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星川哲視(Hossy)の個人サイト Hossy.org は、これまでの起業・経営・卒業など、さまざまな経験からの情報をブログ記事やPodcastなどさまざまな活動を通じてアウトプットするサイトです。

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Episode 68|「トリニティのユニーク制度のリアル」【Part 10】「全員で掃除」の狙いと改善提案

【エピソード概要】

会社を「変わり続ける組織」にするために、必要な仕組みとは何か。今回は、トリニティに根付いていた「自分たちで掃除をする文化」と「改善提案制度」に迫る。

単なる掃除や業務改善ではない。自分たちでオフィスを掃除することで生まれる「汚さない」という意識、毎月ひとつの改善提案を出すことで身につく「変える」習慣。静電気除去シートの設置から、休暇制度やノー残業デーまで、さまざまな仕組みが小さな提案から生まれていく。

さらに、長年続いている「前任者から引き継いだ仕事」をどう見直すのか。仕事を足し算するだけではなく、不要な業務を引き算する「業務の棚卸し」の重要性にも話は広がる。

大きな改革を起こすことよりも、「変えることへのハードルを下げる」こと。小さな改善の積み重ねが、変化に強い組織をつくる。その発想から見えてくる、組織づくりのヒントとは。

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Podcast:リアル経営」このエピソードに関するご意見・ご感想をぜひお寄せください。今後の配信の参考にさせていただきます。

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    Topic

    オープニング

    Hossy

    「リアル経営|企業経営の成功と失敗、等身大で語る台本なき社長のリアル」

    この番組は、私、Hossyこと星川哲視が自らの体験をもとに、経営やその舞台裏などをリアルに語っていきます。

    リアル経営は、毎週金曜日朝6時に配信しています。

    Hossy

    おはようございます。自由人のHossyこと星川哲視です。

    がじろう

    おはようございます。STRKのがじろうです。

    Hossy

    先週は、仕事環境というテーマで、Macだったりディスプレイ、椅子や机についても触れて、最後の方は個人で使う端末の話とか、山分けのあたりもお話ししたかなと思います。

    がじろう

    あの後も考えてたんですけど。

    Hossy

    はい。

    がじろう

    僕の椅子が800円か1,000円くらいって話をしましたけど、もし10年使うと考えれば、16万円の椅子を買っても、1ヶ月あたり1,000円くらいって思えば、実はそっちの方が良いんじゃないかって。給料を1,000円上げたところで、そこまで喜んでもらえないと思うので。

    Hossy

    確かに。そうなんですよね。

    がじろう

    そう考えると、実はすごいコスパの良い投資なんじゃないかって、あの後ちょっと思ってきました。

    Hossy

    多くの経営者はね、給料を上げればみんな満足すると思いがちなんですけど、実はそこじゃないんですよね。社員が快適に働けるように、腰などの負担を減らす環境を整えることにしっかり投資する。それは単に数千円の手当を出すより、たとえば15万円の椅子を用意する。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    そうすると社員も、「え、本当に良いんですか?」って喜びます。がじろうがさっき話してくれたみたいに、長いスパンで見れば決して高すぎる投資でもないですしね。長く愛用することを考えると、本当にコストパフォーマンスは良いと思います。

    がじろう

    抜本的に見直そうと思いました。

    Hossy

    がじろうの農業の現場だとね、デスクや椅子にお金をかけても仕方ない部分もあるだろうし。それなら、使うトラクターを最高級のモデルに変えてみるとか、あるいは耕運機のグリップを贅沢にレザー張りにしてみるとか(笑)

    がじろう

    (笑)

    Hossy

    たとえば、作業着をプラダにしてみるとか(笑)

    がじろう

    良いですね!

