メッセージ、リクエストなどそちらからいただければ嬉しいです。
毎週金曜朝6時配信です。ぜひフォローお願いします。
ここまでの相手は、Hossyこと星川哲視と
がじろうでした。
それではまた来週、お耳にかかりましょう。
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