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経営や趣味、時事などのブログ記事や、Podcastの発信を日々行なっています。ニュース登録をしていただければ、更新情報を配信していきますのでお気軽にご登録ください。(広告を配信することはありません)
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ChatGPTの登場により、いきなり加速度的に普及した生成AI。昨今のインターネット世界では、検索エンジンを取り巻く風景が劇的に変わりつつあります。
これまでSEO(検索エンジン最適化)がウェブマーケティングの主役でしたが、今、新たにGEO(Generative Engine Optimization:生成AIエンジン最適化)という概念が登場し始めているようです。ChatGPTに限らず、生成AIのほとんどがウェブサイトをクロールして学習し、その成果を要約としてユーザーに提供する「回答エンジン」へと進化しています。リンク一覧ではなくユーザーの質問に対し答えを直接「回答」する方式へ移行したことで、ユーザー行動も大きくシフトしています。
今回はForbesの記事を読んだのをきっかけに、SEOからGEOへの時代の変化と背景、そしてその中でも決して変わらない本質的に重要なことについて、思いつくままに書いてみようと思います。
なお、御多分に洩れず私自身も生成AIは使っており、現在はOpenAI ChatGPT ProとGoogle Gemini Advanced(Google Workspace付属)を使い分けています。今回は、ChatGPT ProのDeep Research機能を使い、調べ物をヘルプしてもらいながら記事を書いています(海外サイトのソースが多くてすみません)。そして、その行為自体が今回のテーマでもあります。
まず、今まさに起きている検索エンジン環境の変化について見てみましょう。Bain & Company の調査によれば、消費者の80%が検索の少なくとも40%でAIによる要約を利用しており、その結果ウェブサイトへのクリック数が最大で25%減少していると報告されています。
つまり、多くのユーザーは検索結果ページでリンクをクリックする代わりに、AIが生成した要約や回答を得て満足してしまっています。特に、Googleは生成AIを活用した検索機能(「AIによる概要」)を世界100か国以上で提供し、毎月10億人以上がこの機能を利用しているといいます。
検索結果を一覧で表示する従来型の検索から、質問に直接答えを返す「回答エンジン」へのシフトが進んでおり、OpenAI ChatGPT、Microsoft Copilot、Perplexity AIなど数多くの新プレイヤーが急速に台頭しています。
このような変化の中で懸念されるのが、従来型のSEOだけに注力していると情報発信者側の露出機会が減ってしまうことです。極端に言えば、どんなに検索結果で上位表示されても、自分のコンテンツがAIの生成する回答に含まれていなければ、ユーザーの目に触れない可能性すらあります。実際、一部の企業ではAI対応の戦略を持たないがゆえに検索エンジンからの流入が2桁減少した例も出てきているようです。言い換えれば、検索経由のトラフィックをAIに奪われ始めているのが今現在起きていることなのです。
過去にもまとめページだけで要約を読んで満足してしまうという現象はありましたが、生成AIの登場により、それが「当たり前」になりつつあります。
では、この新時代のキーワード「GEO」とは具体的に何を指すのでしょうか?
簡単に言えば、GEO(生成エンジン最適化)とは「AIによる検索・回答エンジン」に自分のコンテンツを見つけてもらい、回答に引用・使用してもらうための最適化手法です。従来のSEOがGoogleなど検索エンジンのアルゴリズムに評価されるためにキーワードやメタタグの最適化に注力していたのに対し、GEOではユーザーの質問に対して網羅的かつ直接的に答えるコンテンツを用意することに力点が置かれます。
生成AIシステムが私たちのコンテンツを回答の根拠として引用(参照)できるようにすることが重要であり、そのためにはページごとに扱っているテーマや専門性をはっきりと示す必要があるようです。
具体的には、従来SEOで行なっていたような人間には見えないキーワード埋め込みなどのテクニカルな工夫だけでなく、構造化データや明確なラベル付けによってAIに内容を正確に伝えることが求められます。
成功指標にも違いが出てきます。SEOでは検索結果から自サイトへのクリック数などが重視されていましたが、GEOにおいてはAIツールがどれだけ自社ページを言及・リンクしてくれるかが新たな評価基準になりつつあります。つまり、検索順位以上に「AIの回答に選ばれるかどうか」がポイントになってくるのです。
もっとも、こうした技術的な変化に焦って拙速に対策する必要はありません。現在主流の多くのウェブサイトやCMSプラットフォームでは、構造化データの追加やメタ情報の最適化を支援する仕組み(プラグインなど)が整っており、必ずしも専門的な知識がなくても基本対応が可能です。つまり、自社コンテンツのテーマを生成AIにも人間にも分かりやすく整理することがGEO対策のキモだと言えるでしょう。