    Hossy

    作業着をルイ・ヴィトンにするとか。それを着たいから、もっと働きたいっていうモチベーションに繋がるかもしれませんし(笑)

    がじろう

    でも、ルイ・ヴィトンの作業着に惹かれるようなタイプは、そもそも農業を選ばない気がしますね(笑)

    うちに来てくれるアルバイトさんたちって、普段は別の仕事をされていて、休日に手伝いに来てくれるんですよ。それで、「リフレッシュできたからまた1週間頑張れます!」という人たちなんですよ。

    Hossy

    メインはデスクワークなんですか。

    がじろう

    他の仕事をされています。

    Hossy

    普段のデスクワークとは別に、体を動かす作業をリフレッシュ感覚でやってるんですね。

    がじろう

    そう、そんな感じで来てくれてるんです。

    Hossy

    おお、それは素晴らしいですね。

    がじろう

    だからなんか、陶芸教室に通いに来てお金もらえる、みたいなそんなノリなんですよ。

    Hossy

    なるほどね。それなら仕事に対するそもそものモチベーションが違うから、あえて環境を変化させる必要もないのかもしれないね。

    がじろう

    トクポチ」の方はデスクワークです。

    Hossy

    ああ、そちらはね。

    がじろう

    そちらの方は、ちょっと考えていかないといけないなと思いましたね。

    「自分たちで掃除する」ことの意義

    Hossy

    というわけで、今日は、2つトピックいきます。一つ目は「掃除」ですね。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    元々、創業時は以前お話しした通り、自宅からのスタートだったという背景もあるかもしれませんが、オフィスを構えてからも掃除は自分たちで行なうことにしているんです。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    掃除をするとすごく良いことがあって、自分で掃除すると汚さなくなるんですよ。

    がじろう

    ああー、なるほど。

    Hossy

    たとえば清掃会社に依頼していたら、汚しても自分は痛くも痒くもない。いわゆる「痛み」がわからないわけです。でも、自分で掃除してみると、汚れている状態がどれほど大変かが身に染みてわかります。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    だから「汚さないようにしよう」という意識が働くんです。その中でも特に大きいのが、トイレの使い方ですね。

    がじろう

    はいはい。

    Hossy

    トイレ掃除を普段からしている人は、お店のトイレでも汚さないと思うんです。特に男性は、社会的な背景もあってトイレ掃除をする機会が少ないので、汚しやすい傾向にあるかもしれません。構造的な問題もありますね。いわゆる男性用の小便器ってあるじゃないですか。縦長のね。あれが良くないんですよ。

    がじろう

    ほう。

    Hossy

    立って用を足すから、駅やお店のトイレでも床が汚れてしまう。はみだしてしまって。

    がじろう

    あれ、なんであんなことになっちゃうんですかね?

    Hossy

    すごくない?

    がじろう

    電車のトイレなんかもすごくないですか? まるで暴れてるのかってくらい(笑)

    Hossy

    やっぱり、コントロールできてないんですよね(笑)

    がじろう

    そのレベルを超えてないですか?

    Hossy

    立ち用のトイレって男しかできないでしょ?

    がじろう

    確かに。

    Hossy

    トイレが相当な数揃っていないと、あれを設置するのは現実的じゃないんですよね。

    がじろう

    うん、確かに。

    Hossy

    男女どちらも使えるトイレとなると、普通は洋式の座って使うタイプになりますよね。でも、男性はつい立って使ってしまうことがある。男性用小便器ですらあれだけこぼしているのに、洋式だとさらに飛び散ってしまうんですよ。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    でも、もし自分で掃除をすることになれば、汚した時の大変さが身に染みてわかりますから。自分の分だけならまだしも、他の人の汚れは「嫌だな」という気持ちが芽生えるはずです。そうなると、自分も汚さなくなるし、他人にも汚してほしくないと思う。

    だからこそ、自分たちでしっかり掃除をして、トイレも必ず座って使う。女性で立って用を足す方はいないでしょうから、やはりこのあたりは男性なんですよね。

    がじろう

    ふんふん。

    Hossy

    便座を上げた状態で立って用を足すから、どうしても高い位置からしぶきが飛んで汚れてしまうんですよね。それが自分で掃除をすれば、その大変さは一発で理解できるはずです。飛び散った汚れを自分の手で拭き取るのですから。

    がじろう

    はいはい。

    Hossy

    というわけで、トイレに限らずですが、掃除はしっかり自分たちで行ないます。

    がじろう

    それはそうですね。めちゃくちゃ理にかなってますね。

    Hossy

    はい。

    がじろう

    ちょっと余談なんですけど、僕がまだ小学生だった頃にですね、立って用を足すおばあちゃんがいましたね。

    Hossy

    ええ!?

    がじろう

    しかも電車のホームから線路に向かって。

    Hossy

    マジで?

    がじろう

    はい。有名なおばあちゃん。

    Hossy

    この話そんなに広げていいかわからないけどさ(笑) 男性は、昔からの習慣で立って用を足すことがあったからかもしれないけど、ズボンの前にチャックがあるじゃない。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    女性って前チャックがなかったり、いわゆるパンツ、その下着に穴がないから、立って用を足すためにはそのパンツを下ろさないといけないじゃない。

    がじろう

    そうですね、はい。

    Hossy

    膝のあたりまで下ろしただけだと、自分のおしっこがかかる危険性があるでしょ。そうなると、全部脱がない限り危ないよね(笑)

    がじろう

    そうじゃなくて、ホームから線路に向かってお尻をグッと突き出して、体を「く」の字にするような体勢です。

    Hossy

    立って前にするというよりは、お尻を出して。

    がじろう

    そうです。

    Hossy

    なるほど、その体勢はかなり危ないね(笑) 一歩間違えれば下に落ちちゃうよ。

    がじろう

    ここの領域にたどり着いた人がまだその人しかいないから、たぶん、そういう人しかいないんだとは思うんですけど。

    Hossy

    なるほどね。それは人生で1人?

    がじろう

    僕が見たのは人生で1人ですね。

    Hossy

    地元にいっぱいいるのかなと思った。

    がじろう

    いやいや、一定期間その人はいたんだけど、途中で怒られたのか、いなくなりましたけど。

    Hossy

    駅員さんに絶対に怒られるよね(笑)

    がじろう

    だけど、有名になりましたね。うちの小学校の人はみんな見てるんじゃないかな。

    Hossy

    立ちションババアみたいになっちゃうよね、名前がね。

    がじろう

    そうそう。

    Hossy

    でも、この話を本当に広げていいかわかんないけど(笑) 昔の電車って、下に落ちるトイレがあったよね。

    がじろう

    あ、つまり下にボットン式みたいなタンクが設置されてるってことですか?

    Hossy

    タンクじゃなくて線路に。

    がじろう

    線路にですか? そのまま?

    Hossy

    そう。

    がじろう

    へえー!

    Hossy

    がじろうはやはり僕よりも若いから知らないのかな。

    がじろう

    じゃあ、どんどん線路が臭くなっていくんですか?

    Hossy

    だから「駅に停車している時はトイレに行かないでください」と。駅でみんながすると、駅の停車してるところにどんどんたまってしまうから。

    がじろう

    走ってる間だったらいいと。

    Hossy

    そう。

    がじろう

    雨で流れてるってことっすか?

    Hossy

    雨とか、その太陽で、乾燥させて。

    がじろう

    へえー。そうか。

    Hossy

    いつ頃まであったんだろう? だから、その頃は当然和式なんですよ。

    がじろう

    下が見えてるんすね。

    Hossy

    そう、便器から下が見えたの。

    がじろう

    へえー! すごいですね。

    Hossy

    これはある一定の年齢以上の人にしかわからないので、「あの時のこういうのあったよね」と言って、「あったね」と返ってきたら、「もしかして50歳以上ですか」って(笑)

    がじろう

    (笑)