生成AIが検索結果画面で回答を完結させるようになると、リンクをクリックしてもらえず広告インプレッションやアフィリエイト成果が激減するリスクが現実味を帯びています。自分のサイトに訪問してもらえないのですから、そこに表示させる広告を見てもらえないのは自然の流れです。米国のDIY系ブログでは、GoogleのAI概要テスト導入後わずか1か月でPVが70%減り、広告収入は65%ダウンしたという報告もありました(Googleはそれだけではないと反論しています)。
とはいえ打つ手はあるようです。下記がChatGPT Proによる提案です。
AIに引用されること自体は認知拡大のチャンスですが、マネタイズを維持するには「深さと独自性」+「読者コミュニティ化」が今まで以上に重要になります。
GEOの登場で何か特別に奇抜な新テクニックが必要かというと、実はそうではありません。AIによる検索応答が主流になっても、基本となる戦略はこれまで良しとされてきたコンテンツマーケティングの延長線上にあります。ユーザーのニーズ(検索意図)を的確に捉え、価値ある情報を提供することが依然として最優先事項です。実際、生成AIの回答の質を左右する要因を分析した研究でも、「経験・専門性・権威性・信頼性(E-E-A-T)」の高いコンテンツこそがAIの出力に採用されやすいと報告されています。これはGoogleが長年提唱してきた良質なコンテンツの原則と軌を一にするものです。
ですから、GEO時代においても基本に立ち返り、自社の専門分野で充実したコンテンツを継続的に作り込むことが遠回りなようで最も近道です。具体的には、ユーザーが疑問に思うであろう事柄を想像し、それに対する具体的かつ分かりやすい深い回答を提供する記事やページを増やしていくことが大切です。
また、信頼性を示すために統計データや引用を適宜盛り込み情報の裏付けを示すことも有効です。こうしたコンテンツは人間読者に有益なだけでなく、AIにとっても有用な知識源となり得ます。結果として、AIが生成する回答の中で「参考:○○」と自分のサイトが紹介される機会が増え、従来とは異なる形でトラフィックやブランド認知を得るチャンスにつながるでしょう。
下記がChatGPT Proによる具体的な施策です。
最後に強調したいのは、時代が変わっても「本当に大切なこと」は変わらないという点です。生成AIの登場により、多くのことが変化に見舞われ、GEOという新しい概念に危機感を覚えるかもしれません。しかし、実のところ本質的な戦略は今まで取り組んできたことと大きく変わりません。
「結局のところ、GEOに新しいことは何もない。どれもずっと前から学んできたことだ」という指摘がある通り、最終的には地に足の着いた基本の積み重ねがものを言います。アルゴリズムの仕様やテクニックに振り回されすぎず、良質で信頼でき、そして適宜アップデートされたコンテンツを着実に提供し続けることこそが、SEO時代でもGEO時代でも揺るがない王道だという点を忘れてはいけません。
加えて、AIが要約しきれない深い記事──たとえば公開データを再計算した独自分析、現場の成功と失敗を赤裸々に語るケーススタディ、業界の超ニッチ領域を徹底的に掘り下げたレビュー──は、今後さらに評価されるでしょう。
「インターネット時代はオタクの時代」と私は常々話しています。これはマスで広く浅く知る時代は終わって価値がなくなり、一つひとつの物事に狭く深く知識を持つことに価値を見出すようになってくるということです。
AIは汎用的な情報をまとめるのは得意ですが、人間の経験に裏打ちされた一次情報は学習できないため生成できません。だからこそ、深く、ユニークで、読み手に直接刺さるコンテンツを磨き続ける限り、AI時代でも「狭くて深い情報」は必ず求められ続けると思います。
変化の激しいデジタルマーケティングの世界ですが、土台となる「ユーザーに価値を届ける」という使命は不変です。検索エンジンや生成AIがどんな進化を遂げようとも、他にはないコンテンツを生み出し、磨き上げていけば、それが検索結果であれAIの回答であれ、マスではないかもしれませんが求めているユーザーに価値を感じてもらえるようになります。
いつの時代も結局大切なのは独自性のある良質なコンテンツ。これからもブレない軸として、私も自分にしかない経験や体験から生み出される事例やその思いを綴っていこうと思います。
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AIが要約してくれることだけで満足してしまうことも多くあると思います。しかし、細かいことまで記述していったら要約にならないので、ある意味「端折る」ことになります。しかしながら、その端折られた詳細な部分が実は大切なところだったりするわけです。そうすると、要約を見ても、元の文章を読みたくなってきます。画像についても要約には入ってきませんので、挿絵や写真、グラフなどはAIの要約ではわかりません。
結果として、AIの要約だけでは足りずにウェブサイトなりブログにたどり着いてくるのかなと思っています。もちろん、要約だけで満足してしまう人たちがいることは否定できません。だからこそ、YouTubeやテレビ番組などでも倍速で視聴するわけです。溜めとか空気感とか間合いとかを重視しない、ストーリーが分かれば良いという「速読」消費をする層とは、ある意味で読者として分かれていくのかもしれません。
私としては、AIに知られていないようなコンテンツや私の考え方を中心に、このHossy.orgのブログを続けていきたいと思っています。
P.S. とはいえ、それらもどんどん学習されていくので最終的にはAIに追いつかれる可能性はあります。常に新しいことを追いかけていかないといけないのです。
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