    Hossy

    というわけでですね、外注せずに火曜日と金曜日の朝にみんなで掃除を行なう。当然、僕もやってましたけどね。

    がじろう

    いいですね。

    Hossy

    僕がやる時は、細かいところまで徹底的に綺麗にします。これも意識の問題だと思うんですよね。ただなんとなく済ませるんじゃなくて、綺麗に仕上げようという強い思いがあるんです。

    がじろう

    そういえば昔、トイレを素手で掃除するっていうのが流行りましたよね。

    Hossy

    あったよね。僕はやってないけど。

    がじろう

    僕も噂でしか聞いたことないんですけど、研修の一環としてあるんですよね。

    Hossy

    実際のところどうなんでしょうね。さすがにそこまでは嫌だよね。実は、僕の知る限り、現在(のトリニティオフィスで)は自分たちで掃除をやってないと思います。

    がじろう

    なるほど。

    Hossy

    もうトリニティを辞めているので、トリニティのことをあんまり文句言いたくないんですけど、オフィスを引っ越して、今は立ちショントイレもあるらしいです。

    がじろう

    おおー。そういうところから変わっていくんですね。

    Hossy

    そうなんですよ。これは僕だったら絶対やらないことなんですけど。

    がじろう

    けれど、こういうなんかちょっとした思想の違いって、結果出るまでに長年かかるじゃないですか。

    Hossy

    うんうん。

    がじろう

    だからもうわかんないですよね。そこからがスタートなのかどうかって。

    「改善提案制度」による変化の体質作り

    Hossy

    今の掃除の話にも繋がる部分があるんですけど、トリニティには「改善提案制度」という仕組みがあるんですよ。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    この改善提案制度自体も、実は改善提案で生まれた制度です。

    がじろう

    はい。

    Hossy

    以前いた社員が、トリニティに転職する前の会社で、いわゆる改善提案の仕組みがあったという話をしてくれたことがあって。

    がじろう

    へえー。

    Hossy

    そこでは改善提案を一つ上げると500円もらえたそうです。

    がじろう

    おお、良いですね。

    Hossy

    これは、いわゆる実務的なプロセスを変えていこうというような、製造現場の効率化みたいな話から始まってるんですけど、そこから徐々に進化を遂げていった感じですね。今は「毎月必ず一つ、何かしらの改善提案を出す」というのが基本的なルールになっています。

    改善することを必須とすることで、社員が「どこかに改善の余地はないか」と常にアンテナを張りながら、日々の仕事に向き合うようになるわけですよ。

    がじろう

    なるほど。

    Hossy

    本当にどんなものでもいいよというのが基本なんですよ。たとえば、すごく小さなことで言えば、冬に会社に来た時の取っ手が、バチッと静電気で痛い。その横に静電気除去シートを貼りたい。

    がじろう

    おおー。

    Hossy

    だけど、そういう積み重ねが大切なんです。たとえば20人のスタッフがいれば、毎月20件ものアイディアが、小さなものから大きな物まで集まってくるわけですよ。僕自身も含めた社員が「どこか改善の余地はないか」と常に意識を向けているっていうのが重要で、改善すること自体は何でもいいんですよ。

    がじろう

    ふんふん。

    変化へのハードルを下げ、組織を身軽にする

    Hossy

    ノー残業デーであるスイスイ水曜日っていうのも、この改善提案から生まれました。ネイル手当なんかもそうですね。リフレッシュ休暇についても、以前は夏休みとして固定されていましたけど、「夏だけだとどこも混むよね」という話が出て。それなら年1回、好きなタイミングで取得できるリフレッシュ休暇にしよう、といった経緯があるんです。

    僕自身のポリシーとしては、何かを変えることへのハードルを極力下げていきたい、という思いが根底にあるんですよね。

    がじろう

    うん、確かに。

    Hossy

    改善ってなにかを変えるわけじゃないですか。

    がじろう

    そうですね。

    Hossy

    たとえば、先ほどの静電気除去シートのように、「痛いな」と思ってそのままにしてしまうことってありますよね。でも、そこで「変えよう」という意識を持つことが大切なんです。

    何かしら改善して、会社のルールを変えたり、新しい仕組みを作ったりっていうことを毎月やっていくわけじゃないですか。その繰り返しが、変化を受け入れる体質を作る布石になるんですよ。

    がじろう

    この改善で会社を良くするっていうよりも、会社を変えやすい体制を作るためのものなんですね。

    Hossy

    そうですね。意識としては。

    がじろう

    はいはい。

    Hossy

    改善提案で何かを変えていくこと自体、もちろん良いと思うんですよね。たとえそれがすごく些細なことで、会社全体に影響を与えるようなものじゃなかったとしてもね。本来、会社の仕組みや制度に手を加えるのって、きっかけがなければなかなかやらないですよね。

    がじろう

    そうですよね。

    Hossy

    今までのやり方をそのまま続けるのが一番楽なんですよね。もしこうした仕組みがなかったとしたら、何かを変えるにはかなりの労力が必要になります。まず「誰に相談すればいいのか」というところから始まって、勇気を出して上司に掛け合っても「そんなの必要ないでしょ」の一言で片付けられてしまうかもしれない。

    そうした変化に対する高いハードルが、いたるところにあるわけですよ。だからこそ、日頃から小さな改善を繰り返すことで、もっと大きな変革が必要な場面でも、踏み出せるようになる。

    がじろう

    質問なんですが、改善提案って20個も集まってくるわけじゃないですか。

    Hossy

    はい。

    がじろう

    全部やるんですか? それともそこから選ぶんですか?

    Hossy

    そこから選びます。

    がじろう

    あー、よかったよかった。なるほど。

    Hossy

    けれど、基本的にはやろうという姿勢でいたんですよね。意識的な面でも、改善の提案に対するハードルを徹底的に下げていく。それともう一つ、何かを変える以上、それが良い結果を生むかどうかはやってみないとわからないじゃないですか。

    先ほどお話しした静電気除去シートですが、これといったデメリットはあまりないと思うものの、デザイン的に優れたものがなかなか見つからなかったんですよね。したがって、景観を損ねるかもしれません。

    がじろう

    うーん、なるほど。

    Hossy

    改善提案を採用して実行してみた結果、「これ実はあんまり良くなかったね」となるケースも当然あると思うんですよ。でも、先ほどお話ししたように提案へのハードルを下げることと、改善提案しても「ダメだったら元に戻せばいい」という、この両方を基本の信念としているんですよね。

    がじろう

    なるほどね。

    Hossy

    たとえば、実際やらなかった話で言うと、トリニティって2階建てなんですが「エレベーターつけたい」と。

    がじろう

    エレベーター。

    Hossy

    でも、エレベーターを設置するには、1,000万円を超えるコストがかかるわけですよ。たかだか20段程度しかないんだから、階段で登ればいいじゃない、という話なんですけど(笑) でも、「そんなの通るわけないでしょ」と思えるようなことでも、提案として出すのはありなんです。

    がじろう

    提案のテーマっていうのは、自分が楽になればいいってことなんですか?

    Hossy

    いやいや、何でもいいんですよ。たとえば、ドアノブの緩みに気づいてネジを締め直して欲しいとか。

    がじろう

    ふーん。

    Hossy

    ブラインドの汚れに気づいて掃除するとか。そういうのも、もちろんあります。

    がじろう

    ああ、なるほど。

    Hossy

    だから、何でもいいんですよね。

    がじろう

    いや、面白いなと思って聞いてたのですが、今の農業の現場では、真逆のアプローチを試みようとしています。本当に素晴らしい方たちが集まってくれるんですよ。農業そのものが好きなので。

    Hossy

    はいはい。

    がじろう

    だからもう、改善のアイディアが勝手に次々と出てくるんですよね。効率を考えると「確かにそっちのほうが良いね」という話ばかりですが、それをどんどん取り入れていくと、マニュアルが恐ろしい長さになってしまって、把握しきれない状態になっちゃうんですよ。

    Hossy

    うんうん。

    がじろう

    というので、今、「改善したけどやっぱりやめよう」と。改善一つひとつの内容よりも、文化を作るために取り組むんだという点は、すごく大切だとお話を聞いていて思いました。

    Hossy

    そう、基本的には提案を出すことが前提で、さらにそれを形にする。たとえばドアノブの緩みを直すという提案なら、実際に修理を完了させるところまでがワンセットなんです。実は当初はなかった仕組みなんですけど、途中からは評価制度にも組み込まれて、査定でしっかりプラスのポイントが付くようになっているんですよ。

    がじろう

    これ提案した人がやるんですか?

    Hossy

    最初は、提案した本人が基本的には実行するという形だったんです。でもそうしているうちに、たとえば「ここはこう変えたいな」とは思っていても、自分一人の力ではどうしてもできないことって出てくるじゃないですか。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    役員とか代表者じゃないと対応できないような事案も出てきますから。自分がやるだけではなく、誰が実行するかをランダムに決定する仕組みを取り入れたんですよ。

    自分が「こう変えたい」と出した案が通った際に、「では担当者はランダムで」という形にして、他の方に割り振られるようにしたんです。実はこのやり方自体も、途中で改善提案として出てきたんです。

    がじろう

    ランダム?

    Hossy

    はい。

    がじろう

    やりたくない案件をランダムで割り振るっていうことですか? でも、対応できないことをランダムに決めてしまったら、結局またできない人に当たってしまうんじゃないですか?

    Hossy

    それも含めて。

    がじろう

    ああ、なるほど。面白い。

    Hossy

    僕も自分で提案して採用されたんですけど、カフェインレスの飲み物とかね。以前お話ししたように、トリニティはドリンクが飲み放題なんですけど、そこにカフェインレスの飲み物を追加したりしました。あとは、これも前にお伝えしたかもしれませんが、プロテインドリンクのザバスも置くようにしたんですよ。

    今、過去のトリニティブログを読み返していたら、「そんなことあったかな?」っていうような内容を見つけまして。トイレットペーパーをミシン目がないところで切っちゃう人がいるっていう話なんですよ。

    がじろう

    はいはい(笑)

    Hossy

    ミシン目を無視して、ぐちゃぐちゃに切るのをやめてほしいっていう提案があったんですよ(笑) スタッフが20人以上いて、毎月20個以上の提案が出てくる仕組みなので、正直なところ僕も全部は覚えていないんですよね。

    がじろう

    いや、そうなんですよね。そういうのが農業はとても多いんですよ。

    Hossy

    注意喚起レベルの提案も結構あるんですよ。「みなさん、ここ気をつけてくださいね」といったようなね。さっきお話ししたトイレットペーパーの件なんかもその類です。僕が大切にしたいのは、提案の中身もさることながら、やはり「出す」というアクションそのものなんですよ。

    先ほどの掃除の話もそうですけど、自分で実際にやってみるからこそ気づけることがありますし。日頃から改善の種を探すアンテナを張っていると、「あ、ここも変えられるな」というように意識が変わってくる。そうやって、会社を良くするために何かを変える、というハードルを極力低くしていきたいんですよね。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    それで、うまくいかなかったら元に戻せばいい、という形にしているんです。そうすることで、誰でも気軽に意見を出しやすくなるマインドが育っていくんじゃないかなと考えています。実際、ノー残業デーの導入やリフレッシュ休暇のルール変更って、会社としてはかなり大きな制度改革じゃないですか。

    たまにそういった大ヒット的なものが生まれるのもいいですし、本当に些細なことでもいいんですよ。「あそこの電球が切れてて誰も気づいてないんですけど、新しいものに交換します」といったようなね。これも改善の一つなんです。

    がじろう

    うんうん。

    Hossy

    そんな感じで、大きな改革とまではいかないにしても、気持ちが変わり、仕事に対するマインドが根本から変わってくると思うんですよ。やはり人間というのは、基本的には変化を望まないんですよ。

    がじろう

    そうですよね。

    Hossy

    前のままが一番楽なんですよ。

    がじろう

    う〜ん。

    「業務の棚卸し」と変化に適応し続ける組織

    Hossy

    たとえば長年継続している業務を一つピックアップして、「これってどうしてやってるの?」と尋ねたときに、多くの人は「前任者から引き継ぎました」と答えるんですよね。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    でも改めて話し合ってみると、その仕事が本当に必要なのか、本人も「別にやらなくてもいいんじゃないかな」と実は思っていたりするんですよね。でも引き継ぎ書にあるからやらなきゃいけない。何かをやめたり変えるのは労力が要ることなので、どうしても避けたくなってしまうものなんです。

    がじろう

    そうですね。

    Hossy

    だから、そこのハードルをもっと低くして、「変えやすい」「変えられる」という形にするというのが真の目的なんですね。

    がじろう

    環境が変わってそこに適応した人が残っていく、みたいな話あるじゃないですか。ダーウィン(チャールズ・ダーウィン)のね。

    Hossy

    そうね、はい。

    がじろう

    これ、めちゃくちゃ大きいですよね。

    Hossy

    「強いものが生き残るのではなく、変化に適合できるものが生き残っていく」と。「強かった恐竜は死んでいったけれども、頭を使って工夫し、自分たちの食べ物を自分たちで作ることができるようになった人間が生き残ってきた」というようなお話ですよね。

    がじろう

    うん。その土台を作っておくという意味ではとても大切ですね。

    Hossy

    そうなんですよね。どうしても組織の歴史が長くなればなるほど、不要な業務を整理しきれずに、積み重なっていく一方なんですよ。

    がじろう

    うーん。

    Hossy

    新しい業務というのは次々と追加されていくものですが、一方で古い習慣を整理しないから、どんどん仕事が積み重なってしまうんですよね。それで「忙しくて時間がない」と嘆くことになります。

    でもよくよく考えると、その引き継いだ仕事が現在も本当に必要なのかを吟味すれば、「実は不要かもしれない」と気づくはずです。そうした業務を引き算して、新しいことを足し算すれば、全体の負担は変わらないはずなんですよね。

    がじろう

    うん。

    Hossy

    そんな風に仕事の整理ができるようになるので。実際、残業が減らないと悩んでいる方の中には、どうしても避けられない新業務で手一杯というケースもあるでしょうが、案外、業務の棚卸しが追いついていないだけのことも多いんですよ。

    それは結局、現状を変える勇気が持てないからなんですよね。新しく指示されたことはやるしかないけれど、これまで続けてきたことをやめるとは言い出しにくいんだよね。

    というわけでですね、本日は「掃除」に加えて「改善提案」についてもお話ししてきましたが、そろそろお時間となりましたので、このあたりで締めさせていただこうかなと思います。また次回もですね、まだお話しきれていない大きなトピックがいくつか残っていますので、そちらをお話できればと思いますので、また来週もぜひお聞きください。ありがとうございました。

    がじろう

    ありがとうございました!

    エンディング

    Hossy

    「リアル経営|企業経営の成功と失敗、等身大で語る台本なき社長のリアル」

    概要欄にこの番組のWebサイトへのリンクを張っております。感想、メッセージ、リクエストなどそちらからいただければ嬉しいです。

    がじろう

    毎週金曜朝6時配信です。ぜひフォローお願いします。

    Hossy

    ここまでの相手は、Hossyこと星川哲視と

    がじろう

    がじろうでした。

    Hossy

    それではまた来週、お耳にかかりましょう。

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